三日坊主

車とプチ旅行とたまにパチンコ・・・。

その十七後篇

2010-06-02 12:21:30 | 歴代所有車回顧録
エグザンティアは自動車専門誌のCGの元編集長小林彰太郎氏が誌上のロングランテストにて
異例の五年間もの長期に渡ってレポしていたがそれに勇気付けられました。
腫れ物に触るかの如く接してきた自分をあざ笑うかの如く酷使していて一カ月に五千キロの
レポもあったし最終回では十万越えであった(その後も編集者の愛車で使われてたらしい)。
んで、自分なりにエグザンちゃんの○と×をば。
○なところ
何といってもハイドラティクティブがもたらす独特の乗り心地。
タウンスピードではタイヤに任しちゃってる感があってハーシュネスもそれなりであったが
いざ高速に乗れば所謂雲の上の乗り心地が体感できる。
特にリヤシート(当りが柔らかでリビングのソファの様)にゴロンと横になっていると
まるで揺り籠に揺られている錯覚をします。

静粛性。
別に高級車では無いけど意外に静か、優秀な遮音性で130までは快適。エンジンの音質も耳触りで無い類。

高速燃費の良さ。
空力の良さも手伝って結構伸びます。仙台⇔東京までなら無給油で行けます。

積載性。
タイヤハウスの張り出しの少ない広いラゲッジ。タプルフォールドのシートを倒せば
ヘタなワゴン顔負け。チャリ積みなんか朝飯前、前に17インチのタイヤとホイール2セットとy32グロリアのエアロパーツ一回りを飲み込んだ事があります。そのときは流石にスゴイと実感。

メンテナンス性。
私はタイヤやオイル交換等のごく簡単な整備は自分でやる主義ですがこの二点において
エグザンちゃんはほんとに楽に出来ます。
ジャッキアップは必要ですが車高をいっぱいに上げておけばチョイチョイと出来ます。
オイルエレメントもボンネットを開ければ一目で解る所にあり交換も簡単です。
自分が乗った車の中で一番易しかったと思います。

他にも矢の様な直進性や大きなサイドガラスがきっちり下まで降りるところやほぼ
垂直に開くドア、ちょっと小突いた位じゃなんでもない頑丈なバンパーと絶妙な位置にあってしっかり役目を果たすドアモール。
数えきれない魅力満載の車でした。

×なところ
ドライビングプレジャー
もともとそんな車で無いし個人的な見解もあるんだけど乗って「うわーっ、楽しーっ。」
と言うのは無かったですね、中高速回転域でのエンジンレスポンスとかATの制御とかハイドロ
の不自然に突っ張り感のあるハンドリングとかですね。

起きるまで時間がかかる
私のエグザンちゃんは極初期の94年物(ボンネットにタプルシェブロンがあるやつ)でしたので車高がほんの数時間もするとペタンと下がっちゃうんですね。
エンジンを始動すればむくむくと起き上がってくるのですがその時間が急いでるときなんか
ヤキモキしちゃうんです。普段は犬や猫が伸びをしている仕草に似てて「うーん、萌え」
とか思ったりもするけど職場でお見送りとかれるとあんまりモタモタしてると「何やってんの?コイツ。」的な目で見られる事もしばしば。
でもね、無理やり走っちゃうとヤバいです、独特のシステムからエンジンを掛けた直後は
車高の維持を優先するものですからブレーキやステアリングが効きません。
実際それが原因で事故の例も有ると聞きますしセカセカと慌てるなって所でしょうか。
因みに一年経った95年式から改善されて一週間位ならば車高が落ちないそうです。
考えたら解る事じゃねえか、最初からそうしとけボケッ!!、トヨタだったらシャレになんねぇぞ。とは言いませんよ(笑)。

左ハンドル
別に車自体が悪い訳じゃないですが買ったのがたまたまLHでしたから。
左側通行の世界じゃ使い勝手が悪いんですよ、ホント。パーキングチケットを取る時や
あと一般道での右折やパッシングは難儀しますね、ETCは所有して何年かは付けて無かったんですが乗る時は左専用の受け取り機があるし出るときは料金収集のおじさんがわざわざ
ボックスから出てくるんですから却って気持ち良い位です。

その他
気合を入れなきゃ動かない車高調整レバーや「ナメとんのか!!、ワレ!!」と突っ込みたくなる役立たずのグローブボックスなどなど

訳わかんないトラブル
所有してから4~5年経ったところでしょうか、いきなりエンジンストールしだす事がたまに
ありました。しょっちゅう出るトラブルならば対処のしようがあるのですがほんとにたまたまですから、これはビビりますよ。エンジンが止まるからステアもブレーキも全滅ですから
ね、マイナートラブルはチョイチョイありましたけど「言うほど無いなー、」ってのが印象
でした。ほっとくとヤバいんじゃないかってトラブルはこのくらいじゃないでしょうか。
直さなかったけど。

直してくれる所が無い
私の中で一番の重大案件で気に入っているのに手放す原因になったのがこれです。
所有してから間もなく自分のミスでリアワイパーブレードを壊したのですが買ったところに
交換を頼むと本国取り寄せで納期約二週間、代金一万円弱。オイルとエレメント交換依頼したら約一万三千円。うーん、お外車様です。
で、少ししたらエアコンが効かなくなって見せたところ空調の操作バネルが壊れてる
とかコンプレッサーが死んでるなど見る人によって言う事が違うしそれで自分の中での信頼感が薄れたと言うか失った。
結局わざわざ埼玉県の有名なシトロエン専門店へ持って行って懸案のタイベル交換のついでに見てもらって「ガスを入れたら冷風が出たのでどこからか漏れているのは確かです。これでしばらくは持ちますからとりあえず様子を見てもらえますか?」
はいはい、こういう答えを待ってたんです。
その二年後に仙台市内の輸入車の電装品修理に得意とする店を知人から教えてもらい事無きを得たのだがそのような一件で長く維持して行く事が不安になった。
それから所有して三度目の車検を迎える時期になり今までの車検はユーザーだったが年数も経ってるしたまにはキチンと整備してもらおうと思い知人に車検を依頼したところ約4カ月
放置された。催促ついでに理由を聞いたが工場が忙しいとの事だった。

以前、マツダでアキュームとスフィア全交換を頼んだら引き受けてはくれたが「あんまり
やりたく無いんだよね。」的な空気を感じたし要するに歓迎されない面倒な車なのだ。

確かにマイナーな輸入車だがそれでも相手にされないのはほんとに辛い。
無理くり頼めば何とかなったと思うが今後も整備や修理の度に同じ苦労をするのに嫌気がさして手放すことにしました。

エグザンちゃんはDSや2CVはてはトラクシオンアバァンとシトロエン全体(スポーツ系はどうか知らないです)に言えると思うがある種の人間愛を感じる車です。フランス流の癒しとかおもてなしと言うか・・・。
車に乗るのは人だからどこのメーカーも考えているのだろうけどここまで全面に出して
車作りをしているメーカーもなかなか無いと思う。

昨今の風潮からかパワーやスピードのキーワードが薄くなったご時世、シトロエンのような
コンセプトを見直してみれば車の未来も明るくなるかと。