当会顧問の、Mac杉崎氏は愛好家のバイブル「世界の蓄音機」の監修者であり、ステレオサウンド誌には数度に亘り、クレデンザ修復技術等を著わしている。氏は自らも蓄音機の性能を追求する為、この40年間で、クレデンザ5台をはじめ、HMV202、203を3台と、EMGを7台買い替えて、比較研究を続けている。
また、この経験から得た知識や修復の技術を生かして、多くのハイエンドマニアの蓄音機を修理調整している。当会会員の所有する蓄音機は氏の手に掛かった物が多く、極上の状態にある。最近では、私公立の博物館や資料館が所蔵する蓄音機の修復や復元も数多く手掛けている。
♪修理やメンテナンスを行っている主な施設♪
東京理科大学、近代科学資料館・・・約10台
東京大学博物館・・・2台、インターメディアテク 寺田繁コレクション・・・約80台
日光総業「明治の館」F・W・ホーン資料館・・・約30台
明治学院大学、日本近代音楽館・・・約10台
東京芸術大学・・・3台、クリストファー野澤コレクション・・・3台
武蔵野美術大学、中村とうようコレクション・・・4台
草加市、歴史民俗資料館・・・4台
大分湯布院温泉、亀の井別荘・・・5台
南相馬市博物館・・・5台
横浜蓄音機ミュージアム・・・約10台
鎌倉七里ヶ浜、金子コレクション・・・約30台
これら上記の施設から依頼されて、定期的なメンテナンスも行っている。これにより、殆んどの蓄音機が動態保存の状態にあり、ベストな音出しが可能となっている。また、同施設の若い人たちに蓄音機の使用方法や保存方法のレクチャーと、当該施設でのSP盤コンサートも行っている。
Mac杉崎氏のモットーは、「オリジナル絶対主義、現物主義」である。
欠落部品なども、オリジナルの物を用いて修理する。部品が手に入らないときは、止む負えず現物と同じものを作製して修理をする。常に「楽器の如く音楽を奏でる蓄音機」を目指している。氏は現在も、地域住民や同好の士の為に、蓄音機によるレコードコンサートを地道に続けている。(編集部)
※2023年2月12日更新