緑陰の小屋

主に、恋愛ゲームの二次創作をゆったりと書いています。

日記枠『ささめごと』(5)。萌えた品関連のCDや本の語りと、SRXの短文。

2011年02月27日 | 語り
呟きや感想などに挟む形で、ヒジリ視点の捏造話を書き上げました。


◆  一月二十六日・プレイ近況  ◆


二つ、新作のゲームを購入済みにも拘わらず、の三周目に突入。
どうやら、自覚していた以上にこの作品が好きみたいです。特に主人公。
初周でエリィ、二周目でティオと絆を深めたので、今回は残るランディを優先。

未獲得の実績は、三つのみ。戦闘の難易度ナイトメアでコンプ予定。


◆  二月三日・ヒジリの賛歌  ◆


切なく濡れた歌詞にしんみりしてしまうのは、設定故でしょうか。
前回の歌でも一部、今回も一部、涙ぐんで叫ぶ感じに聞こえました。

SRXキャラソン、トップバッター。ヒジリの『咎塗れのKyrie』を少し前に入手。
大まかな中身の内訳は、歌が長め。トラックが6分50秒、実質、歌は6分40秒。
全体で30分強のCDなので、歌詞抜きの曲と合わせると、半分弱を咎塗れが専有。
残りが、ドラマ二つと声優さんインタビュー。オチャヅケの登場も多くて嬉しい^^

感想。買って本当によかったです。ヒジリの魂が全開、と。しみじみ。

前のカズキのセリフを引用すると『ソウルフル』『意外に純でピュア』。
濃密に迫る一方、恥じらう可愛さ。反面、記憶が滲ませる痛さ。その融合。

カズキと組む『彷徨える~』よりも、キャラ単体の心を浮き彫りにしています。
特筆すべき、聴き惚れたポイントは……『何度でも』から続く、絶叫。痺れました。
後、終幕に近づいた『気が触れるほどの』から、急に演奏リズムが速く烈しくなる点。
あぁ……確かに狂って、と惹き込まれ、高揚したまま歌のピリオドを迎えました。

第一弾CDとして、SRXファンの心をかなり掴める品だ、と思います。

ドラマも、原作にはないちびヒジリの体験が細かく明かされ、大収穫。
昔のアキラを語れるのは、同年代だと彼(……と、後一人)だけですよね。
学園祭配布のゼノンSSと合わせ、妄想を活性化させられる内容でした。満足^^


◆  二月五日・惹かれる品々  ◆


ネットを回ると、かなりの数の乙女ゲームの情報が拾えますね。
狭く深く、を好む私ですが……面白そうな設定を知ると、つい目移り。

三国恋戦記~オトメの兵法!~
アルカナ・ファミリア
BROTHERS CONFLICT

どれも楽しみな中、特にBCは、今からSSを書きたい欲が沸々。
理由は、原作(小説&漫画コラボ)一巻に衝撃(笑)を受けた為です。

この書籍をもう買われた方は少ないと思いますので、まずは、ネタのご紹介。
父親が再婚して、いきなり十二人(ゲームでは十一人)の兄弟が出来た主人公。
一巻では、兄弟と暮らし始めたヒロインが、少しずつ慣れるまでの姿が描かれます。
三十一歳から、十歳まで。誰かはプレイヤーの好むタイプに適うだろう男性陣。

かくいう私も、公式で初めて見た日から、格別気になる兄弟が一人。

今までに萌えた傾向と照らし、嵌るとすれば彼だろうな、と注目して。
興味が湧き、珍しく、ゲームの発売前にその原作本を購入してみました。

読み終えた感想を一言で書くと、面白かった、です。予想よりも楽しめました。
小説か漫画の片方、ではない、挿絵が大半を占める小説、といった構成も新鮮。
元々、情報を欲したきっかけもキャラだったので、顔や動きを色々拝める点は魅力。
兄弟の出番も、別居のなつめを除き、偏りつつも特徴を覚える程度には登場。

ただ。残念ながら、問題(私的には)と感じてしまう描写もありました。

ゲームに期待を寄せる女として、以下、少しその点に触れてみます。
他作の感想やレポも続く事を考慮し、白字化。読んで下さる方は反転を。

BC本では、兄弟から主人公(稀に兄弟間)のスキンシップも、多くあります。
抱擁は勿論、頬や手への接吻も、一巻収録の四話までで何度か見掛けました。
それだけなら特に問題もなく、戯れ合っている兄弟間も、微笑ましく思うレベルです。
でも。問題は三話。某キャラが、恋未満の主人公に『接吻』する展開がある事。

