SpaceCat Mon☆Star Story

宇宙からやって来た、猫の「Mon」と「私」の痛快コメディー?

離乳食にトライ!!

2005-12-10 | フィクション
monの成長が心配だったのは、事実。
動物に好かれない人生だったし、育てるなんて考えもしなかった。
monが何者でも、元気でいてくれるのなら、それが一番だし。
二浪しても・・・それは置いといて・・・
はじめて、離乳食を作る。
まず、ドライフードをお皿に・・・
お水を少し大目に入れてと。
すでに気になるのか、足元から離れないmon。
母が、
「めずらしいじゃない、お料理するの?」
「monの離乳食だよ、歯が生えたから・・・」
「ええっ!おめでとう、mon!!」
ちょっと、不安そうだったmonも母が喜んでいる姿と言葉に
はずかしそうなカンジ。
ドライフードがなかなかふやけてこないので、
電子レンジを使用。
グツグツと煮えて、ニオイもする。
足元に目をやると、ソワソワしている。
{かぁーちゃん、いいニオイだね!!}
「チンッ!」
アツアツのお皿。
{もうちょっと、待ってね}
今度は冷やすのに、冷凍庫へ。
かなり、変な使い方だが、時間短縮になる。
温度が人肌になったのを確認して取り出した。

さらばっ、愛しき哺乳瓶!!

2005-12-09 | フィクション
慌てて帰ってくると、monが哺乳瓶を転がして、
ポツンと座っていた。
「どうしたの?」
今にも泣き出しそうな目で私を見る。
{ぼくの大事なミルクの入れ物が・・・}
哺乳瓶を拾い上げてみたら、先端がポッキリと無くなっていた。
「mon、歯見せてね」
口を開かせると、立派に歯が生えていた。
この前とはあきらかに違う。
完璧に揃ってる。
どうやら噛み切ってしまったらしい。
新しい物を買ってあげても、結果は同じになる。
食べることができる「歯」だと確信した。
{ミルクはお皿で飲みなさい}
{えっ、お皿?}
{そう、monはもう、お皿でミルクも飲めるし、美味しいごはんも食べられるの}
不思議そうな顔をした。
{ぼく、食べることできるの?}
{キレイで大きな歯が生えたから}
{本当?}
{かぁーちゃんの歯より、立派な・・・ね}
私の嬉しい気持ちが通じたのか、mon自身も驚いている。
目の前の哺乳瓶を卒業する日が来たのだ。
買い物に行って、買ってきたのは、猫用のドライフード。
{今夜から、mon特製のごはん、作ってあげるね}
{・・・うんっ!・・・}
不安そうだけど、力強い返事をくれた。

離乳計画決行!!

2005-12-08 | フィクション
さて、どのようにしたら素直に食べてくれるんだろう?
超ゴージャスなメニューを最初から振舞えないし・・・
贅沢になったら、後々大変だ。
勉強よりも難しい問題に私は今、直面している。
両親は何故か、monの子育てに参加しようとしない。
おさかなの話題を出してから、一週間になる。
薬の服用も終わった。
本人はミルクで満足してしまっている・・・
いつまでも、ミルクじゃ栄養も偏ってくるのが心配。
体はお腹がポンポコリンの赤ちゃん体型。
体重なんて、標準の1.5倍もある。
ジャングル大帝○オの子供時代ような姿。
げっ、ライオンみたいに大きくなったら・・・生肉食べるのかも・・・
いや、お父さんの真似じゃないけど、小さく育てなきゃ。
monはエチゼンクラゲじゃないけどね。
私の努力で「猫」のサイズに留めないと。
その時、子猫の離乳食の作り方が目に入った。
ネットサーフィンもたまには役に立つ。
おおぉ、これだぁ!!
{mon、30分だけ出掛けてくるね}
すぐに戻る約束をして、買い物に出掛けた。

離乳計画着手!!

