一護が走り抜けた先の広場の先にある階段上に佇む人影・・・。
「待っていた、死神・・・。」
「テメーは、アン時の破面!!」
「ウルキオラだ。藍染様がお呼びだ、着いて来い死神。」
とウルキオラは一護に用件だけを告げた。
「ふざぇんな!!何で手前らの言う事に従わなきゃなんねーんだよ!!それに、俺はちゃんと黒崎一護っつー名前が有るんだよ!!」
「では黒崎一護。大人しく着いて来れば、仲間の命の保障をする。」
「っ…ふ、ふざけんな!卑怯者!!」
一護は階段下からウルキオラを睨み付けて叫んだ。
「貴様が何と言おうと連れて行くのが命令だからな。」
ウルキオラは一護に対しシレッと答えた。
一護は苦渋に顔を歪め、意を決した。
「本当に俺が一緒に行けば皆は無事に帰してくれるんだな!?」
「ああ。」
「分かった。」
「一護!!」
今まで一護の後ろで事のなり行きを見守っていたネルが慌てた。
「ネル…、ゴメンな。お前達まで巻き込んで…。」
「そんな事無いっス!!オラ達は好きで一護達に付いて来たんスから!!」
「…行くぞ。」
「ああ、分かった。」
「一護、待つっスっ。オラも行くっス。」
ネルは一護の足にしがみ付いて言った。
「いや、ネルはココで待っててくれ。」
一護はネルの頭をなでながらそう言った。
「けど…!!」
「大丈夫だから。な?」
そうネルをなだめるとウルキオラと共にその場を去り、更に奥へと足を踏み入れた。
どこまでも続く長い長い廊下をウルキオラについて行った。
そして現われた巨大な扉。
「ココだ。ココで藍染様が待っている。」
とウルキオラは軽く後ろを振り向き一護に告げた。
それに一護は無言でコクリと頷いた。
ウルキオラは扉に手を伸ばし開けた。
そして、一護を伴って部屋の中央まで歩を進めた。
「藍染様、黒崎一護を連れて来ました。」
その部屋には破面達の中の十刃とその下に位置づく者達が勢揃いしていた。
「黒崎一護くん、虚夜宮へようこそ。待っていたよ。」
と藍染はニヤリと笑みを称え一護に告げた。
「…ふざけんな!!こんな卑怯な手を使いやがって!俺に何の用があるってんだよ!?」
藍染を睨み付け叫んだ。
「君という存在に実に興味があってね。それに君はソチラ側に居るべき人間じゃない。」
藍染は玉座から立ち上がるとゆっくりと一護に近づいた。
「…っ、何言って…!!」
「ふふっ、私が気付かないとでも思っているのかい?」
「……っ。」
「君の現世の仲間はたとえそれを知ったとしても、態度を変える事は無いだろうね。しかし尸魂界側はどうだろう?君の事を敵とみなし消そうとするだろうね。なら、コチラ側へ来た方が利口では無いかい?」
「…っ例え、…例えそうだとしてもルキアみたいに尸魂界の意志に背いても仲間でいてくれるヤツだっている!!」
「そうかもしれないね。しかしコレを見ても井上織姫を助けて共に現世へ帰ると言えるかな?ギン。」
「はいはい。ほな、写すで~。」
部屋の左側にある巨大スクリーンに写された映像。
ルキア・チャド・恋次・が破面達との戦いで地に伏せっている映像だ。
「…っルキア、チャド、恋次!!」
「おやおや、まだ動けるのはクインシーの彼だけみたいだね。彼らを助けたいかい?黒崎一護くん。」
藍染はいつの間にか一護の背後に回り、耳元で囁いた。
「当たり前だ!!」
バッと藍染の方へ振り向き、詰め寄り叫んだ。
「なら、君が我々の側に付き私のモノとなるなら彼らをこのまま無事に現世へ送り届けよう。どうするかい?黒崎一護くん。」
「…っ、井上も…井上も無事に現世へ帰してくれると約束してくれるならアンタのモノになってやるよ!!」
ぐっと手の平を握り締め、キッと藍染を睨み上げて言った。
「ふむ、あの能力は惜しいが…まあ良いだろう。井上織姫も現世へ送り届けよう。」
藍染は一護の前に回り、手を差し出した。
「でわ改めて、虚圏へようこそ 歓迎するよ。黒崎一護くん。」
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