goo blog サービス終了のお知らせ 

著者 : SeeCore 物事の本質を考えています。

ぜひ、楽しんでいってください。

仏教:仏教 重要概念まとめ。最短で苦を消す方法【極重要】2/2

2025年03月16日 | 仏教
著者:はい。次のワード:有身見。少し戻って、無明と有身見との関係を述べましょう。無明の中心的な要素が有身見です。無明が根本的な苦しみの原因であり、その無明を支えている最も強力な錯覚の一つが有身見です。有身見とは、「自分という実体(恒常的な自己)が存在する」という誤った見解のこと。例えば、これは私であるとか、私が永遠に存在するとか、思うことです。仏陀によれば、『有身見を持つ者は、苦の原因を正しく知ることができない。苦の原因を知らなければ、苦から解放されることはない。』とあり、このことから、有身見は無明の一要因であり、苦の原因である無明の根本原因の一つであることが垣間見られます。また、『比丘たちよ、有身見を滅することができない限り、輪廻からの解脱はない。しかし、有身見を滅したならば、預流果【聖者の流れに入ったことであり、ニルヴァーナへはいつか必ず入ることが約束された状態。これは苦の完全消滅が約束されたということであり、とても貴重かつ重要。】に至る道が開かれる。』とあるように、有身見を消滅させることは、真っ先に行うべきことだと見なせます。

聞き手:はい、少し難しく聞こえますが、無明と有身見の関係をもう少し教えて下さい。

著者:はい。苦の根本原因である無明という大きな概念の中に、その中心に位置している概念が、有身見ということです。有身見を消滅させることで、無明も完全に消滅させることはできませんが、無明の根と言いますか、無明が存在している基盤を壊すことができます。ということで、直ぐに無明全体を消滅させることができませんが、いつか必ず消滅させることができる見込みが立つという とてつもなく重要なことなのです。

聞き手:そうか。先ほど言われたように、ヴィパサナー瞑想で、無常・苦・無我を観察、感得して無明を無くしていくと聞きましたが、その無明の中でも、有身見の消滅ということを念頭に置くことで、効率良く無明を消すことができるのですね。

著者:そう。そして、無明が有身見の消滅により、根本部分が消滅し一段落すると、次は、当初決して取り除くことができないと思われた渇愛等が徐々にではありますが、消滅していきます。これは、先ほど述べたことです。

聞き手:それは、どういう機構、どういう理由でですか。

著者:繰り返しですが、俗的に言えば、物事は、どうせ無常で無くなったり、変化してしまうものでしょ。だったら、全力で渇愛等をする意味がないし、仏教とか関係なく、苦しみそう。このような俗っぽい感覚が、有身見の消滅していない人でも発想としてあると思いますが、それが有身見が消滅することで、もっとリアルに、実感として、無常が本質的性質である自分を含めた物事に対して、執着することが無意味というか、危険、苦しむ元だ。とより理解できるようになり、渇愛等の心が減衰してくことになります。

聞き手:それは、ああ、現実は存在しているけど、何かを得ても無くなってしまうし、無くならないようにコントロールすることも完全には出来ないし、なんか、そんな対象、世界に全力で依存する、強く欲しいと心を向けるのは、疲れるし、無駄だし、苦しそう。という仏教とか関係なしに、人間的な感覚でも、まあ若干分かりますね。ミニマリストなどの中には、所有物が増え、気苦労も増やしたくないという気持ちの人もいるとは思いますので、この感覚は多少分かりますね。

著者:そう。有身見の消滅は、自己という不変の実体がないということを理解することなので、ミニマリストの感覚に比べて、次元の高い認識ではあります。しかし、感覚的には、ミニマリスト的と分かり易く言っておきましょう。方向性というと次元は違うのであるが、まあまあ、広い意味で同じであると言えると思います。

聞き手:えっと、こういうことですか。つまり、無常・苦・無我という認識をヴィパサナー瞑想を通じて理解し、その過程で、有身見の認識を消滅させると、ああ、目の前にあるもの、渇愛等を向けていたものは、あんまりいいものではないなあ。所有物をずっと維持、変化を止めることを自分で完全に行えないのであるから、いつか苦しみそう。だったら、渇愛等の心も捨てた方が、楽かなあ。じゃあ、渇愛等を捨ててしまおう。のような感じでしょうか。

著者:はい。とても俗的と言うと、ケナスわけではありませんが、自然な感覚であり、感覚的には正しいと思います。

著者:そして、この渇愛等の心が弱まってくると、12縁起の一部、愛【渇愛】→取【執着】 → 有 → 生 → 老死(苦)の流れにより、苦も弱く、和らいでいくことになります。

