家具職人日記

家具職人の家具作品の紹介と日々の出来事

夢見る建物

2007年05月27日 | 建築
先日白浜にぶらっと出かけた際にホテル川久を見学してきました。事前情報無しで行ったのですがそれだけに余計衝撃的でした。

ホームページに

夢見る建物、空想のお城

とあるように入り口では“空飛ぶ兎”が迎えてくれます。




このロビーがすんごいです。天井は全て金箔。しかもフランスの職人さんが貼ったそうです。
柱は大理石のように見えますが、なんと左官。かの有名な久住章氏によるもの。

制作費1本1億円! ロビーには計24本。




床はローマンモザイクタイル(約1cm角のモザイク)が埋め込まれています。
こちらはイタリアの職人さんによるものだそうで。



時代背景もあってか“やりたい放題劇場”といった感じ。これは一見の価値ありです。
今回は中に入ってみただけですが、今度はぜひ泊まってみたいです。

体育館+宇宙船=

2007年03月11日 | 建築


体育館と宇宙船をたすとこんな感じになるんじゃないだろうか。
そう思わせるような香川県立体育館(設計/丹下健三氏)。
かなり衝撃的な建物でした。






宇宙船に乗った事はないけれど、内部も宇宙船のようだ。
本当に舟形になっているのがすごい。
見学しながら
「おーーー」
「すっげーな」の連発。
今考えても空想の建物のように思える。

中では普通にハンドボールの県大会が行われていた。
小中高とこのマイナーなスポーツに明け暮れた僕にとっては
何とも懐かしい光景でした。




美術館×2@香川

2007年02月22日 | 建築


もう先月の話ですが、香川へぶらっと旅行に行ってきました。とはいってもいきなりの旅行だったのでイサムノグチの庭園美術館も地中美術館を含む直島にも行ってないのですが。でも見所十分でした。
香川に着いてまず訪れたのが猪熊弦一郎現代美術館。一瞬聞き覚えのある名前のような気がしますが、柔道家じゃないですよ。
猪熊画伯の推薦により谷口吉生氏が設計を担当しているそうです。
実際にみた時には白い壁はさすがに人工大理石だろうと思ったんですが、ホームページによると縦12m、横22mのギリシャ産白大理石だそうです。近くでよく見ると白の大理石を切り抜いてそこに黒い大理石をはめ込む事で絵が描かれているのが分かる。それで筆の細かいタッチまで表現できているから驚きだ。
僕は正直この建物が見たくて来たのだが、猪熊画伯の絵に感動を受けすっかり長居してしまいました。



翌日訪れたのが東山魁夷せとうち美術館。同じく谷口吉生氏の設計。こちらはこじんまりとした感じで落ち着いて見れる美術館でした。まさに瀬戸内海に隣接して建っているのだが、その海の色が東山魁夷の絵の色と同じで感動的。ただそんな事を味わっている場合じゃないくらいもの凄い風でしたが。

前川國男建築@弘前3

2007年01月22日 | 建築
随分間があきましたが、青森旅行の続き。自らの記録的意味合いが強いですが・・



弘前公園内の弘前市民会館に隣接する1976年竣工の弘前市立博物館。これまでに見てきた建築に比べると随分と小振りになっています。



文化庁の指導で公園内の樹木を1本も切ってはいけなかったそうだが、この部分ほんとギリギリです。



弘前市立博物館とよく似ていますが、こちらは「弘前市緑の相談所」
1980年の竣工。前川建築では珍しく傾斜の屋根が用いられています。



2つの建築に共通して用いられている「打ち込みタイル」タイルの穴を覗き込むとボルトが見えました。パズルのようにタイルが組まれています。
あらかじめ型枠にタイルを先付けし、その後で鉄筋を組んで型枠をたて、コンクリートを流し込む手順で出来上がるそうです。うーん、素人には想像が難しい。







弘前市民会館

2006年12月22日 | 建築
もうしばらく前川國男建築のネタが続きます。次は1964年竣工の弘前市民会館です。僕個人的には今回弘前で見た中で一番好きな建物です。




1枚目が事務所や会議室、カフェなどがある管理棟の内部の写真です。2枚目はその場所を正反対の外から見た写真。京都会館では外壁に特注のタイルが使われましたが、こちらは全てコンクリート打放し。外観は非常に立体的でまるで彫刻のようです。





3枚目は管理棟とホールをつなぐピロティ部分。そのまま進んでホールに入ると4枚目の写真ということになります。実際にホール内部に入る事は出来ませんでしたが。
天井は群青色に塗られ、同じ高さでホール内部へとつながっています。この群青色はよく使われていますが、「日本の夜明けの色」を現しているらしいです。ちなみにホールに入って正面に見える赤は「人を楽しく高揚させる色」だそうです。前川國男の建築を見ていく中でこの色使いはとても印象的でしかも新鮮でした。






京都会館へ

2006年12月21日 | 建築
一旦弘前からは離れまして、京都会館について書きます。竣工の年代順にしようと思いまして。
竣工は1960年、弘前市庁舎の2年後です。2003年に、近代建築の記録と保存を提唱する国際組織である、DOCOMOMOの日本支部と日本建築学会によって、日本を代表する近代建築「DOCOMOMO100選」に選定されています。

最初の写真は道路と中庭をつなぐピロティ部分です。僕にとってこの感覚は新鮮で、中庭へとつながる爽快感を感じました。そして単純にかっこいい。




弘前市庁舎と同様に大きな庇が設けられています。上はバルコニーとなっており建物全体をつないでいます。



階段脇の手すり部分。バルコニーなど全体を通してこのディテールが使われています。どうしてもこうしたいんだっていう強い意志が感じられます。これってやっぱりこういう型枠を作ってコンクリートを流し込んで作るんでしょうか??



