蒼のひとりごと

最近、舞台も見に行ってない
来年こそいっぱい見に行くぞ~

ダブル・ファンタジー~小説

2011年09月09日 23時20分19秒 | Book
村山由佳著「ダブル・ファンタジー」を読みました。

最近読書が減っていました。
夏場に旅行、そのあとは仕事のストレスで疲労だったので。

女性作家の小説は評判良くても
なかなか受け付けないものが多いので
この小説を手にした理由は何だったんでしょうね。
官能とかエロスとかそういう帯文句につられてしまったんでしょうか・・・
だいぶストレス溜まっている?

読んでいて、どんどんのめりこんでいったのは、
そんな官能さなんかじゃなくて
そういう最中よりも
それ以外の主人公奈津の心情に共感してしまったことでした。

いい人なんだけど
ちょっとした価値観の相違だったり
ちょっと嫌な思いをさせられたりして
いい人だからこそ、
怒ったりできなくて
いくつもそうやって我慢を繰り返していたら
許せなくなって
どうしても嫌だと思ってしまう。
そんな自分が駄目なんだと思ってしまって
凹んでしまい、気持ちが閉じこもる。
けど、嫌だと思ってしまったら、
今がどんなに幸せな状態だとわかっていても
一緒にはいられない。

傍から見れば安定したいい状態なのに
束縛と感じて不自由に思う。

信用して何もかもさらけ出した人に拒絶される悲しさと怒り

もう離れてしまった人が慣れた様子で寄ってくるウザったさと同情

手に入らないとわかっているから手に入れたい気持ちがわいてきて、
でもそれは本当に欲しかったものじゃなくて、
やっぱり他へ気持ちが動いてしまったり。


主人公奈津は
脚本家という感性が大切で
あこがれの職業なので
奔放に自由に生きることが許される。
自分とはかけ離れてるのに
極々普通の私でも共感してしまった。
今の自分にぴったり寄り添った作品でした。