著者:そして、先ほど出た有身見だけでなく、さらに修行、認識、悟りが進み、無明を完全に消滅させることができると、ドミノ倒しのように、無明✕ → 行✕ → 識✕ → 名色✕→ 六処 ✕→ 触✕ → 受✕ → 愛✕ → 取✕ → 有✕ → 生✕ → 老死(苦)✕ となり、苦が完全に消滅します。この苦が完全に消滅した状態が、完全な悟りであり、ニルヴァーナと言えます。どうやら、完全に悟り、肉体がある状態も肉体がない状態も、ニルヴァーナと言うらしいです。パーリ経典によれば、『比丘たちよ、涅槃(ニルヴァーナ)とは、形あるもの(物質的なもの)ではない。見えるものでも、触れられるものでもない。それは、渇愛(執着心の元)が完全に滅した境地である。』とされます。

著者:以上、こんな感じですね。

聞き手:今までのお話をまとめて頂けますか。

著者:はい。まず、苦を完全に消滅させる【ニルヴァーナの状態に至る。】というのが、仏教の目的となります。このために、まず12縁起で全体像を理解します。そして、真の根本原因は、無明であると分かるので、ヴィパサナー瞑想により、現実をありのまま観察するという方法で この無明の消滅を試みます。具体的には、無常・苦・無我を観察することです。この無常・苦・無我をヴィパサナー瞑想を通じて、特に有身見を消滅させることができると、【無常・苦・無我の深い理解を直接的に自己への執着(有身見)に適用すると、有身見が消滅する。】今度は、12縁起の中でも代表的な部分の『愛:渇愛』『取:執着』などが、消える、または弱まります。仮に、無明を完全に消滅させることができるならば、12縁起がドミノ倒しのようにして、次々消滅して、最終の苦も完全消滅します。この状態をニルヴァーナに入った【至った】と表現します。

著者:正確を期すために、補足しますと、有身見が消滅しないと、12縁起のその後の連鎖の渇愛や執着が消えない、弱まらないというわけではありません。有身見を消滅させると、より根本的により強力に渇愛や執着が消える、より弱まるということです。そのため、ヴィパサナー瞑想を通じて、無常・苦・無我の中の、例えば、無常だけでも感得するならば、効力は低いかもしれませんが、若干ですが、渇愛と執着も弱まっていくと考えられます。

聞き手:はい。最後に実践的な部分を付加してください。

著者:はい。とにかく、渇愛等【俗的な言い方では、煩悩や欲など】を頑張って無くそうなどとせず、無明を消すために、毎日15分とか、30分くらい、ヴィパサナー瞑想【無常・苦・無我を見て、さらに有身見を無くすようにする。】を行うことです。また、日常生活の中でも、老化や天気の移り変わり、雲の動きなどを観察し、無常を観察、実感するようにし、そして、これらを習慣化します。

聞き手:え、簡単すぎませんか。これで、最終的にニルヴァーナの状態に至ることができるのですか。

著者:これだけではニルヴァーナの状態に至ることはできません。それには、出家する必要があるからです。しかし、このヴィパサナー瞑想を繰り返し繰り返し行うことで、先ほど出てきた、預流果【聖者の流れに入ったことであり、ニルヴァーナへは時間は掛かるが、いつか必ず入ることが約束された状態。これは苦の完全消滅が約束されたということであり、とても貴重かつ重要。】に到達することは出来ます。聖者の初段階ですが、とても尊いものです。

聞き手:仏教は、深淵で難しそうという印象がありますが、やることは簡単なのですね。

著者:仏教の概念は広いと思います。しかし、仏教の本質は単純です。あまりにも仏教の概念は広く、難しく複雑で取っつきにくく、何からやっていいのか、どう理解すれば良いのか分からないと思われてしまう状況は、仏陀はそれは本意ではないと思われることでしょう。とにかく、全ての生命に対して、あなたの目の前にある苦を取り去ることを1秒でも早く行えというのが、仏陀の本意です。

著者:このヴィパサナー瞑想が修行の最初から最後まで重要で、難しい議論、知識など、必ずしも必要ないことをアーナンダ尊者【阿羅漢(最上位)、仏陀の長年の付き人】が、完全な悟りを得て、阿羅漢になられた際のエピソードを長いですが見ていきましょう。『アーナンダ尊者は、瞑想を深めていく中で、自分の身体も、感覚も、思考も、認識も、心の働きも、【ただ一時的に生成し、そしてすぐ消滅していく】ことを、微細かつ鮮明に観察しました。これがまさに仏陀が示したヴィパッサナー瞑想(観察の智慧)そのものでした。夜が深まり、アーナンダ尊者は横になろうとした瞬間、まさに【生成と消滅の完全な理解】によって一切の執着が崩壊し、無明が完全に消滅し、阿羅漢果を得ました。これがアーナンダ尊者がニルヴァーナの状態に至った瞬間です。』

著者:今回は、重要概念を濃密に説明したため、難しいと感じると思いますが、最重要な話しの一つであり、不明点は検索などしながら、ぜひ理解して欲しいと思います。

聞き手:はい。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仏教:仏教 重要概念まとめ。... | トップ | 仏教:本当は仏教の悟りは簡... »

仏教」カテゴリの最新記事