「朽ちた手押し車」に続いての蔵出し映像に出会えて大感激。
こちらは、ベトナム戦争末期の1974～75年にかけて南ベトナムで長期ロケを敢行して撮影された幻の作品ということで、セットや再現フィルムでは味わえないリアルな空気を体感。
内容的には、よくある破滅型青春アクションドラマともいえるけど、このタイミングでの公開というのも必然的というか、今の日本を考えてみるのもおもしろいかも。
主人公の日本人商社員杉本を演じた川津祐介さんは、本作がお蔵入りと聞いたときは“クソバカ野郎、許せねえ！”という気持ちだったそうで、なにはともあれ40年近くの時を経ての公開に拍手、お疲れさまでした。
《75年の南ベトナム。日本人商社員の杉本俊夫は、なりゆきでベトナム人を殺害してしまう。金に物を言わせた気ままな生活は一変し、殺人者として追われる身となった杉本は次第に暴力と犯罪にまみれていく。やがてベトナムからの脱出を考えた杉本は、恋人のランと、日本人とベトナム人を両親にもつタローを伴い、北を目指すが…》「
修羅雪姫」「犬神家の一族」などの脚本家として知られる長田紀生が、自らの脚本でメガホンをとった。
◆キャスト
川津祐介, ファン・タイ・タン・ラン, 磯村健治, ドァン・チャウ・マオ, きくち英一
99分
キネカ大森3 15:20～観客2人/40席
