竹の師匠

竹の師匠、御年９１才
腰を痛めて入院していたが、最近退院したらしい

昨日、お見舞いを兼ねて作品を見てもらおうと師匠宅を訪れた
「ごめん下さい」声をかけたが留守

黒板に白いチョーク「夕方帰る」
出直す事にした

夕方、再度訪問
「ん、どなたかな？」
「カゴの作り方を教えて頂いた『soWhatだ』です」
「覚えてないなあ」

持参した竹かごを見てもらう
「ん、これか、よく出来たねえ」
「そうですか」
「あと、ここの巾はもうちょっと広い方が良い、倍くらいあっても良い」
「それから立ち上がりは輪っかを針金で縛っておいてひごを編んでいくと勝手に立ち上がる」

「これはかごじゃないっ」とか「ここは以前おしえたよね」とか言う余計なコメントは一切ない
プロの職人の言葉、「かご」で生計を支えてきた自信

「腰痛めちゃって入院してたんだ２ヶ月くらいかな」
「まだ痛いですか？」
「うん、まだ痛い」
「リハビリは？」
「うん、今日も行ってきた、レントゲン撮ったら骨は大丈夫だって」
「よかったですねえ、他には悪い所はないんでしょ？」
「他は大丈夫」
「身体が丈夫なんですね、今９０歳でしたっけ」
「九十一」
「じゃあ百歳までもうちょっと・・・」
「いやあ、どうかな」

並みの「初心者老人」より、はるかにしっかりした歯切れの良い会話が心地よい



「すみません、長居して」


竹の師匠９１歳、腰は痛いが元気

soWhatだ・・・一安心・・・over