「南大阪 中学受験地図」 archive

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立命館大学、奈良の育英西中高と協定を結ぶ

2007年06月30日 | 最近のニュースから
大学と私立中高の連携は、そんなに珍しい話題ではなくなってきました。
昨日も、京都新聞電子版に以下のような記事がありました。
一部、抜粋の上、要約して掲載します。

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立命大、育英西中高に進学枠

立命館は、育英西中高が立大理系学部に付属校並みに進学できる「立命館コース」を設置する、と発表。
同コースの設置は、平安女学院中高などに次いで3校目。

立命館コースは、同大学の理工、情報理工学部のほか来春開設の薬、生命科学部への進学が主な対象。
立大が、中高のカリキュラムづくり、教員の派遣や大学の基礎科目の履修も検討する。

来春は、中学2クラス、高校1クラスに設置。
将来は中学3クラスのうち2クラス、高校4クラスのうち3クラスに設置するという。

育英西中高は、関西大とパイロット校協定を結んでいるが、関大との協力関係は今後も続けるという。

立命館の林堅太郎常務理事は「学校法人が別でも、付属校のように早い段階から教育にかかわることができる。今後も地域にこだわることなく同様のコース設置を進めたい」と話している。
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当Blogでも4月の下旬に、立命館大学の動きをお知らせしましたが、今回の記事の最後の部分を読むと、まだまだ、同様のコースが生まれる可能性があります。


さて、この動きですが、少子化=学生数の減少が予想される中、大学の自衛策でもあると思いますが、「量の確保」がそのまま「質の確保」につながるのかどうか。
今回の記事を見ていると、入学生徒の「質の維持」というようりは、「質の向上」を考えて、大学が手をさしのべるようです。



ここ数年、私立高校へ予備校の講師を招き、講座を開いたり、予備校と提携して進学指導をしたりする動きがあります。
実際、そういった講師を派遣したり、仲介を専門にする業者もあるらしい。
こういった現実を考えると、外部に援助を求める高校の、指導力なり、魅力なり、「何のための」高校なのかということを考えざるを得ません。
大学進学だけが高校の果たす役割ではないにしても、「?」です。

これまで、大学と高校の提携や連携といえば、大学が、高校の教育力・指導力の高さを評価してのものでした。
また、高校も、大学を選ぶ側に立っており、両者は、良い意味での緊張関係にあったように思います。

それが、提携で、人数の確保に傾きかけたかと見えた後、今度は大学が手をさしのべての「質の向上」です。
「提携」というよりは「共生」と呼ぶほうがよいかもしれない関係ですが、ぜひ進学したい対象としての「大学の魅力」や、「力(もちろん進学だけでなく)をつける高校」のあり方も、ぜひ、検討・実現していただきたいと思います。



〔参考リンク〕
京都新聞電子版の記事はこちらから…


もったいない…

2007年06月29日 | 家庭学習のヒント
昨今、「Mottainai」ということがよく言われます。
なんでも、日本独特の考え方だとか。

私は、勉強においても、「もったいないなぁ」と感じることがあります。

ケアレス・ミスや勘違いで失点するのも、もちろん、もったいない。
でも、それ以外にも「もったいない」と感じることがあるのです。


計算力をつけることを考えてみましょう。
計算力をつけるには、当然、問題の練習が必要です。
その練習のやり方が「Mottainai」ことがあるのです。
それは、次から次から、新しい問題でないと、やる気を出せないような生徒さんの場合です。
解き終わればそれで終わりというような感覚なので、もちろん、見直しもしませんし、採点後のやり直しもしない。

まったく、逆の状態を考えるとどうでしょう。
1度解いて、もう一度見直しをする。
さらに、間違えていた場合は、間違いなおしもする。
ひとつの問題を3回は解いているわけです。


さて、ここで疑問なのが、「同じ」計算問題を何度も解いて、効果があるのかということです。


計算では、速さと正確さが求められます。
まずは、「計算」する力が必要なわけですが、ミスをしないことも求められます。
ミスをしないためには、「自分がどこでミスをするのか」をしっかりと理解しておく必要があります。

