これは観ているのが辛かったというか、映画的な誇張が多少はあるにしても、テオドラ・アナ・ミハイ監督が実際にメキシコ人女性から聞いた話が基になっているということで、まるで禁断の地に足を踏み入れる“クレイジージャーニー”を地で行くような身代金目当ての誘拐ビジネスの実態にゾッとするシーンの連続!
麻薬密輸組織間の抗争資金のための身代金狙いで行われている誘拐ビジネスにも驚いたけど、それを取り締まるはずの警察の非力さに怒りさえ感じて、人の命が軽く扱われる様子に胸が痛くなった。
これがフィクションでハリウッド映画のように主人公の大活躍に拍手喝采なら“聖戦”でもよいのかもだけど、いかにも母親が英雄のようなこの邦題は違うような気がした。
観客に身を委ねたようなラストシーンは希望的に受け止めたいと思ったけど実際はそうはいかないのかも、今でも続いていると思うとやりきれない思いでいっぱいだった。
☆あらすじ☆
メキシコ北部の町で暮らすシングルマザーのシエロは、10代の娘ラウラを犯罪組織に誘拐されてしまう。犯人の要求に従って身代金を支払うも娘は返してもらえず、警察にも相手にされない。自らの手で娘を救うべく立ち上がったシエロは、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結んで調査していく中で、誘拐ビジネスの血生臭い実態を目の当たりにする。
※映画.comより
キャスト
アルセリア・ラミレ
アルバロ・ゲレロ
ホルヘ・A・ヒメネス
アジェレン・ムソ
ダニエル・ガルシア
エリヒオ・メレンデス
アレッサンドラ・ゴーニ
バネサ・ブルシアガ
マヌエル・ビジェガス
デニッセ・アスピルクエタ
メルセデス・エルナンデス
監督
テオドラ・アナ・ミハイ
原題 La Civil
135分
G
ヒューマントラストシネマ有楽町1 18:40〜観客5割程/161席