彼女の許可を得る気配も、ありません。目立つカラーページで接吻。

このシーンが、他の子と結ばせたい方の『評価』を、明確に分けそう。
私も、最初に読んだ時は『原作の序盤で……?』と、少々眉が……(笑)。
飼い主に隙が多くて身悶えるジュリに、力一杯、頷いてしまいました。

せめて『いい?』『はい』だったら兎も角、独断で奪われた乙女の唇。

乙女ゲームの漫画で、好意の発生以前の接吻はまずなかった……ような?
勿論、BCはゲームじゃなく書籍こそが原作。枠に括るのは違うかもしれません。
けれど。私のように『他の誰かと主人公を一途に進展させたい』者に、アレはきつい。
しかも、作画さんは『二回させたかったけど抑えた』との事で、また? と不安。

一番惹かれた人じゃないから、というのは、どうも理由じゃない模様。
むしろ、彼がこの時点で接吻けるキャラだったら、興味を失っていました。
可愛い子の(初めてかもしれない)接吻を、同意なく貰う事実が理由。

ただ。では、ヒロインが一方的被害者なのか、と考えると微妙に違う。
彼女は、余りにも無防備で、兄弟だけ責められない行動を取るからです。

嵌る上で最大のネックになり得るのは、ジュリも叱りつける主人公の『意識』。
独り暮らしが長過ぎた為か、兎も角、総じて、兄弟を『男』と警戒する様子がなし。
一番ツッコんだのは湯上り。見られるかもしれないのに、バスタオルでうろうろ(笑)。
案の定、同じ階に入った某兄弟に赤面されるのですが、主人公は殆ど照れず。

あれで、男性側の欲が煽られなければ、むしろおかしい位かと(笑)。

だからといって、接吻、は流石に傲慢だと思いますし。評は、難しい。
ゲームの私的印象は、感じ取れるヒロインの描写が変わるか、も鍵かも。

原作の品は、今も雑誌に連載中との事。食指が動かれた方は是非。
少し痛い目(笑)に遭っても、内容は追いたいし次も、と思う面白さでした。
兄弟の接吻も含まれる可能性込みで、OKな方には、お勧めします。

以上。多少辛くは書いても、ゲーム発売は楽しみ。薄れていません。

上で挙げた『格別』に惹かれる子が、何故か凄く気になるんですよね。
原作で、第一印象とは違うタイプだとわかったんですけど、やっぱり一位。
実際のゲームで出会う前に、彼と主人公とのSSを書きたくなる位、好みです^^


◆  二月十三日・SRXの謎  ◆


ヒジリCDに影響されてか、妄想熱が水面下でじんわり温まり中。
書いている短文は零(本日完成^^)でも、彼是想うのはSRX、という。

実は、プレイ中から『一体何を?』と気になって仕方ない遣り取りがあります。
海岸でエピフォンと話すヒジリから、タクト・ヨウスケ・ユゥジが情報を得るシーン。
あの直後、章が変わってしまう関係か、彼等の会話は一切描かれないんですよね。
ただ、その後のタクトの軟化などで『想像は可能』というレベルに留まるのみで。

徐々に得られるFDの情報によれば、あの近辺のIS達も扱われそう。

となると、あれを掘り下げて頂けるかも、と期待が募るのも事実。
反面。今の内に、私なりの解釈で綴ってみたい欲も少なからず発生。

公式で(もしかすると)発表され得る『本物』とは異なる、ヒジリと三人。
『こんな事を話した可能性もあったかもしれない』という場面を、書きたい。
遙か5の発売まで新枠を作らない予定の為、こちらの枠で、ちょこちょこっと。


◆  二月十四日・バレンタイン  ◆


製菓会社の策略、はさておき。チョコが一年で最も移動(?)する日。

かくいう私も、値段分の美味で安心の贔屓メーカーで、数箱買ってみました。
綺麗に並ぶ大粒を見ていると、摘んでヒロインに食べさせるキャラ、が脳を占拠。
男性自ら食べるシチュも好きですが、女性の口に入れてあげる姿は更に好きです。
この嗜好は、ヨウスケに嵌り増長されました。ボルシチやマンゴー。至福(笑)。

特にマンゴー(FB)は、彼が如何に『心』を許したかが判明、の直後。

あの語りの後でこの微笑ましさが続くか、という相乗で、惹かれます。
カレンダーで本人も言う通り、アキラの食事=彼の安心なんだろうな、と。
チョコの連想で、甲斐甲斐しく世話して喜ぶヨウスケを想い、萌える私でした^^


