新学習指導要領の「移行案」が、文科省から公表されました。
「脱ゆとり」色の強い新指導要領は、初の授業時間数の増加や「台形の面積」の復活など、先の改定で問題となった点を、補うような形で策定されているようです。
現在の学習内容との差は明確。
「これぐらいは勉強してもらわなくては…」といった受け取り方がほとんどです。
さて、今回、発表されたのは「以降案」です。
これは、現在の指導要領で学ぶ子供たちが、スムーズに新指導要領の学習内容に入れるように、少しずつ調整をしていこうというものです。
しかし、実際は、ちょっと大変なことになっています。
「けっして無理せず、自分のペースでゆとりを持って走りなさい。」といわれてマラソン大会に参加したのに、急に、「先頭集団に追いつけ!」と号令をかけられるようなもので、これまでに学習していなかった範囲を、2年間で学習しなければならないわけです。
その内容を具体的に示したのが、以下の表です。
現在の小学校3年生の生徒さんが、今後の2年間で学習する、算数の「前倒し」内容だけをまとめたものです。
これを見ていただくと、台形の面積の復活だと、喜んでばかりはおられないようです。
実際、小5で前倒しとなった内容は、当然、小6の内容が中心で、大まかな言い方をすると、「小4・小5の2年間で、現在の小4から小6の3年間の内容を学習する」ことになるからです。
ですから、現在の小4の方が小5のときに学習する先取り内容も、以下のようになっています。
現小3生が小4の時に学習する内容と、現小4生が小5のときに学習する内容は、一部、重なっていますね。
「脱ゆとり」の実際を検証してみると、この数年間は、ずいぶん大変になるようです。
現在の学校の指導体制の中で、充分に補えるのでしょうか。
「脱ゆとり」色の強い新指導要領は、初の授業時間数の増加や「台形の面積」の復活など、先の改定で問題となった点を、補うような形で策定されているようです。
現在の学習内容との差は明確。
「これぐらいは勉強してもらわなくては…」といった受け取り方がほとんどです。
さて、今回、発表されたのは「以降案」です。
これは、現在の指導要領で学ぶ子供たちが、スムーズに新指導要領の学習内容に入れるように、少しずつ調整をしていこうというものです。
しかし、実際は、ちょっと大変なことになっています。
「けっして無理せず、自分のペースでゆとりを持って走りなさい。」といわれてマラソン大会に参加したのに、急に、「先頭集団に追いつけ!」と号令をかけられるようなもので、これまでに学習していなかった範囲を、2年間で学習しなければならないわけです。
その内容を具体的に示したのが、以下の表です。
現在の小学校3年生の生徒さんが、今後の2年間で学習する、算数の「前倒し」内容だけをまとめたものです。
現在の小3が 学習する内容 (前倒し分= 追加される内容) |
09年度・小4 | 10年度・小5 |
四則計算の結果の見積もり 小数×整数、小数÷整数 そろばん(加法・減法) 面積の単位(a、ha) 直線の平行や垂直 平行四辺形、ひし形、台形 立方体、直方体 直線や平面の平行や垂直 見取り図、展開図 四則計算の性質(整数) 以上、以下、未満 |
約数、倍数 最大公約数、最小公倍数 分数の大きさ、大小の比べ方 異分母分数の加法・減法 分数×整数、分数÷整数 体積の単位(cm3、m3) 立方体及び直方体の体積の求め方 単位量あたりの大きさ 角柱や円柱の見取り図、展開図 |
これを見ていただくと、台形の面積の復活だと、喜んでばかりはおられないようです。
実際、小5で前倒しとなった内容は、当然、小6の内容が中心で、大まかな言い方をすると、「小4・小5の2年間で、現在の小4から小6の3年間の内容を学習する」ことになるからです。
ですから、現在の小4の方が小5のときに学習する先取り内容も、以下のようになっています。
現小3生が小4の時に学習する内容と、現小4生が小5のときに学習する内容は、一部、重なっていますね。
現在の小4が 学習する内容 (前倒し分= 追加される内容) |
09年度・小5 |
同分母分数(仮分数)の加法・減法 ひし形・台形の面積の求め方 多角形、正多角形 図形の合同 立方体、直方体 直線や平面の平行や垂直 見取り図、展開図 |
「脱ゆとり」の実際を検証してみると、この数年間は、ずいぶん大変になるようです。
現在の学校の指導体制の中で、充分に補えるのでしょうか。