2005-12-07 | フィクション
猫なら、食べるのは自然だ・・・
{monは、おさかな食べてみたい?}
すでに、「うん!」と言わせるための誘導尋問。
{頭が良くなるって、本当ならね}
随分と慎重な返事だ。
{DHAという栄養がいっぱい入ってるんだけど、たくさん食べると
頭が良くなるんだって}
一瞬、目がキラッとなった。
{かぁーちゃんは、おさかな好き?}
{大好きだけど}
{でも、かぁーちゃんの頭・・・}
と言いかけて、背中を向けた。
悪かったわね、浪人中だわよ。
個人差があるって言葉を使うと、素直に食べるって言わないだろうし。
考えた挙句、
{monはこれからなんだから、かぁーちゃんなんかより、頭が良くなるだろうし、
カルシウムもたっぷりだから、体も大きく丈夫になるよ}
バッと振り向いて、
{うそじゃないよね?}
すでに、賢い・・・私の方が尋問されている。
{もちろんっ!}
笑顔を保とうとするほど、引きつる。
{じゃ、考えとく}
この時、説得しきれなかった。

離乳計画発動!!

2005-12-06 | フィクション
monをひとりにしないようにできるだけ努力をしよう。
大きくなれば、自然に親離れ、子離れができると思う。
まだ、600グラムほどの体だし・・・
いくら、感情を伝えることができても、乳児なんだから。
んっ、「乳児」かぁ~
歯が生えてきたのだから、ミルクは卒業させないと・・・
本人を納得させるには、食べたくなるような「ごはん」を
考えないといけない。
先生は「体の作りは猫」と言ってたっけ。
あぁ、「おさかな天国」を歌っていたってことは、
興味があるのかも。
{ねぇ、mon、おさかな天国の歌が好きみたいだけど、どうして?}
あいかわらず、哺乳瓶に吸い付いている。
{テレビで見てたら、おさかな食べると頭が良くなるって}
のどをゴクゴクさせながら、答えた。

ゴメンね・・・mon。

2005-12-05 | フィクション
書斎に行ったmonを追いかけて、ドア越しに覗いてみる。
姿が見えない。
仕方なく、電気を点ける。
「monゴメン、ちょっと怒鳴ちゃって・・・」
最近、ある事でイライラしていた私。
あっ、思い当たるような事があるような・・・
まさか、「それ」なのだろうか?
その時、父の机の下から、ゴソっと音がした。
しゃがんでみると、尻尾だけ出ている。
まさに、頭隠して尻なんとか状態。
「それ」とは・・・
血尿事件の前日の夜。
浪人中の私は、monの子育て?に追われ、勉強が出来ないでいた。
やっと、ひと段落したと思って自室でがんばっていたのだ。
monの出入りを許してはいたものの、バタバタ、ドカドカと元気イッパイで
部屋の中をグチャグチャにされて、私の勉強内容にも興味があるのか、
「これ何?」のような質問攻めにも会い、思うように進まない。
気が散るので、monを部屋から出してドアを閉めた。
その時間、すでに両親は眠ってしまっていた訳で・・・
朝まで、monは閉められてしまったドアの前にいたらしい。
私の思考が読めたのか、monが出てきた。
{そうだよ・・・かぁーちゃんがぼくのことを・・・}
怖かった、寂しかった、不安になった・・・
人間に例えたって、赤ちゃんをひとりぼっちにしたのと代わらない。
私が未熟なばっかりに・・・
{ゴメンね・・・かぁーちゃんが悪かった}
小さなmonの体を抱きしめながら、私は泣いていた。

原因は私・・・?

2005-12-04 | フィクション
動物病院から液体のお薬をもらった。
朝昼晩と注射器のようなもので口の中に入れる。
そして、3日目。
普通、薬は嫌~な味がすると思うんだけど・・・
{かぁ~ちゃん、美味しい!!もっと、ちょうだい}
「ダメ!!お薬なんだから」
まるで、ジュースのおかわりをせがむみたいに・・・
血尿は一度きりで済んだ。
どうして、こんな事になったのだろう?
不安にさせるような出来事なんてあったっけ?
感情は芽生え過ぎているのは確かでも。
面と向かって聞くにも聞きづらい。
そのうち、わかるかな~・・・
おかわりをもらえなかった、monは注射器をくわえて、
生えてきた歯で噛み噛みしだした。
「壊れちゃうじゃない!!」
その言葉に落ち込んで、上目遣いで私を見た。
{かぁーちゃんが・・・かぁーちゃんが・・・}
と言いかけて、父の書斎へ行ってしまった。
ポカンとなる私。
もしかしなくても、原因が私にあるみたいだ。

