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DEEP SPACE

昨日の夢は今日の希望であり,明日の現実である.(R. H. Goddard)

宇宙で最初の天体

2008-08-17 17:58:50 | 航空宇宙
少し前のニュースです.

僕は天文は専門ではないし,大規模計算も専門ではないですが,興味ある事柄です.
http://www.astroarts.co.jp/news/2008/08/06star_formation_sim/index-j.shtml

この吉田先生という人はウチの研究室のOBらしいです.
数日前にボスが教えてくれました.

「彼はね,僕の初めての卒論生で,ブラックホールとかの計算したんだよ.それから○○に行って,△△に行って・・・(中略)・・・あのときは,もう1人卒論生がいて,彼はMDやってたから,1人はパーセク,もう1人はオングストロームの世界だったんだよ.今でも一番のお気に入りの卒論の組み合わせだね.」

吉田先生のことを勝手に身近に感じてしまうとともに,ボスの守備範囲の広さを感じます.

火星に「水」,NASA確認 採取の土に含有

2008-08-02 00:39:54 | 航空宇宙
火星に「水」,NASA確認 採取の土に含有

タイタンに液体があるっていうニュースに続いて,最近のビックニュースです.

土を加熱して,
① 温度が上がりにくくなることと(融点がある)
② 水蒸気が放出されること
が確認されたそうです.

日本の科学衛星は天文分野で活躍しているけど,
実際に惑星に降り立っての成果というのは(多分)ない.

こういう惑星科学の大きなニュースはやはりNASAから入ってくることが多い.

はやぶさには何としてもきちんと帰ってきてもらわなければ.

降下中の米火星探査機,別の探査機がパシャリ

2008-05-29 19:20:27 | 航空宇宙
降下中の米火星探査機,別の探査機がパシャリ

これは凄い.

僕はよく思うのですが,例えば

■ 月面ローバーが撮った画像よりも,ローバーが月面を走っているところの画像が見たい

■ 大気突入していく探査機が撮った画像よりも,探査機が大気突入していくところの画像が見たい

■ はやぶさが撮ったイトカワの画像よりも,はやぶさがイトカワにタッチダウンしているところの画像が見たい

今回の写真はまさに僕の願いそのもの.
かなりの感動ものです.

タイタンの北極を覆う巨大な雲

2007-02-07 00:08:05 | 航空宇宙
Cassini Images Mammoth Cloud Engulfing Titan's North Pole

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「カッシーニがとらえた,タイタンの北極を覆うマンモス雲」

土星の衛星タイタンの北極ほぼ全域を覆う巨大な雲の映像を
赤外分光計で探査機カッシーニが撮影した.

このサイズはアメリカの半分にも及び,直径2400km程度.
なお,この雲は季節が冬から春になった際に,
影から出てきて見えるようになった.

タイタンに雲が存在することは予測されていたが,
それが確認されたのは今回が初めて.
しかも,そのサイズの大きさと構造には科学者たちも驚いているとのこと.

カッシーニは昨年,
北極に湖があって,そこで蒸発が起こっていることを発見しており,
おそらく,エタン,メタンなどの有機物を成分とする雲が
形成されているであろうと予測されていた.

今回の雲の発見により,メタンの雨が表面に降って,湖を作り,
それが蒸発して雲を作るという循環メカニズムが裏付けられることになった.
これは地球におけるサイクルと類似している.

タイタンの1季節は地球のほぼ7年に相当する.
現在の状況は数年続いて,季節が変わるにつれて,
この雲と湖は北極から南極に移動するのではないかと言われている.

今年はあと16回フライバイするため,今後も雲の進化を監視する予定.
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タイタンは直径5150kmなので,雲が相当デカイ.
「マンモス」デカイ.
ちなみに地球の半径が6300kmぐらいです.

写真はなんか知らないけど綺麗だな,ぐらいかな.

これ,記事に書いてあるみたいに,
本当に雲と湖が北から南に移動したらすごいな.
その結果がわかるにはまだまだ時間がかかるけど.

in-situ exploration(その場での探査)の魅力を改めて感じた記事でした.

ISRO's capsule returns

2007-01-22 19:31:52 | 航空宇宙
Mission accomplished: ISRO's capsule returns

インド宇宙研究機関(ISRO)の再突入カプセルが無事に還ってきた.