◆  ヒジリ視点・前代の回想込み  ◆


作中時期は、七章終盤。怪しい言動も多い編入生とタクト達の応酬。
学園祭で配布されたSRXX(ゼノン)や、咎塗れCD、FBからも引用あり。
第五に纏わる描写は、非公式。妄想の脚色という点をご了承下さい。

人様ならどう組み立てるか、も是非拝読してみたいシーン。


『無月クンは、気持ちを喋るの極端に苦手だねぇ』

そう揶揄して、俯くオレの顔を覗き込んだのは、第五の《フィア》。
懐かしい先輩の姿が、急に頭を占めちまうような感覚。慣れっこ、だ。

オレにとっては、アキラの次に大切だった皆。変則の『家族』のようなもの。
一番ちっこい新参者の癖に、無口で、全然馴染めないオレを可愛がってくれた。
LAGの人間でもなく、出自も知れず、いきなりライダーに選ばれた孤児を。

知識も皆無。即戦力になる訳がないオレの、教師、にもなってくれた。
必要性を嫌って程感じて、我武者羅に学ぶガキに代わる代わる。

『適応力は高い。呑み込みも早いですね、ヒジリ』

教え甲斐がある、とか。飴を与えつつのスパルタ。

今なら丸投げしちまいたくなる質と量でも、嬉しかった。
メインスタンスに相応しく、育ちたくて。端から貪って覚えた。

頭や身体を鍛え捲れたのは、強烈な『目標』のお陰だ。
オレの手で、好きな『女』を守る。それだけが唯一。

『……まだ、いける。次』

背伸びするガキに、皆もつき合いがよかった。

『今日のノルマだ。これを、完璧に覚えて貰う』
『だ~いじょうぶ♪ 息抜き用の本も買っといたっ!』

第五の《マスター》に倣って、勉強から雑学まで毎日伝授。
余裕がないオレの視野を広げようと、遊んでもくれて。

『ほら、行くぞ? ヒジリ』

奴等の『世話焼き』が、今のオレの基盤を作った。

『無愛想なお前の面倒を見てやれるのは、僕達位だろう』
『全くだ。口を開いたかと思うとつっけんどんだし。俺を見習え』
『え。キミ見習っても、なんか珍妙な方向に育ちそうな……あうっ!』

ぱこん。オレを挟んでどつき合う奴等の記憶は、痛い程、オレに甘い。

修業を積めよ、若人。そう、でかい手でオレの髪をがしがし掻き回したのっぽ。
何かしら棘を混ぜずにはいられねぇ、けど最終的には手を貸してくれる、皮肉屋。
第五の誰より、アキラよりチビだった……人の器って意味でも……オレの、仲間達。
根気強く、協調性も何もないオレの殻を破って、身内の暖かさを教えてくれた。

今も、すげぇ感謝してる。尊敬してる。ずたぼろの心を支えた思い出。
死んじまった奴等や、空っぽのオレを満たした『教官』との日々。

『ヒジリくん、私を呼んでくれた?』

記憶の中で、一番鮮明なのは勿論……アキラだ。
今と同じ顔。同じ年。髪型と呼び方だけ、違う。

『………………マスター』
『嬉しくてね、走って来ちゃった!』

仏頂面を崩せないオレを、照らした笑顔。
大好きで、直に見るのも躊躇う位のイイ表情。

『吉兆だ、って。皆も、喜んでたよ』

傍まで来て貰えて幸せでも、まともに喋れねぇガキに。
第五全員の親愛なる《マスター》は、懐っこく笑ってくれた。

『出来たんだね? あなたの心の歌。凄く楽しみだったの』
『……アンタが望むから、歌ってやる。けど、聴いてけなすなよ』
『受け止める、って約束する。ヒジリくんの想い、だもの。大事に聴く』

そう言って、やんわり促す女に捧げた、歌が……初めての歌だった。

適当な曲。ただ、声はよく伸びた。歌の終えどころを逃しちまう位、自然に。
小難しい詞なんて浮かばねぇから。言葉より、音に、オレの感情を全部注いだ。
話せなくて蹲るオレに、心が溢れた時は歌って、と導いた女と、皆を想う歌。

