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「脱ゆとり」  --------「前倒し」の実際は…

2008年04月25日 | 最近のニュースから
新学習指導要領の「移行案」が、文科省から公表されました。

「脱ゆとり」色の強い新指導要領は、初の授業時間数の増加や「台形の面積」の復活など、先の改定で問題となった点を、補うような形で策定されているようです。
現在の学習内容との差は明確。
「これぐらいは勉強してもらわなくては…」といった受け取り方がほとんどです。

さて、今回、発表されたのは「以降案」です。
これは、現在の指導要領で学ぶ子供たちが、スムーズに新指導要領の学習内容に入れるように、少しずつ調整をしていこうというものです。

しかし、実際は、ちょっと大変なことになっています。

「けっして無理せず、自分のペースでゆとりを持って走りなさい。」といわれてマラソン大会に参加したのに、急に、「先頭集団に追いつけ!」と号令をかけられるようなもので、これまでに学習していなかった範囲を、2年間で学習しなければならないわけです。

その内容を具体的に示したのが、以下の表です。
現在の小学校3年生の生徒さんが、今後の2年間で学習する、算数の「前倒し」内容だけをまとめたものです。


現在の小3が

学習する内容

(前倒し分=

追加される内容)
09年度・小4 10年度・小5
四則計算の結果の見積もり

小数×整数、小数÷整数

そろばん(加法・減法)

面積の単位(a、ha)

直線の平行や垂直

平行四辺形、ひし形、台形

立方体、直方体

直線や平面の平行や垂直

見取り図、展開図

四則計算の性質(整数)

以上、以下、未満
約数、倍数

最大公約数、最小公倍数

分数の大きさ、大小の比べ方

異分母分数の加法・減法

分数×整数、分数÷整数

体積の単位(cm3、m3)

立方体及び直方体の体積の求め方

単位量あたりの大きさ

角柱や円柱の見取り図、展開図


これを見ていただくと、台形の面積の復活だと、喜んでばかりはおられないようです。
実際、小5で前倒しとなった内容は、当然、小6の内容が中心で、大まかな言い方をすると、「小4・小5の2年間で、現在の小4から小6の3年間の内容を学習する」ことになるからです。

ですから、現在の小4の方が小5のときに学習する先取り内容も、以下のようになっています。
現小3生が小4の時に学習する内容と、現小4生が小5のときに学習する内容は、一部、重なっていますね。

現在の小4が

学習する内容

(前倒し分=

追加される内容)
09年度・小5
同分母分数(仮分数)の加法・減法

ひし形・台形の面積の求め方

多角形、正多角形

図形の合同

立方体、直方体

直線や平面の平行や垂直

見取り図、展開図


「脱ゆとり」の実際を検証してみると、この数年間は、ずいぶん大変になるようです。
現在の学校の指導体制の中で、充分に補えるのでしょうか。




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