すでに来月の話になりましたが、群馬県の大泉町というところで、ここ3年くらいアンサンブルノマドが取り組んでいるアウトリーチ活動を含めたいくつかの演奏があり、その中の目玉としてプッチーニの「トゥーランドット」をコンサート形式で、なんとアンサンブルノマド8人(fl,cl,pf,vn,vc,cb,gtr,perc,)の伴奏でやるというのがあり、私木ノ脇が編曲を担当しています。
「トゥーランドット」・・・・いうまでもなくヴェリズモオペラの最高峰であり、天才プッチーニの最後の作品。
そして、これはなんという夜のにおいに満ち満ちた音楽でしょうか!
ヨーロッパの音楽全体が模糊とした「夜の音楽」に向かっていった真っ最中にこれが作られたのは興味深いです。
トゥーランドットにおける「夜のにおい」はそのまま「劇場の響き」でもあって、コントラファゴットの呻き声やバストロンボーンの怒号や、弱音器をつけた弦楽器のすすり泣き、そして合唱の北京市民たちの絶望と歓喜のざわめきといった音達が、多くの場合隠れた効果としてスコアのあちこちにちりばめられていて、夜の空気を醸成するような仕掛けになっています。
これを少人数のアンサンブルに編曲するのは、下手をすると曲の本質を変えてしまいかねない難しい作業で、頭を悩ますことも多いです。
まるで姫からの4つ目の謎のようでもあります!
しかしアンサンブルノマドなら、間違いなく質の良い器楽作品に作り変えてくれることでしょう。
近くにお住まいの方は是非遊びに来てください!!