トライアングル*ダイアリー

風を感じ、光を感じ、耳を澄ませて....

大音は必ず希(まれ)なり。

2009-01-30 13:05:27 | 音の世界 Sound
「大味必淡(大いなる味は必ず淡し)」

すぐれたよい味は、きまってあっさりしている。という意味です。

たしかにそうだなぁ…、なんて思いつつ調べてみると、この文章には続きがありました。

「大味は必ず淡し。大音は必ず希(まれ)なり。大語は叫叫(きょうきょう)たり。大道は低く回(めぐ)る」(大味必淡、大音必希、大語叫叫、大道低回) 
出典は『漢書(かんじょ)』の「揚雄伝(ようゆうでん)」

意味はこんな感じです。

 最上の味はきまって薄味である。
 心にしみる音楽はきまって静かなものである。
 胸をうつ言葉は、遠くからの呼び声のように聞こえる。
 本当に歩むべき道は、遠回りのように見える。

これをNHK「カンゴロンゴ」出演の加藤徹教授(明治大学)が解説してらっしゃいます。
濃厚な味の料理や、大音響の音楽は、一時は好まれるかもしれないが、すぐに飽きられる。 「カンゴロンゴ」(クリックでNHK「カンゴロンゴ」のサイトにとびます)

ライアーは音の静かな楽器です。また、マイクを使わない演奏が好まれます。ライアーの繊細な響きがマイクとスピーカーなどでは再現しきれないからです。
小さな音でもそんなライアーの音が人を惹(ひ)きつけてやまないのは、こまやかな音響の中に、本来の美しさを見出せるからなんだろうと思います。

古池や蛙(かわず)飛込む水の音

閑(しずか)さや岩にしみ入る蝉の声

ライアーからは、この松尾芭蕉の句に通ずる普遍的な音の世界が奏でられるような気がします。

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