旅と鍼灸

チベット大好き院長による、旅と東洋医学のお話

今月のお話 第4回

2014年05月01日 | 日記

 「脳梗塞の対処法の話」

 

今日から5月。ゴールデンウィーク真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は、脳梗塞の対処法の話です。

・脳血管障害は、かつては日本の死亡率の第3位でしたが、現在は医学の進歩によって死亡率が下がり、第4位となっています。これは一見喜ばしいことですが、反面生存率が上がったことで(言い方は良くないですが)「ポックリと死ねなくなった」ということ、そして多少なりとも障害を抱えて生きていく、ということでもあります。

・脳梗塞の判別法は、片側の手の痺れや、ろれつの悪さなどと言われますが、なかなか判断がつき難いもの。簡単な方法は、①口の片側から涎が垂れていないか ②舌をベーと出したときに片側に傾いたり、異常に震えていないか がポイントです。

・完全に意識を失っていれば、さすがに周囲の方は救急車を呼ぶでしょう。しかし、脳梗塞の初発はまだ意識があることが多く、患者さんは「救急車を呼ばなくていい」と言う場合があります。しかし、上記症状がみられればすぐに呼びましょう。「疑わしきは即検査」です。

・あらゆる意識障害の応急処置として、ボールペンの先端など先の尖ったもので両手10本の指の先端をグリグリ強刺激すると脳に刺激がいき、予後が軽くなります。また麻痺などの後遺症の治療にも鍼灸治療が有効です。退院後のリハビリに、鍼灸を選択肢のひとつとして加えてみるのもいいでしょう。


今月の写真

2007年7月11日 チベット自治区の首府ラサへ向かう。標高5000メートルの峠を越える青蔵鉄道の車窓から。真夏だというのに、車窓には吹雪が吹き付ける。線路の脇を幹線道路が走り、物資が内陸からラサへと運ばれる。2006年に青蔵鉄道が開通するまで、陸路の旅といえば「闇バス」による密入境だった。 

第4回チベット旅行(2011年春)の時は「闇バス」による密入境を敢行。狭い寝台バスに押し込められ、寒さと振動、そして高山病に苦しめられた三日間のバス旅はまさに「地獄」。このへんの話はおいおい…。

狭すぎて身動きが取れない。隣のチベット人の女の子は爆睡中。この状況でどうやったら眠れるんだ…。

 

 

列車の旅だと最下等車両でもこのくらいの余裕がある。隣の席の中国人と記念撮影(2011年春、ラサからの帰路にて)

 

青蔵鉄道車両内にて(第2回、2008年冬)。日本人青年と、甘粛省玉樹から巡礼に来た少年と記念撮影。冬はチベットの巡礼シーズンであり、外国人旅行者が減り、代わりに各地のチベット人がラサに向かう。

 

青蔵鉄道は「天空列車」の異名のように、空と大地の距離が近い。雲の中を走ることもしばしば。バスと違って列車の旅は快適。

 

 

真っ青な空の下には、これまた真っ青な湖と緑の草原が広がる。湖畔には放牧のヤクがゆったりと草を食んでいる。時折、バイクに乗った僧侶や放牧民の子どもが手を振るのが見られる。

 

 

青蔵鉄道の陸橋。一説によると、この過酷な環境で鉄道を建設するために、何千人もの人々と、数千頭のヤクが犠牲になったという。

 

車窓から。地平線が美しい。

 

 

 

 

 

チベット高原には貴重な野生動物が数多く生息する。鉄道が野生動物の移動に支障をきたさないよう、動物用のトンネルが設けられている。中国政府は、鉄道建設は環境に配慮したものだと強調するが、そうは思えないけど。

 

 

 

 

 

無人のチベット高原にも、ところどころに集落がある。おそらく鉄道の整備や、貨物輸送のトラック運ちゃんの休憩施設なのだろう。

 

 

 

第二回旅行(2008年冬)の時の写真。車外は猛吹雪で、乗務員さんの表情が寒そう。

 

吹雪のなか、ホームへ降り立つ乗客。あたり一面氷の世界。北チベットの那曲駅(2008年冬)。ラサまでもうすぐ。

 

チベット自治区は中国の「非開放地区」であり、外国人の自由な旅行は禁止されている。そのため、原則外国人は旅行会社のツアーに参加する形で「入域許可証」と「外国人旅行証」を取得しなければ旅行ができないこととなっている。しかし、それはあくまで表面上だけの話であり、「賄賂」の通用する中国ではいくらでも抜け道がある。

ずっと昔から、外国人の旅人は許可証をもたずに「密入境」していた。飛行機でラサに飛ぶのはパスポート等のチェックが厳しいのでおそらく不可。となると、闇バスによる陸路か、青蔵鉄道がメインだろう。中国人もそこらへんの事情がわかっているため、西寧駅に行くとこっそりとラサ行きの切符を転売する業者に声をかけられる。今回は初めてだったので、業者からこっそりと切符を買った。列車に乗り込むまではドキドキだったが、実際はなんのチェックもなく乗り込めた。さすが中国、テキトウ過ぎ…。でも助かった。

 

遠くにチベットの象徴であるポタラ宮が見える。いよいよラサに上陸だ!