SpaceCat Mon☆Star Story

宇宙からやって来た、猫の「Mon」と「私」の痛快コメディー?

自転車に乗って。

2005-12-20 | フィクション
チーちゃんの家は近いので、自転車で行くことに・・・
monをバケツ形のトートバッグへ入れて、カゴに乗せた。
会話ができるので、ファスナーを閉じず、顔を出している。
首輪、ハーネスを付けて、おすわり状態。
{かぁーちゃんのお友達、どんな人?}
monからの質問にお答えしよう。
私と同じ歳。小さい頃から「絵」などが上手で、今、現役の
美大生である。私と違い「夏休み中」なのだ。
私だって、天文学を専攻したいので、国立狙いだが・・・
勉強が至らず、浪人の身。
来年こそは・・・と彼女を羨ましく思いながら、monの子育て?中。
仲が良いので、お互い勉強のことは関係なく楽しくやってる。
{ふ~ん・・・ぼくも会いたくなっちゃった}
おとなしく乗ってるので、すれ違う人がみんな振り向く。
monは辺りの景色が流れるように見えるのが不思議なようで、
キョロキョロしている。
車が通ると、驚いて首を引っ込めた。
「情けないわねぇぇぇ」
{だって、大きいんだもん・・・}
車に乗せた時は、痛くて外を見ている余裕がなかったみたい。
今度は、空を見上げた。
{かぁーちゃん、キレイな青空、空気もおいしいよ!!}
{そう?}
いつも、家の中だけで暮らしているからね。
たまには、お散歩に連れて行こうかな?
ここは東京でも、田舎な方なのでのんびりしてるし・・・
そして、彼女の家に到着した。

チーちゃん家へGO!

2005-12-19 | フィクション
電話の切れた後、monに説明した。
{今日の午後にお友達の家に行くんだけど、monも一緒だから}
キョットンとした顔で、
{ぼくも行くの?}
{monに会いたいんだって・・・だから・・・}
{ぼく、猫らしくしてるから、大丈夫}
さっきの電話の内容が理解できたのだろうか?
やたらと素直というか、お外に出るのがウレシイみたい。
物分りがいい態度がなんだかコワイ。
{ちゃんと、用を足しておくのよ}
{うん!!}
元気な返事をした後、きんの所へ走っていった。
報告でもしているんだろう。
私はmonが大きくなってしまったので、大きめのカバンを
探しはじめた。
それから、ハーネス。
犬はあたりまえだけど、ご近所の手前「ノラ」じゃない証に
首輪とダブルで付ける。
最近は「猫用」も売っているけど、体が子供なため合わない。
父が「もしも」の時にと、「うさぎ用」のハーネスを改造してくれてた。
そして午後、私とmonは家を出た。

monとおでかけ!

2005-12-18 | フィクション
monときんが、「猫?」と「鳥」だというコトが忘れてしまうほど、
あの一件から時間が経った。
monが我が家にやって来て3ヶ月ちょっとになる。
きんとmonの仲は急速に良くなり、ホッとしている。
私にはわからないけど、会話ができる点がいいみたい。
今、夏休みの終盤、幼なじみのチーちゃんから電話をもらった。
「ねぇ、子猫がいるんだって?」
「いるよ・・・」
足元でmonが気にしている。
「連れておいでよ!!見てみたいから・・・」
彼女の家は自転車で5分とかからない。
「う~ん・・・」
monが普通の猫なら問題ないんだけど・・・
返事に困ってきたぞ!
「私もいつか猫と暮らしてみたいんだぁ~」
でも、それは「普通の猫」だろう。
{かぁーちゃんのお友達?}
monが聞いてきた。
{そう}
「あのさぁ~、今日の午後って、どう?」
チーちゃんと会話がダブる。
「あいてるよ」
いつもの調子で答えてしまった。
「じゃ、待ってるねぇ~」
ここで電話が切れた。
monに話しかけられているうちに行くことになってしまった。

難関突破!

2005-12-17 | フィクション
この一件から、monは正式?の家族となった。
きんはご機嫌な状態に戻り、monは傷が癒えないまま、
大人しくしていた。
最大の難関を突破した代償は大きい形になったが、
家族の不安は消えた。
痛い思いをしたmonは私にベッタリになり・・・
離れようとしない。
私もきんとは「仲がいい」訳じゃなったから・・・
両親には甘える、きん。
でも、私にはしない。
私の妹的な分、姉に見せ付けるように両親を独占だ。
ボタンインコのきんと張り合うほど、私は子供じゃない。
さらにmonが私と共にしていたので、面白くなかったのだろう。
最近はmonにばかり、注目していたし・・・
両親がmonの子育てに参加しなかったのは、きんの手前があったから。
なるほどである。
本当に仲良くできる日が来るといいなぁと、monの頭を撫でながら、
切に思った。

きんはエライのだ!!

2005-12-16 | フィクション
母は瞬時に目を覆った。
もちろん、「きん」が襲われたと思って・・・
私はモロに見てしまった。
monの手に噛み付いた、きんの姿。
きんのくちばしは石以外の物はだいたい噛み砕く。
ボタンインコでも、威力はオウムくらい軽くある。
私も噛まれた経験者だ。
片手を持ち上げながら、
{かぁーちゃん、かぁーちゃん・・・手が・・・}
と這ってくる。
monの手を見たら、肉球が一つ潰れて血豆になっていた。
母はもっと驚いている。
なぜ、きんに反撃しないのだろう?猫なのに・・・
生後2ヶ月と10歳の迫力の違いは、猫?と鳥だからという
関係以前の問題だったようだ。
先輩の「洗礼」を受けて、痛くて落ち込むmon。
この家で一番エライのは、「きん」であることを学んだ。
父が心配もせずにいたのは、理解していた証。
きんに認められないと家族じゃないってこと。
これが、monの初怪我となる。

「その時」が来たぁ~!!