イケメンらしい・・・

2005-12-03 | フィクション
みなさんにご報告が遅れましたが、monはかなりの変貌をしました。
動物病院で「その後・・・」
アシスタントの若くてキレイなお姉さん3人に、
「monくん、カワイイ~」の連発に会い、たらいまわしに抱っこされて・・・
本人、デレデレ状態に・・・
{ちょっとぉ、痛いのはどうしたのよぉ!!}
{さっき、変なの飲まされたけど、すぐに痛いのなくなったよ}
{ふ~ん・・・}
まだ、盛り上がってる。
確かに、エグイ、シュールな姿からキツネのぬいぐるみのような姿に
成長した。まん丸の大きな瞳がクリクリしている。
小顔で大きな耳。たぶん猫なら「イケメン」みたいだ。
それより、次の患者さん待ってるのにいいのかなぁ?
{かぁーちゃん・・・}
{なによぉ}
{ヤキモチ焼きぃ~}
{な、なんですってぇ~!!}
アシスタントの女性より、私の方が若いのよ~、浪人中だけど。
{うそだよ・・・ありがとう}
調子が良くなったのか、素直な態度。
まぁ~、ある意味「ヤキモチ焼いたかも・・・」
嬉しい反面、お支払いは高く付いた。
帰りの車中で、「おさかな天国」を全開で歌うmon。
この、バカmon、バケmonがぁぁぁ。
でも、私は穏やかな気持ちだった。

monは「猫」?

2005-12-02 | フィクション
「普通、男の子の場合、大人になってからなるのがほとんどで・・・」
無知な私は聞いてるだけ。
「何か不安を感じるような出来事があったのかも知れません」
確かに普通なら「感情」を出せるのは、もう少し大きくなってからだろう。
でも、monはすでに「感情表現、会話」ができるんだよね。
「それからなんですが・・・」と言いかけて先生は考え込んでしまった。
やっぱり、monの「変」なところに気が付いたのだろう。
思い切って単刀直入に聞いてみた。
「この子、父が保護してきたのですが、本当に猫ですか?
耳と目がやたらに大きいし、豹柄だし・・・」
もう何て言われたって驚かないぞ!!
「いや、その点じゃないんです」
「えっ?」
私が考えていたところではなかった。
「爪の長さ、形、太さ、犬歯もです。そして、手の肉球の数が7つ」
普通は5つらしい。
驚き顔の私に、
「体の作り自体は猫ですので、たぶん、猫でしょう」
と曖昧な表現をした。
一応、理解?を示してくれたので、これからもこの先生にお願いすることに
決めた。

はじめての動物病院。

2005-12-01 | フィクション
とうとう、動物病院に連れて行く。
さて、先生は何の動物と思うだろう?
そんな心配より、monが大事だ!!
車に乗せて、
{まだ、痛い?}
{うん・・・}
元気が無い。
急いで、車を走らせた。
初診の手続きをして、
受付の人に「猫ちゃんですね?」と聞かれる。
monから言葉が無い。
かなり、痛いみたいで・・・
「はい」としか答えられなかった。
そして、順番がきて診察室に呼ばれた。
私の緊張はピークに達してカチンコチン状態に・・・
「あのぉ~、トイレの砂が真っ赤になっていて、
普段あまり鳴かないのに、鳴きっぱなしで・・・
どこか痛いんだと思うのですが?」
生後1ヶ月くらいだと付け加える。
{なんだか、怖いよう・・・}
たくさんの機械がある。
{少しの間、ガマンするのっ!!}
先生はエコーでmonのお腹のあたりを見た。
「神経性の血尿ですね、お薬ですぐに治りますから」
そう言うと、少し大きめの錠剤を一粒、monの口の奥へ押し込んだ。
{うげっ}
「よかった・・・」
「でも、小さいうちになるという事は珍しい・・・」
この後の会話は信じられない内容だった。