9月初旬、裏庭でスズメ蛾の一種のコスズメの幼虫をみつけた。ヤブガラシの葉を食べていた。
緑色にうすい白の模様が柔らかくてやさしげだ。
数日後、今度は、セスジスズメの幼虫をみつけた。
こちらは、少しばかり毒々しい紋のある黒っぽい幼虫。やはりヤブガラシの葉を好むようだ。
背中の筋模様に違いがあるだけの成虫は、どちらも似たかんじの蛾だが、
幼虫の模様は全く違っている。
そしてさらに数日後、今度はキアゲハの幼虫をイタリアンパセリの葉の上に、大中小、3匹みつけた。
スズメ蛾たちの幼虫には尾に角があったが、キアゲハの幼虫にはそれがなく、黄緑色が鮮やかでかわいい。
蝶になったところを見てみたいと思う。
ところが、その数日後、見てしまった。
ぼくが気にかけていたキアゲハの幼虫を、あの デロリ とした姿形のニホントカゲが、ガッツリくわえているところを!
そして、ヤツは5分くらいかけて、キアゲハの幼虫を丸のみにした。
夏が過ぎて遅い時期の幼虫は飛ぶこともなく、というか、さなぎにもなれず、
食物連鎖のうちに消化されてしまうのかと、ちょっと残念に感じた。
9月下旬、うす紫のヤマトシジミが裏庭によく飛来していた。
小さくて取るに足りないようなありふれた蝶だが、注意して見てみると案外にきれいだ。
頼りなげに、地面近くを徘徊するように飛ぶ習性の蝶だが、じっと目で追っていると、
草むらからカナヘビが現れ、蝶に飛びかかった。 結局、捕獲するにはいたらなかったけれど。
羽のあるものも地を這うものも、虫たちの日常は気が抜けないようだ。
*
9月中旬(いや、下旬か)、たしか21日の深夜、三日月の近くに木星が並んでいるのをみた。
そして、昨日も木星近くに欠けた月が見えていた。
シリウスよりも明るく、またたかない星をみつけたら、それはまず木星だと思って間違いないようだ。
確認のために双眼鏡でのぞくと、4個のうち何個かのガリレオ衛星が見える。
公転周期・半径がまちまちで、けっこう速く動く4個の衛星は、毎日見え方は変わるけれど、
4個がまっすぐ並んでいるときは見応えがあって美しい。
オリオン座が空高いころ、その左下方に見える明るい星がシリウス。(青白い光)
そこからさらに少し離れた左の方に見える、かすかに赤味~黄色みを帯び、シリウスよりも僅かに明るい星が木星。
そのほかの楽しみは、プレアデス星団(スバル)。
アンドロメダ大星雲。(カシオペアを起点にして、双眼鏡で探すと見つけられる)
アンドロメダを双眼鏡で見たところで、天体写真で見るような紅い渦巻は見えるはずもなく、
せいぜい、飛蚊症の視野に映るような、うっすら白い雲がみえるに過ぎないけれど、
見つけたときにはなんだか嬉しいものだ。
(向こうからも誰かがこちらの銀河を見ているかもしれない)
・・さきほど、04時20分ころ、庭に出て空を眺めてみたら、やはり、今日も月と木星が並んでいる。(上写真)
そしてなんと、 木星を双眼鏡で確認してみると、ガリレオ衛星が 4個 並んでいる!
木星の上方に3個、下方に1個、 ほぼ均等の距離で一直線に。
(明日にはもうこの配置では見られない。)
*
というわけで、この頃ぼくは、ごく近くのものと、はるか遠くのものしか見ていないことにさきほど思い当たったのだが、
そこで、あることを思い出した。話はそれるけれど。
ルネサンス期のある画家の絵に見られる空間表現について。
ある絵においては、その前景の人物から、急転して後景が現れるものがある。
前景と後景の連絡があやふやというか、中景が判然としないというか。
これは、どこか高い場所(高台、山)に人物を配置したときの視覚によるものだろうか。
絵に登場する人物の内面を表すある心理を象徴する背景としての遠景だと考えれば、
この様式・手法は妥当なのだろうと納得できるけれど、なんだか妙な感じがする・・
とまあ、それだけの大雑把な話なんだけど。