2005-12-15 | フィクション
その瞬間を母が見てしまった。
「ああぁっー!」
きんが襲われてしまう。
「mon、ダメよぉ~!!」
でも、一定の距離を置いて、monはおすわりした。
{きんお姉ちゃん、なあに?}
(あんた、新米のくせに態度が大きいのよっ!!)
{・・・}
(ちょっと、聞いてるの?今まで、あいさつにも来なかったじゃない!)
{ぼく、まだ知らないことばかりで・・・}
(言い訳はいいわよっ)
視線が絡み合っている。
父は平然と大好きな青汁を飲んで、くつろいでいた。
{ごめんなさい、きんお姉ちゃん}
(謝ったって、あたしの気がおさまらないのっ)
{どうしたら、きんお姉ちゃん許してくれるの・・・}
一歩近づいた、mon。
2人の会話が読めない私と母はパニック状態。
(そうねぇ?もうちょっとこっちに来なさい)
素直に近付く、mon。
視線が再び合ったと同時に・・・
【うぎゃゃぁぁぁぁ~】
ものすごい、絶叫が部屋中に響き渡った。

猫?と鳥の間に・・・

2005-12-14 | フィクション
離乳食に慣れ始めた、mon。
今じゃ、自分で食べられるようになった。
スープの飲み方はあいからず・・・ものすごい音をたてて
がんばっている。
たまに、お皿へダイブして大変だけど・・・
溺れるほどではない・・・と思う。
そして今でも、「きん」の鳴き方と暴れ方を両親が気にしている。
猫?と鳥。普通なら「犬猿の仲」だ。
「本当に大丈夫かしら?」
母が心配している。
前はmonが赤ちゃんだったけど、今は子猫?だ。
食べることも覚えた。
ただの「ヤキモチ」ではないと、みんな感じている。
monもヨチヨチ歩きじゃなく、駆け回っている。
もしかしたら・・・と思う、最悪の事態。
父だけは、のほほんと何か含みのある笑顔だ。
困ったなぁ・・・私の本音。
{ねぇ、mon。きんが何を言ってるのか、わかる?}
心のチャンネルを合わせるように、きんの声を聞く、mon。
{うん・・・}
{えっ、何だって?}
{ぼくを呼んでいる}
小鳥から誘うなんて、どういうことなの?
{ぼく、そばまで行ってみるね}
すると、足早に近づいて行った。

日本でよかったねっ?mon。

2005-12-13 | フィクション
「ずっ、ずずずずずーっ!!」
哺乳瓶で培った、「吸う」技術で飲み出した。
「ずびーっ、ずっ、ずびびぃーっ!」
壊れかけの掃除機のような音がスゴイ。
そういえば、ミルクをはじめて飲ませた時、思うように飲まなくて、
私が言った言葉。

「大人になった時、そばやラーメンをすすれない外国人みたいになっちゃうからっ・・・」

あの時は本当にそう思ったけど、今の成長ぶりからはニュアンスが間違っていたと
後悔先に立たず・・・
これなら、そばやラーメンを食べるのは楽勝。
いや、また勘違いな表現になってしまった。
{かぁーちゃん、飲めたよっ!!}
はずんだ口調で私に伝えてきた。
「良かったねぇ、mon!」
とりあえず、褒めてあげないと・・・
このまま、飲み方が決まってしまうのだろうか?
新たな「進化」を願いつつ、ゆとり教育?はつづく。

食べることはできたけど・・・

2005-12-12 | フィクション
だが、問題はここからだった。
15粒ほどでごちそうさまのmon。
一番栄養のある部分のスープを勧めてみた。
お皿を床に置いて見てみると、飲めない。
普通、ペロペロと舐めるように飲むと思うけど、
口を付けるというのもできないでいた。
「mon、こうだよ」
私は床に両膝を付いて、お皿を舐めるマネをした。
{むずかしい・・・ね}
monは、お皿をじーっと眺めながら、つぶやく。
むずかしい・・・かぁ~
再度チャレンジする、mon。
ビジャっと音がした。
{かぁーちゃん・・・}
鼻から口にかけて、ビッチョリ。
お皿に顔を入れてしまった。
慌てて、ティッシュで顔を拭いた。
「mon、少し休もう」
{うん・・・}
さて、どうしよう・・・もう、哺乳瓶はダメだし・・・
私が教えるにも限界がある。
本当の母親なら、どうしただろう?
考えている間に足元でmonが・・・!?

はじめての「ごはん」

2005-12-11 | フィクション
はじめて、食べる。
それに、お皿で・・・
「どうぞ!!mon」
興味津々のmon。
ニオイにウットリしている。
いい反応じゃないか!
{これ、なぁに?}
{おさかなとおやさいだけど・・・}
{ぼくがテレビで見たのと違うよ}
{おさかなは大きいので、食べやすいようにしてあるのよ}
{そうなんだっ・・・}
「食べてごらん」
{うんっ!}
お皿に口をもっていくが、うまく食べられない。
最後には、手でお皿を動かし始めた。
「ああ、こぼれるっ!」
とっさに手が出てしまった。
哺乳瓶を吸うことができても、食べるのは初めてだもんね。
{mon、かぁーちゃんの膝に乗って・・・}
{うん・・・}
残念そうにしていたが、すぐに膝に乗った。
お皿から、一粒ずつ口に入れた。
「はい、噛み噛みして!」
モグモグと慣れない歯を動かす。
{おいしいよっ!!もっとちょうだい}
「はいはい」
はじめての離乳食は好印象で良かった。