韓流映画「ラブストーリー」を観ました。
「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督。
「四月の雪」のソン・イェジン。
それだけのキーワードで手に取った作品でしたが・・・
善良なヒロインと、善良な二人の若者の三角関係。
不幸な「時代」。身分の違い。悲恋。
家族のウェイト大きめ。絶対的な「親」。
語り継ぐ愛。運命の人。
・・・・・。
ぐわあああああーーーーー、どうなのよ!これ!!
これこそがおそらく冬ソナ系スピリットであり、
これを支持できる人たちが韓流ドラマブームを支えているようにも思われますが、
いわゆる中年以上世代に受ける、いや中年以上世代にしか受けない、
そのわけが一気にわかったような気がします。
<私がこれまでに見た韓国映画は「殺人の追憶」のみ←けっこう好き
*****
ジュヒ(母)とジヘ(娘)の2代に渡る大河ドラマ的ラブストーリー。
ジュヒの恋物語としては 初恋の初々しさと激しさを
友情もからめて丁寧に描いてあり なかなかいい感じでしたが、
娘ジヘの世代をかませたことで大幅評価ダウン。
しかもジヘのキャラがいまいち魅力に欠けるため、もう全然ダメ。
美しいカノンの調べが流れる中、
母の宝物のラブレターを読む娘(でも母は存命なのにこっそり読むのはアリなのか?)。
母が父とやりとりしたものと思っていたラブレターは、
実は「母」と「父の名を騙った父の友人」の手による手紙だった。
そして「母」と「父」と「父の名を騙った友人」の真相を
(日記によって)紐解いていく旅が始まる・・・
ちなみに「父の友人」が「父の名を騙っている」理由は
最初は いわゆるラブレターの代筆。
のちには 身分違いの恋ゆえ交際が彼女の親にばれるとまずいので
婚約者だった「父」の理解・協力を得て 彼の名を使わせてもらっていたため。
※以下、ネタバレ全開・・・・・
母ジュヒの恋は 夏休みに田舎で会った好青年ジュナが
親の決めた婚約者テスの友人として現れるところから始まる。
彼はあの夏の思い出の自分のネックレスを大切に持っていてくれたし、
自分もあの時彼がくれた蛍を大切に飼っている。
ジュヒとテスの両親はなんとしても二人を結婚させたがっていたが
ジュヒとジュナが惹かれあっていることを知ったテスは
二人の恋を密かに応援してくれるようになる。
しかしテスの父にそのことがバレ、父から虐待に近い叱責を受けるはめに。
心優しいテスは誰にも言えず、どうすることもできず、ついに自殺を図ってしまう。
テスは一命をとりとめたが、この時を機に
ジュナは黙ってジュヒとテスの前から去り、ベトナムへ兵士として赴く。
胸には彼女からもらった思い出のネックレス・・・
戦後ジュナが帰国する。一見変わりないが実は戦火で失明していた。
独身のまま待っていたジュヒと再会したジュナは笑顔でこう言った・・・
「どうして結婚しなかったの?僕はしたのに」
ジュナは再び姿を消し、ジュヒはいつも優しく支えていてくれていたテスと結婚した。
娘(ジヘ)に恵まれたが テスはほどなく亡くなってしまう。
一方ジュナは ジュヒが結婚したのを確認した後に結婚(↑の台詞は嘘だった)、
1児に恵まれたが 若くして亡くなり、その遺灰は遺言によって
ジュヒと出会った思い出の川に撒かれた。
・・・ここまでは、ステレオタイプではありますが、まあいいんじゃないかと思います。
ジュナ役のチョ・スンウとジュヒ役のソン・イェジンがはまり役で
とても美しく、きらきらとした 初恋の思い出、って感じがしてました。
しかし!結びが・・・ああ、あ、あんまりなんですぅ・・・・・・・・・・
娘ジヘは友人とつきあっていたサンミンを略奪、
彼との初デートで この母の恋物語を話して聞かせる。
話し終えてふと彼を見ると 彼は泣いていた。
そして彼は黙って自分のしていたネックレスを外して、ジヘに見せる・・・
それは ジュヒがジュナに贈ったネックレス!
つまり サンミンはジュナの息子だったのです!!!
しかもこの時点まで お互い、
お互いの父と母が恋人だったことは知らなかったんですよ?!
ラストは父と母の夏の思い出をなぞるように 同じ川の川辺で
同じように 蛍を捕るサンミンと 見守るジヘ・・・ で、エンドロール。
( ´Д`) フゥー... なんだかね・・・・・・
名前も出てこなかったジュナの妻のことを 想わずにいられない私はヘンですか?
子供も産んでともに家庭を築いた数年間の重みは、初恋の重みに劣るのですか?
この映画が好きだという方、どのへんがどういいのか 教えてください・・・(T_T)
好きになれなかった大きな要因のひとつが娘ジヘのキャラ。
平たく言わしていただければ むかつく女です。
友人のスギョンもこれまたどうしてありえない女ですが・・・
娘ジヘの恋はこう。
友人スギョンが演劇部のサンミン先輩に一目ぼれ。
スギョンはジヘにラブレターならぬラブメールを依頼し、
ジヘは2ヶ月に渡り彼にメールを送り続ける。
やがて ジヘにも先輩への恋心が芽生えたが早いか
積極的なスギョンは「メールを送ってたのは私!」と強引に先輩に迫り
押しかけ女房的に彼女の座に収まってしまう。
スギョンは彼との仲をジヘに見せつけたり、
邪魔になると帰れと言ったり、けっこうな仕打ちをしてくれるので
ジヘは毎日くさり気味・・・
結局はサンミンとジヘがつきあうことになるのですが、その経緯は
ジヘが友人失うの覚悟で先輩にアタックしたとかいうわけではなく、明らかに
サンミンが先に「気があるそぶり」を見せていて それをジヘが受けとめた、という感じ。
そのためふられたスギョンは先輩には怒るけどなぜかジヘには怒っていないようです。
じっとり、もんもんと、ただただ待っていたジヘって、いやらしい女ーーって思います。
サンミン先輩はとにかくモテモテのイケメンという設定なのですが
そんな彼が なんのとりえもなく (先輩を好きゆえに)無口で無愛想なジヘを
好きになる訳ないと思うのです。
これではたんなる少女マンガのご都合主義です。
ま、スギョンは矢沢心系、ジヘは(脱がない)矢部美穂系なので そのせいか?
なんか、萎えるの、私だけ・・・?(-_-;)