熱防御システム,誘導・航法・制御,空力,通信,減速・回収システムなどの
実験データを得たらしい.

インドがこんなことやっているとは思わなかった.
というか,実験機飛ばす前にたくさん研究しているはずなんだが,
それに関する論文を目にしたことがない気がする.

さらに面白いのは,微小重力下で実験をやっていて,
その試料を持ち帰ってきたということ.
何を実験したか知らないけど.

もっと詳しく書けよ,自分の国の新聞なんだから.

Prof.Rathが関わっているかよくわからないが,
メールで聞いてみようかな.

火星に液体の水あり

2006-12-07 16:52:13 | 航空宇宙
NASA Images Suggest Water Still Flows on Mars

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NASAによると,
ここ7年の間に水によって運ばれた堆積物と思われるものが
探査機の撮った写真に明るく写っていたという.

液体の水は,既に火星に存在が確認されている氷や水蒸気と違って
生命に必要だと考えられている.

水の痕跡というのは,
・ 下り坂の終わりで指のような枝分かれていて
・ 小さい障害物の周りを避けるように流れていっている
ということ.

従来
火星の大気はとても薄くて,温度がとても小さいから,
水はあっという間に蒸発してしまうか凍ってしまって,
液体の水は存在できないと考えられていた.
しかし,凍る前に土砂を運ぶのに十分な時間があるはずと唱えている人もいて,
今回の写真で見つかった2つの堆積物は
まさに各々数百メートルの長さであった.

堆積物がなぜ明るく写るのかというと,
それは堆積物内にある氷によって常に表面が霧で覆われるから.
別の可能性としては,塩の外皮によるというもの.

この写真と撮った探査機はMars Global Surveyor.
1万枚以上の侵食地形の写真を撮ったという.
その中で,2002年以降に現れた侵食地形を写した今回の写真があった.

今回の新しい発見が示唆しているのは
「現在の状態の」火星において,ある場所とある時間に
水が地下から出てきて坂を下っているということ.
そして,そこから
・ 水はなぜ地下で液体の状態で存在できているのか
・ 地下の水はどれくらいの広さで存在しているのか
・ 地下に生命を導きうる生息地があるのか
といった疑問がわきあがってくる.
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さすがに疲れてきたので,ここで日本語訳を終わります.
というか記事を読むより写真を見たほうが早い.

我々と同じような生命が火星にいるんじゃないかという話は
誰もが一度は思い浮かべたことがあると思う.
でもそのためには液体の水が必要.
そして,今回それが見つかったという.

念じれば叶うというわけではないが,
火星生命の存在にまた一歩近づいたと言える気がする.
(私の専門ではないが・・・)
そして,私らが常識的に想像する生命とは
全く違った生命が見つかると一層面白い.
今日からそんな生命の存在をもっと強く念じてみるか.

ところで「生命」の定義ってなんだろう.
describeできてもdefineできないんじゃなかろうか.
まるで「乱流」のよう.
他にも身近なところだと「幸せ」とか.

話は戻って,やっぱり科学って現在進行形なんだなって思う.
これからも惑星を調べると,
きっとまだまだ知らなかったことが見つかって
僕らを楽しませてくれるはず.

惑星もいいけど,私の興味は
もっと遠くに,遠くに.太陽系を越えたその先.
そんな遠くまで飛んでいく
宇宙船をつくってみたいなと夢想する今日この頃.

COROT mission

2006-11-15 09:04:23 | 航空宇宙
COROT and the New Chapter of Planetary Searches

フランスのCNESによるプロジェクトCOROT.
正式名はConvection Rotation & Planetary Transitsという.
惑星の発見手法から採ったプロジェクト名である.

そして,地球大気に邪魔されない宇宙から,
太陽系外の惑星の観測・探索目的で打ち上げられる世界最初の衛星である.

これまで太陽系外には多くの惑星が存在していることが主張されているが,
それらは主に惑星の重力による恒星の摂動によるものであった.
だがCOROTは
惑星が恒星面を通過する際の減光を宇宙で捉えるという手法を用いる.
打ち上げ後,とてもたくさんの惑星が見つかって,
どれぐらいの質量の惑星がどこを回っているのかという統計的データを
惑星科学者に与えることになる.

自分としては
そもそも太陽系外の惑星の存在が初めて主張されたのが1995年というのが驚きだ.

