モノグラムのB17。これが発売になった時は本当に欣喜雀躍、感謝感激、本望成就だった。21世紀標準から見ると素材キットになりそうだが、実機の雰囲気が本当に良く感じられるし、なによりモノグラムの愛が感じられる製品だ。
正直、決して作りやすくはないがこの大きさがあまり歪みも無く立体になり自立するのは偉い。実際はあっさりこうなった訳ではなく、貧乏性なので恐れ多くて触れなかった頃も含め相当な月日を経ている。これ、さっと完成させていたら、ばらの状態で想像しているよりずーっと大きくなってしまう48多発機の怖さを実感して、続くC47,B24そしてB58は多分買わなかったと思う。あと、どんなにメーカーが気合を入れて作りこんでも見えない所は見えないの事を教わった。見事な無線手席まわりなのだがとにかく開口部が無いので中にドラエモンを座らせて置いても絶対気付かれないのだ。つい、重箱をつつきたくなる私には良い経験だった。
途中まで組んでいたので置き場所は以前から確保はしていたが、大きい。棚上げしている内に別売りデカールが沢山発売され、大変助かった。選んだのはやはり変わった姿の機体だ。要は壊れた所をつぎはぎしているのだが、この辺がいかにもアメリカ的合理性を感じさせる。しかし、これだけつぎはぎでもちゃんと飛んだのは素晴らしいね。まー昔の飛行機はそれほど複雑ではなかったからな。側面銃座の窓の相違が目立つので作り直したが、あとはキットのまま。機銃はエアロクラブのM2を使った所もある。コマンスキーの銃座の下側が操縦室窓から見えそうなので作ったが杞憂であった。
無塗装部はクレオスのスーパーメタリックを何色か重ねて吹いてやった。下地に黒を塗っておくとなかなか良い感じに出来る。ライトニングもこれで行けそうだ。あっ、P38ではなくEEの方です。翼を付けずに転がしていた時は大きいとはいえさほど邪魔では無かったが、銃座等を付けて飛行機にしたとたん、ぐっと存在感が出たのには驚いた。しばらく、眺めさせてもらおう。格好良いよ、まったく。
B17は大型機だが現代の旅客機に比べれば小さい。レントンでレストア中のB17を見る機会があったが操縦席付近は丁度フォードセダンが埋め込まれた感じだった。ボーイングフィールドのエプロンに止まっていた姿は、尾輪式故、ぺたっとした感じだった。そして、この模型はとても良く実機のそんな雰囲気を伝えていると思う。もし、お持ちでなければ見かけた折には是非手に入れることをお勧めする。ただ、できてしまうと本当に扱いに苦労させられる。大きいし細い機銃が飛び出ているから持つ所は限られるのに、丸いし重いしで持て余し気味となるはず。