『よしなしごと』

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

心の宝箱【うまい人は下手な者のミスなど気にしない】

2024-09-05 14:43:22 | 心の宝箱


『近いはずの人』小野寺史宜02(講談社2016/2/16)

33歳の北野俊英は同い年の妻を事故で喪い、3ヵ月心が動かない。北野は亡き妻の鍵のかかった携帯電話に
4ケタの数字を順番に打ち込むだけの毎日を過ごしていたが、ロックの解けた携帯には妻の秘密が残されていた。
4年間を一緒に過ごした妻のことを何も知らなかったのかもしれない。喪ってから始まる妻の姿を追いかける物語。
『後退の九月』『懐胎の十月』『携帯の十一月』『重体の十二月』『倦怠の一月』『招待の二月』『敵対の三月』
『停滞の四月』『忍耐の五月』『進退の六月』


・何かが存在するかしないかは、場所をとるかとらないかだけの話ではない P17

・身近にいた人が亡くなった瞬間を感じられなかったことで、残された者の痛みは増す。
何も知らずにその瞬間をのうのうと生きていた自分の姿を想像せずにはいられない P27

・子供は人を変える(略)
自ら変わろうとしても変われない。
だが環境が変わればあっけなく変わってしまう。
それは変化ではなく、変化の末の順応かもしれない(略)
子どもが変化のきっかけになり得ることは確かだ P38

・自分のことならたまらない。そう感じるからこそ、人を悼めるのだ P134

・かわいい子って、
すんなりきれいに変われるか、ただかわいくなくなっちゃうかの、どちらかだ P147

*病気など特別な事情がないのに一ヵ月以上性交渉のないカップルをセックスレスと定義する P188

・一度結婚した相手を忘れるわけがない P198

・長く一緒にいれば、夫婦はお互いのことを理解するようになるものなのだろうか P210

・「許してはいないわよ。受け入れただけ」
許してはいない。言葉がすんなり入ってくる。収まるべきところに収まる(略)
人にはいろいろな事情がある。知っておいていた方がいいものもあるし、知らなくていいものもある。
知るべきかどうかは、人同士の関係性によって変わる。
そして人は、知っている情報だけで、充分、振りまわされることができる P212

・がんばってよ、ではなく、がんばろうよ P222

・何かが起こる。起こらない。その分岐点はおそらく大げさなものではない(略)
そこが分岐点であることに気づきさえしない場合もあるだろ。
通り過ぎてから気づく場合もあるだろう P247

・うまい人は下手な者のミスなど気にしない P263

・大変なのが当たり前になったよ。
ということは、もう大変じゃないのかもしれない P275





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