COROTの次にはNASAのKeplerミッション.
直径10cmの望遠鏡を無数に並べて,大きいレンズ一個の場合よりも
広い視野を得て観測をする.
当然各々の信号は弱くなるが,コンピュータの力で
個々の画像を組み合わせて惑星の恒星面通過を捉えるというもの.

そして,さらに夢は広がりESAのDarwinミッション.
惑星の表面での反射光を観測して,大気成分分析を行う.
もし地球と似たような組成であれば,生命の存在が示唆されることになる.

こういうミッションってロマンがあっていいなあと思う.
「地球外に生命があるか」というテーマほど興味を引くものはない気がする.
私たちはこの宇宙のどこから来て,一体どんな存在なのか.

そんなCOROTの打ち上げは約1ヶ月後,12月21日.

この技術,宇宙育ち

2006-07-30 23:59:13 | 航空宇宙
「この技術,宇宙育ち エアバック・耳式体温計・・・」
http://www.asahi.com/science/news/TKY200607300302.html

宇宙開発の恩恵は意外とたくさんのところにある.

宇宙という厳しい環境向けに開発された科学技術は
宇宙だけではなく,もちろん地球でも活躍しているのだ.
もし宇宙開発がその技術開発へのモチベーションを与えているとすれば
そこに1つの意義があるのかもしれない.

だが(本文中にも書かれているが)スピンオフは所詮スピンオフでしかない.
いかに本筋の部分で成果を出すのかが重要だ.
そして,その本筋の部分が世の中でどう評価されているのかの方が気になる.

そういえば月資源ってかなり昔から言われているけどなあ.
本当に実益があるんだろうか?

宇宙開発の方向性を考える(1)

2006-07-01 16:36:39 | 航空宇宙
今後宇宙開発はどこへ向かっていくのだろうか.
宇宙ステーションはいつまで経ってもできないし,
宇宙開発予算はアメリカでも日本でもヨーロッパでも削減されている.
そして,
実際に宇宙開発に携わっている研究者や技術者,それを志している学生も
多分今後の宇宙開発の方向性を見出だすことが難しくなっている気がする.
私もその例外ではない.

ここでJAXA長期ビジョンを眺めてみる.
http://www.jaxa.jp/press/2005/04/20050406_sac_vision-ol.pdf
例えば「有人宇宙輸送システム」「月利用」「極超音速機」とか,
興味のある人間にとっては面白そうな言葉が並んでいる.
だが,なぜ「有人宇宙輸送システム」「月利用」「極超音速機」かと聞かれて
きちんとその理由付けができるのだろうか.
スピンオフなんてのは副次的なものであって理由付けに使われるべきではないと思うし.

そこで私は思う.

宇宙開発はやはり理学的な側面をもっているのだと思う.
ここで言う理学的とは
「世の中を経済的,社会的に便利にするわけではない」ということ.
そしてただ単に「これ面白いよね」という理由が研究の出発点であり,
またその面白さを第一に還元する学問のこと.
それなのに
「社会に実利的な利益をいかに還元するか」という工学的な立場から
宇宙開発を考えるから意義付けに苦しむのだと思う.
(人工衛星は役立っているが,その投資金額に見合っているかはよくわからない)
もちろん実利的な利益を還元するに越したことはないが,
今の段階では,宇宙開発に投資されている金額に見合った社会的利便性を
果たして私たちは享受しているのだろうか.

JAXAの人も政治家の人も普通の国民も
宇宙開発をもう少し理学的な立場から
「面白いものを見せてくれるもの」程度に捉えてみてはどうだろうか.
あとは,こういう考え方が社会に受け入れられるかどうか,
つまり社会の形態にかかっているのかなと思う.
投資された金額と自分が受け取った面白さを天秤にかけて,○×を下すのだ.
○×どちらが正しいかと言う問題ではない.

宇宙開発に興味のある私としては,
もちろん社会が宇宙開発を受け入れて欲しいところだが,
仮に社会がそれを受け入れなかったとしてもその判断は尊重されるべきものだと思う.

宇宙開発という学問,産業の性格はこういうものだと思う.

考えがあまりまとまっていないし,
お金の話を出しておきながら具体的な金額を示していないからよくない気もする.
また機会を見つけて書いていくことにしよう.