たとえば、分数の計算が苦手だとぼんやり思っているよりも、約分を見逃すことが多いとか、さらに、8の倍数の約分を間違えることが多いとか、具体的に把握しているほうがいいわけです。
もちろん、そこまできちんと把握できておれば、ミスは減りますから、中学受験のその日まで、同じような注意をする必要はありません。
ただ、そのように、「もう注意する必要がない」程度にまで計算力をつけようと思えば、まず、自分の力やその傾向を知ることが大切だということです。

同じ問題を解くというのは、そういったことを知るために、有効な方法です。
もちろん、1問を何回も連続して解くということではありませんが、見直し~やり直しをするのは当然のこと、何日かたって、再度解くのも、有効なのです。
そこで、同じミスが出てくれば、それこそ、「ミス一覧表」でも作って文章化して書き表し、いつでも意識しながら解く必要があるでしょう。

次々とさまざまな問題に取り組むと、こうはいきません。
自分のミスが体系化されて把握されにくいからです。

一度解いてしまったからといって、二度と振り返らないのは、そういう点で、「もったいない」といえるのです。



※追記
速読+速解的な、スピードをつけるときには、次々と新しい問題に挑戦するほうが効果的な場合もあります。
「今、どう学習すればよいか」という、「時期の見極め」は、通っておられる塾の担当の先生などと、相談されるほうがいいと思います。




中学入試問題を紹介するページ

2007年06月28日 | 家庭学習のヒント
ということで、まず、問題。
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<1> 次の語とほぼ同じ意味の語を、後から選んで、記号で答えなさい。

 1 任務  2 感心

  ア 熱意 イ 作業 ウ 使命 エ 敬服 オ 納得

(07年度 国府台女子学院中学部から)
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この程度なら、何とかなりそうでは?

では、次の問題は?
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<2> 次の各組の【 】には、前の文に使われている言葉と反対の意味をもつ言葉が入ります。【 】に当てはまる二字熟語を答えなさい。

 (1)諸国と友好的な関係を結び、理想を追求しよう。

   父の体験談により【 】の厳しさを痛感した。

 (2)どこまでも原因を解明しようとするのが原則だ。

   【 】なしに、規則に反した者は許されない。

 (3)式典のあと講堂に集合し、クラス全体で合唱した。

   修学旅行を終え、一部の生徒は駅で【 】した。

 (4)学校で配られた書類は、実に複雑な形式であった。

   簡単な伝言でも【 】を必ずメモしてください。

 (5)天災によって取り返しのつかない損失が発生した。

   台風による損害のため【 】は全く得られない。

(06年度 明治大学付属中野中学校から)
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(4)は、ちょっと、戸惑うかも…。



こういった、入試問題の抜粋を掲載しているのは、asahi.comの教育にある「チャレンジ!中学入試問題」というページ。
毎週土曜日更新で、その都度、4教科の問題が少しずつ掲載されているようです。
四谷大塚担当で、入試問題の紹介と、その解答と解説(一部)が掲載されています。

実際の入試問題を、ちょっとのぞいてみる感覚で、挑戦してはどうでしょうか。
関東圏の中学校の問題が多いのですが、大阪の受験生が解いても、十分に役立ちます。
量は少ないのですが、問題のパターンなど、新しいものを知ることができるかもしれません。

なお、上記の問題は、以下のURLからの抜粋です。
解答も、ここにあります。

類義語・対義語の問題


[参考リンク]
asahi.com「チャレンジ!中学入試問題」



文法・知識問題の出題は減っているけど…

2007年06月27日 | 家庭学習のヒント
何事にも、基本の徹底は大切なもの。
例えば、算数の計算力ですが、速さと正確さが求められます。
さらに、速く正確に解けるほど、与えられた時間内に、難しい問題の解法を検討する時間が増えるわけです。

