これは珍しいジョージアとアメリカの合作作品だけど、何故に「TATAMI」?と思ったら女子世界柔道選手権に参加のイラン代表選手とそのコーチの話で、政治的なことはよくわからないけど理不尽な圧力で棄権を命じられた選手とコーチの決断とその後が描かれていて、緊張感の連続の103分だった。
そもそも,なぜ圧力をかけられたかというと、イラン政府から敵対国であるイスラエルとの対戦を避けるため棄権を命じられるという設定で、従わないと家族にも制裁が加えられるのが当の選手とその家族だけではなく、選手を説得できなかったコーチにまで累が及ぶという仄めかしにゾワゾワしながらの、柔道の試合も迫力があって見どころ!
全編モノクロ映像というのも閉塞感や国家レベルでの圧力の怖さなどが感じられて効果的だった。
ちなみに、第36回東京国際映画祭のコンペティション部門で審査委員特別賞と最優秀女優賞(ザーラ・アミール)の2部門を受賞。
“映画史上初めてイスラエルとイランにルーツをもつクリエイターが協働した作品”とされ、製作に参加したイラン出身者は全員亡命し、映画はイランでは上映不可となっているそうなので観ることができて良かった!
☆あらすじ☆
ジョージアの首都トビリシで女子世界柔道選手権が開催されている。イラン代表選手のレイラ・ホセイニとコーチのマルヤム・ガンバリは、順調に勝ち進んでいたが、金メダルを目前に、政府から敵対国であるイスラエルとの対戦を避けるため棄権を命じられる。自分自身と人質に取られた家族にも危険が及ぶなか、政府に従い怪我を装って棄権するか、それとも自由と尊厳のために戦い続けるか、人生最大の決断を迫られる。
※映画.comより
キャスト
アリエンヌ・マンディ
ザーラ・アミール
ジェイミー・レイ・ニューマン
ナディーン・マーシャル
リル・カッツ
アッシュ・ゴルデー
バレリウ・アンドリウツァ
メフディ・バジェスタニ
ファリマ・ハバシザデアスル
エルハム・エルファニ
監督
ガイ・ナッティブ
ザーラ・アミール
原題または英題 Tatami
103分
G
ヒューマントラストシネマ有楽町1 20:10〜観客10人程/161席

