続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「存在のない子供たち」(2018レバノン=仏/キノフィルムズ=木下グループ)

《『キャラメル』のナディーン・ラバキーが監督を務め、2018年のカンヌ国際映画祭で審査員賞とエキュメニカル審査員賞を受賞した社会派ドラマ。わずか12歳で両親を訴えた少年の語る壮絶な人生を通し、中東における貧困などの社会問題を鋭く描く。キャストには役に似た境遇にいる素人を起用。その心情を露わにしたリアリティ溢れる演技が光る。》

“自分を産んだ罪で親を訴える”…その意味の切なさにガツンと頭を叩かれたような気分だったというか、空調の効いた快適空間で観ては稚拙な感想を垂れ流している自分が恥ずかしくなってしまうような作品だった。

中東の貧民窟で育った主人公ゼインを演じた少年は実際もシリア難民なんだそうで他のキャストもほぼ同じような境遇の素人が演じているということである意味ドキュメンタリーにも近いものがあってよりリアルに感じられたのかも、胸が痛むような場面の中に時折ユーモアも垣間見られるところもあって、最後の少年の表情に救われた思いだった。

舞台は食べるものや着るものさえ死に物狂いでないと手に入らない中東の貧民窟だけど、児童虐待のニュースが後を絶たない今の日本にも通じるものがあるのかも。

あらすじ
中東の貧民窟で生まれ育ったゼイン。両親が出生届けを出さなかったことから、法的に社会に存在しない彼は誕生日を知らないどころか、学校にも通えないでいた。朝から晩まで働き詰めの彼は12歳の時、意を決して両親に対し裁判を起こし、自分を生んだ罪に問う。


125分

PG12

原題 Capharnaum

監督
ナディーン・ラバキー

キャスト
ゼイン・アル=ラフィーア
ヨルダノス・シフェラウ
ボルワティフ・トレジャー・バンコレ
カウサル・アル=ハッダード
ファーディー・カーメル・ユーセフ
シドラ・イザーム
アラーア・シュシュニーヤ
ナディーン・ラバキー

シネスイッチ銀座1 16:25~観4割程/271席




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