下手すると重い話になりそうな題材だけど、加賀まりこさんが可愛くて頼りがいがあってカッコよくて、もう女優さんとしてのイメージそのまま、何も作らずに自閉症の息子を持つ母親役を好演、息子役の塚地武雄さんも難しい役どころを無理なく演じていて、自閉症やグループホームなどが描かれてはいるけど、理解を求めるとかではなくて、ただただ愛しい家族と共に生きる日常のありがたさが伝わってきて、温かい気持ちになれる作品だった。
いくらでも感動的に盛り上げられそうなのに、“病や障害を枕詞にすると人間味が見えづらくなる気がする”という和島香太郎監督のコメントに納得、近隣とのトラブルや無理解、隣人との関係などもうまく取り入れながら、台詞でなく映像から心情が伝わってくるところも良かった。
監督が1983年生まれのまだ30代と知ってびっくり、これからも期待したい監督さんのひとりになった。
あらすじ
自閉症の息子、忠男とふたりで暮らす母の珠子。彼女は自分がいなくなった時のことを考え、息子を知的障がい者が共同生活を営む、グループホームへ入所させることにした。しかし、環境の変化に戸惑う忠男はホームを抜け出し、厄介な事件に巻き込まれてしまう。
77分
監督
和島香太郎
キャスト
加賀まりこ
塚地武雅
渡辺いっけい
森口瑤子
斎藤汰鷹
林家正蔵
高島礼子
シネスイッチ銀座1 18:10〜観客5割程/271席
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