国語の場合はどうでしょうか。

今、塾で使用しておられる参考書・問題集には、文法問題や慣用句・故事成語、同音・同訓異義語などの知識問題がどれぐらいの割合で掲載されているでしょうか。
私も、きちんとした比率を出したわけではありませんが、おそらく、入試問題に占める問題の割合より、かなり多めのはずです。

さらに、以前の国語の問題に比べると、最近の入試問題では、そういった知識系の問題が出題が出題される割合は減ってきているように思います。
もちろん、伝統的に、同様の出題傾向をもち、例年通りに出題する学校もあるわけですが、最近は、詩の出題が減っているのと同様に、出題の比率を下げている学校が目立つように思います。

ところが、受験勉強に占めるそういった知識系の問題の割合は減りません。
これには、次のような理由があると思います。

まず、文法問題ですが、「文の構造を点検する」視点を学ぶことができます。
どの言葉が、どの言葉にかかっているのかをきちんと認識できるのです。

また、「文末表現の違いによる、細かい意味の違い」も学ぶことができます。
こういったことは、文章の内容をより正確に把握するために有効です。

慣用句・故事成語などは、もちろん語彙力を伸ばすことになります。
熟語の組み立ての学習をきちんとしておけば、はじめてみた熟語の意味を推察するのに役立ちます。


こういったことを考えると、文法を文法力だけのために、あるいは慣用句・故事成語を「覚える」ためだけに勉強するのは、大変、もったいないことになります。
受験生である、子供たち自身が、そういった効果に気づくことは少ないわけですが、文法の授業を丁寧におこなったあとに、長文の読解にも良い影響がでることも多く、大切なことだと思います。





新たな流れとなるか?「単コース入試」

2007年06月16日 | 学校選びのヒント
先日お知らせした初芝富田林の「中期医進入試」。
これまでの1次+2次に加え、「中期」を設定し、入試機会を増やす。
さらに、募集コースを絞って、ねらいを明確にする。
募集する側の意図がはっきり感じられるだけに、受験生も受験するかどうかを、しっかり判断する必要があるようです。

こういった、ひとつのコースだけにしぼった「単コース入試」ですが、昨年の帝塚山学院泉ヶ丘のM入試が代表的。
来春は清風も同様の入試を模索しているらしいとの情報があり、新しい入試の流れになるかもしれません。

こういった入試では、どのような生徒を募集したいのかという学校側の「ねらい」が明確になりますので、入試問題も、そのねらいに沿ったものを作成することになります。
その問題を分析すれば、当然、そのコースのレベルや目的が明確になりますので、受験生も対策が立てやすくなります。
同時に、傾向・レベルなどを分析した結果、回避するほうが良いケースもあるわけですが。

実は、こういった入試は、大谷の医進コースがすでにおこなっています。
大谷の医進は、他のコースと同じ日に入試を行いますが、3教科入試です。
医進コース希望者だけが受験する理科は、思考力を見るような難しい問題もあり、「医進希望者はこういったレベルの学力が必要」という目安を明確に示しています。


一方で、こういった入試の方法をとると、レベルを絞った上に、併願者がたくさん受験するでしょうから、倍率・レベルともに難化すると思われます。
すると、それを嫌う専願希望の生徒さんは、1次で受験することになり、1次の専願化がますます進むのではないでしょうか。
その結果、同じ医進コースでも、1次試験での合格者と中期試験での合格者では、学力の差が目立ってくるかもしれません。
現在でも、1次・2次の合格者の学力格差を問題にする先生があります。
2次での合格者数が少ないから、それほど大きな問題になっていないようですが、中期入試で、ある程度のボリュームで合格者→入学者を出した場合、無視できない差になるかもしれません。

そう考えると、この入試形態は、最終的に第何日目は○○コース、第何日目は□□コースを募集するというように変わってくるのが必然のように思いますが…。
実際は、生徒数の確保が主な目的ですから、そうはならないでしょうが。



しかし、様々な学校が、このような入試を用意してくると、つまるところ、「いつ、その入試を行うか」という入試日程が最大のカギになります。
各中学校を悩ませる、日程の問題がまた出てくるわけで、真のメリットはなんだろうと思うのですが…。