1/14の日経の朝刊でAIDの実施件数減少と個人間精子提供のリスクについての記事が掲載されていました。
内容や結論は過去にあった報道と大差ありませんでした。
AIDがドナー不足で実施件数が減少している影響で、ネットやSNS上の提供者に頼らざるをえない人たちがいる。しかし個人間提供は犯罪や感染症のリスクが伴う。ルール作りが求められる、という内容でした。
第三者生殖医療による親子関係の特例法についての言及もなく、刺激的な内容をただ出しただけでワイドショーと何ら変わらない報道の仕方だなという印象を受けました。
今後の報道にあたってはさらに議論の進展がほしいと感じます。
特に、AID実施機関のドナー募集方法に問題はないのかという点です。
・ドナー候補者は医大生や不妊治療に成功した夫婦の男性などごく限られた人にしか声がかからず一般からの応募では受け付けていなかった。そのやり方に問題はないのか。
・子の出自を知る権利のためにドナーが激減したことを受けて、ドナー受け入れの間口を広げたりドナー不足解消に向けた改善を行ったのか。行っていないのならばそれはなぜか。
・多くのAID実施機関が一般からドナー募集をやっていない(やっているとしてもその情報にアクセスしにくい)のはなぜか?
・生殖医療における親子関係の特例法の成立により、精子提供に同意した夫は父親になることを拒むことができないと定められた。このことによりドナーが子から認知請求を受けるリスクは下がると思われるが、ドナーの数に変化はあったか。またはドナーを辞退する人は減ったか。
ドナーが減少してAIDを受けたい人が受けられない現状に対して、AIDを実施する側やルール作りをした学会が改善策をどのように講じてきたのか明らかにする必要があると思います。
最早、ネット上の精子提供者ばかりを悪者扱い(実際悪者もいるが)している段階は過ぎています。