LEADER OF THE PACK

レコードやCD購入の備忘録です。

細野晴臣と松田聖子と関口宏と

2007-12-28 21:01:03 | Japan
 日本作曲大賞というよくわからんものの優秀作曲者賞受賞という事で、細野晴臣と松田聖子が並んだ珍しい光景です。おまけに司会には関口宏まで付いています。細野がとにかく忙しかった頃で、とりあえず機材をホテルに持ち込んで缶詰めになったが何もできず、追い込まれた末スタジオで即興で作ったとは本人がインタビューで言ってますね。
 関口に細野が当時最新鋭のリンドラムの説明をしているところはかなり微笑ましい。それで関口が後ろの楽団の中の人たちのことお構い無しに恐ろしいことを訊いてます。
 関口:しまいには楽器要らなくなっちゃいますね?
 細野:そうなんですよね…
しかし、機材を持ち込んだ割にはオケはちゃんと生の楽団が演奏してリンドラムもプロフェット5もただの飾り状態だというオチでした。

<松田聖子-天国のキッス>


新島の伝説 - 田代まさし

2007-12-13 22:37:07 | Japan



新島の伝説-田代まさし(from RATS&STAR)
EPIC/SONY 07-5H-309
中古店のえさ箱にて300円

 有名なDoS攻撃ツールにもその名が取られたバブル期以降の芸能界を支えた功労者マーシーの1stシングルです。86年発売とちょうど夕やけニャンニャンの司会でミュージシャンからタレントへの華麗なる転身を図っている頃で、歌詞は夕ニャン絡みで当然秋元康と分かり易い作品です。秋元康は高井麻巳子をファンから奪った罪で未だに暗い夜道は一人で歩けないかもしれませんが、野猿やAKB48といい目の付け所や売り出しが上手く平均打率が素晴らしく高い人ですね。まあ羽野晶紀の東京進出とか秋元絡みでも失敗はあるのかと想いますが。
 今は田代はネットの住民に神と呼ばれていますが、あと10年もしたら10代の人には名前も知らない人になる訳で、日本国民は田代以前と田代以降と二分されてしまうのでしょうか。そう想うと拙ブログにジャケ写くらい載せようかと考えた訳です。西城秀樹と「ちびまる子ちゃん」や美川憲一とコロッケのように次世代から忘れられようとしても何かのきっかけで表舞台に復帰する芸能人も多いのですが、実刑をくらってしまった田代の復帰は絶望でしょう。
 田代の芸風はクールとユーモアと狂気が入り混じったまるでMr.ビーン的なもので私も最大級の敬意を持っていましたが、その要素となる狂気は内なる変態性癖と覚せい剤によるものだったのかと思うと暗鬱たる気分になります。
 肝心な内容ですが、音は80Sオールディーズ風バラードでDX7って感じの音が聴こえる所が時代を感じます。歌詞は「新島でのナンパ」がテーマとなっており80S秋元康の王道と言えます。

ジョアン・ジルベルトの愛したサンバ

2007-12-04 14:10:20 | BOSSA NOVA

ジョアン・ジルベルトの愛したサンバ
OS SAMBAS QUE JOAO GILBERTO AMA
ライス・レコード RICE BSR-3010
選曲/解説 田中勝則

 史上最高のカバーアーティスト(?)であるジョアン・ジルベルトの魅力の一つにはカバーの選曲の妙があるのだろうとは思いつつ、30年代~50年代ブラジルのサンバというSP音源かつ未CD化多数というブルースより遥かに敷居の高いジャンルに手を出す気力は私のような末端ファンにはありませんでした。そんなファンには最高といえるCDですよね。
 本CDはそれにただのカバー原曲集ではなく、ジョアンのレア音源も収録しています。ルイ・カストロ著「ボサノヴァの歴史」という少し高めですがバイブルとされている書籍があるのですが、ジョアンの処女録音であるガロートス・ダ・ルア名義のレコードや初ソロ録音レコードについても詳細に触れており、これまでSP盤をブラジルまで探して聴くしか手立てが無く(まあ不可能)、読みながら音を想像するしかないという虚しさがありましたね。それにジョアンが当時の最もポピュラーなボーカルスタイルであるクルーナーちっくに歌うのは脳内で補完できる訳がありませんし。
 「歴史」には「想いあふれて」でのジョアンのセンセーショナルな登場の件は「すべてを変えた一分五十九秒」という章で始まります。これ以上の言葉はないでしょう。ブルースならクロスロードで悪魔に魂を売ったと説明されるのでしょう。「歴史」にも初ソロ作と「想いあふれて」の間に何があったのかは具体的に説明されていません。すべてを変えたボサノヴァの登場の謎は深まるばかりです。

<Gilberto, Jobim and Bonfa at the beach by Loronix >