外壁には弘前市庁舎でレンガが使われていたのに対し、京都会館では特注の焼物タイルが使われています。ゴツゴツとした重厚な感じです。これが後に打ち込み式タイルへと発展していきます。


ところで現在前川國男生誕100年の建築展が京都造形芸術大学で行われています。先日行って来たのですが、詳細な模型が数多く展示されており大変よかったです。24日までです。

前川國男建築@弘前2

2006年12月20日 | 建築
続いて訪れたのは弘前市庁舎です。1958年の竣工なので前回の木村産業研究所からは随分と年月が経っています。日本の気候を考慮し大きな庇がもうけられ、外壁には特注のレンガブロックが使われています。残念ながら訪れたのが日曜日とあって中には入る事が出来ず、外からのみの見学となりました。



正面玄関の上部が群青色に塗られています。これは風格ある落ち着いた外観の建物に市民が気軽に出入りしやすいようにとの配慮らしいです。おしゃれー

前川國男建築@弘前

2006年12月16日 | 建築
弘前に着くとなんとか雪もおさまり観光ができる天気に。当初こんなにも建築を見て回る予定ではなかったのですが、行きたいところを回ると結局2日目は前川建築見学ツアーに。
最初に訪れたのは前川國男のデビュー作「木村産業研究所」。近代建築の原点となる代表作として2004年に国の登録有形文化財に登録された建物です。



カーナビで調べて行ったのですんなりたどり着けましたが、住宅街のなぜこんなところにあるんだって思うような所にあります。1932年の竣工ですから当時はもの凄いインパクトだったんでしょう。当時前川國男27歳。今の僕と同じ歳です。
手持ちの雑誌にある竣工当時の写真と比べるとかなり手が加えられている事がわかります。一番大きいのは入り口の上部にあったバルコニーが取り壊され鉄格子が取り付けられている点。あとは横長だったスチールサッシュも取り替えられています。




エントランスから上を見上げると天井が真っ赤に塗られている。おしゃれー。




裏手に回るとかなり老朽化が進んでいる様子。そりゃ築75年位経ってるんだもんな。

冬の青森へ2

2006年12月13日 | 建築
青森県立美術館を見学し終わるともう1時過ぎ。すっかり疲れてしまって、お腹もすいたので郷土料理でも食べて一休みしようという事でやって来たのが青森県観光物産館、通称アスパム



遠目に見ててなにやらおかしな建物があるなーと思ってはいたものの、近くで見てびっくり。絶句。
これって横から見たらどうなってるんだろうという期待とともに駐車場へ。




正直笑ってしまいました。ある意味すごいです。
後日調べてみると、地上15階、高さ76メートルの正三角形らしいです。
でこの三角形ってのはAOMORIのAと青森の地形(大間・岩崎・八戸を結ぶ三角形)、また伸びゆくイメージを表しているんだそうです。うーーーん・・・
オープンしたのが昭和61年。そういう時代だったんでしょう


冬の青森へ

2006年12月12日 | 建築
先週末に青森に出かけて来ました。青森県立美術館をメインに前川國男建築探訪などなどの1泊2日です。



12月9日
朝6時に家を出て伊丹空港へ。京都はあいにくの雨だったが、飛行機に乗り雲を抜けるとご覧の風景。久しぶりの旅行にテンションも上がってきました。





青森上空。眼下には雪景色が広がっています。大阪に比べ気温が10度近く低く、日中でも2度くらい。それにしても朝6時に家を出て、9時半には青森に着くんだからやっぱり飛行機って便利。




空港到着後は予約しておいたレンタカーでいきなりメインの青森県立美術館へ。当初なにもこんな寒い時に青森に行かなくても、と思っていたが美術館についてみると雪が積もっている時に来た事が正解だと分かった。辺り一面雪で真っ白になった中に真っ白の美術館。なかなかのインパクト。




写真手前が入り口。屋根のカーブと同じように雪が積もっている。



外壁はレンガが白く塗装されている。電飾はAOMORIのAと木のイメージから作られているらしい。閉館後6時頃にライトアップされているところを見ようとやって来たのだが電気はついていなかった。残念。内部は撮影不可なので写真はここまで。
感想としてはまず広い。展示室はB1とB2にあるのだが迷子になりそう。展示を見ながら気ままに歩いていると全く見ていない展示室ができてしまう。本気で地図が必要な感じ。B1から1Fに上がろうと思っても一度B2に降りないと行けないなんてことも。
そして人が少なかった。あまり地元に受け入れられないないのだろうか