現在の近江八幡は曇時々晴、気温11℃。
今日は勤労感謝の日。
利用者さんでも90代以上の方なら
「新嘗祭」
と言った方が理解していただける日だ。
昨日
この本を読み終わった。
実は、もう99歳ながら毎日、新聞に目を通され、
私達に色々と人生経験を語ってくださる、Iさんが
「TAMAさん、今日エラいニュースが載ってたで!」
と言われるので伺うと
「長谷川式を作らはって、自分も認知症やて公表しはった先生が
亡くならはったんやて」
と、「長谷川式簡易知能評価スケール」を作った長谷川和夫先生が
亡くなられた事を教えてくれた。
通称「長谷川式」は、介護現場ではお馴染みだが、私は長谷川先生の
事は正直言ってほとんど知らず、Twitterでこの本の事も知った。
やはり介護士の端くれとして、この本は読んでおきたい思い、
遅まきながらkindleで購入して、読むことにした。
「長谷川式」考案者による、質問の意味、スケールの使用方法の解説など
凄く勉強になったが、後半部に書かれていた、
「痴呆」という言葉を「認知症」という言葉に置き換える
この作業に長谷川先生が深く関わられた部分を読んで、ある事を思い出した。
私が介護業界に足を踏み入れた当時、三好春樹さんという方が
カリスマ介護士として、一世を風靡されていた。
その三好先生が、滋賀県内で開催されていた「いきいき介護セミナー」という
勉強会で、毎年講師に来られているという情報をたまたま耳にしたので、
普通は施設から派遣されて行くセミナーだったらしいが、自腹を切って
自主参加した。
三好先生は、「痴呆」を「認知症」と言い換えることを講演でも、
ご自身の著作でも、かなり批判されていた。
私なりの解釈は、「痴呆」という言葉は、加齢によって顔に皺が刻まれるごとく
人間の「老い」を表す言葉であって、侮辱・差別的な表現ではない。むしろ
「認知症」という何かの病気のように表現することが、かえって間違いだ・・
三好先生の言われている事は、そういう事だったと思っているし、当時は
よく分からなかったが、今は共感さえする。
長谷川先生の功績は何一つ揺らぐところはないが、この本を読んで
救われる方も居れば、かえって苦しむ方も居られるような気がした。
先生の書かれていることは、確かにその通りかもしれないが
なかなか、そのように行かないから、家族さんは苦しみ
現場は疲弊するんだよね・・・
考えが上手くまとまらないまま、出勤の時間になった。
私が、この仕事をするにあたって、バイブルにしている
本があるので紹介します。
日々介護にあたられている方の参考になれば幸いです。
これも、「いきいき介護セミナー」で紹介してもらった本。
私は、これを読んで認知症の方の言動・行動が少しだが
理解できるようになり、精神的に楽になった。
それでは夜勤に行ってきます。