気づけば、第五、ギブソン以外のサブ達まで周りを囲んでたあの日。
興奮する仲間に揉みくちゃで褒められた歌が、オレを解放して。

喋れるようになったチビは、前以上に皆と打ち解けた。

『出し惜しみするな。一曲所望する』

理性の塊が多い青で、感性に恵まれたライダー。
軟化し始めたガキの歌は、奴等の心を掴んだらしい。

第六みたいなバンドは組まなかったけど、歌好きは多くて。
訓練の間とか、寛がせろ~、ってリクエストされたっけ。

『休みたいっつ~の。やだ』

内心じゃ乗り気でも、渋ってみせれば。途端。

『鶴の一声が必要ですね? 彼女も、ここに呼びましょう』
『……っ! おい……』
『私も聴きたいですし。君を動かすにはマスターの熱意が一番です』

唯一の『弱点』……仲間にとっても、最大の……攻撃で、従う羽目に。

結局。呼べばいそいそ聴きに来てくれる教官の為に、オレは、歌を迸らせた。
アキラと、オレを懐かせてくれる頼もしい第五が、弱いみなし子の『世界』の輝き。
限界まで鍛える訓練はきつくても、強く支えてくれる皆のお陰で、すげぇ楽しかった。
まさか、の全滅で……暗黒に呑まれちまうまでの……愛しく、光ってた思い出。

幾ら、願っても。もう増やせねぇんだ。皆、オレを残して逝っちまった。
独りだけ、生きててくれた女は……私を知ってるの、とか言うし?

繊細な元ガキの『心』は、前と違う意味で傷だらけ。

「……(……けど……)」

オレの宝。少しも磨り減らさず、大切にしたい記憶。
他の奴なんざ、退けたい。庇いたい。削られねぇように。

「……はあぁぁ(……無理だよな)」

それでも。アイツの為なら、何でも……する。

『諦め』の息を、でかく吐いて。寄って来た三人を睨む。
折角、エピフォンと仲良しこよし、絆を深めてたっつ~のに。

「ヤロウに興味をお持ちになられても、嬉しくねぇんだけど」
「キミ個人にじゃない。僕達が知りたいのは、キミが隠す情報だ」
「達、ね……他も同じ考えなワケ? ってか何これ。新人いびりかよ」

多勢に無勢じゃん。左右のヨウスケとユゥジに視線を流して、皮肉る。

「独りじゃ引き出せなかったから、援軍呼んだ? ボーカルさん知恵者~」
「彼等も知るべきと考えての事だ。キミは……履歴からして不審過ぎるからな」
「まぁな。電撃的にレゾナンスとかしちゃった、モテ男くん。そりゃ怪しいわ」

のらりくらりと、躱す事も出来た。所詮力尽くで吐かせるなんざ無理。
教官の手前もある。もう『仲間』の新入りをボコれば、後が大変。

何より。タクトは兎も角、ヨウスケとユゥジには棘がねぇし。

「……ヒジリ」

いっそ力に訴えられたら、貝にもなれた。
けど。上手く物事は進まねぇのが、世の常だ。

「俺は、タクト程、難しくは考えられない」

頭が良くないからな。そう横から淡々と喋った奴の、眼。
どこか、第五に通じる雰囲気。厄介なのはむしろこのタイプ。

「ヒジリが話したくないなら、それは自由だと思う。ただ……」
「……って、思わせ振りに切って止めないでくんね? 何だよ?」
「タクトが知りたがってる何かが、アキラの為になるなら。話してくれ」

そう、手強くも『核心』を突く男に……オレは、思わず反応しちまった。

「……ここで、アイツの名前を出すんだ? 随分と愛されちゃったもんだよな」
「大切って意味なら、そこは否定しない。ISは全員、教官を大事に想ってるから。
 そのアキラが、今回の幹部級の襲撃で助かったのは、ヒジリもいてくれたお陰だ。
 お前が守ってくれなければ、俺達が駆けつけても、今頃……そう思うと怖い」

まだ、知り合ってちょっとでも。第六の奴のキャラは大方把握してる。
コイツは、だんまりの癖に、好きなネタについてだけ多弁なんだ。

「あいつがどこにいる時も、皆で守ってやりたい」

おまけに、喋るの苦手とか嘯きながら、結構ずばずば。

「……(照れもしないし、すげぇよ)」
「だから。レゾナンス出来るヒジリは、凄く、いい」

助け合える仲間は歓迎だ。そんな事を、真っ直ぐ言う。
タクトが鞭なら、ヨウスケは飴か。妙なところだけ『幼馴染』。

「……そりゃ、どうも(バランス取れてる)」

騙そうともしないで、がんがん『自分』をぶつけるから。
こっちも、面白くなっちまって。上手く躱せねぇ深みに嵌る。

「俺が信じてるお前に秘密を預けて貰えれば、嬉しいしな」
「……口説くし。なら、ユゥジは? この質問タイムをどう捌く?」
「そうだな。俺は、タクトにこうも拘らせる『勘』が、正直気になってる」

珍しい事態なんだぜ、とか。初顔合わせより砕けた表情の、最年長。

「理論家のこいつを、説明し切れず戸惑わせる『何か』が、ヒジリにはある。
 俺はタクトのリーダー性に一目置いてるし、こいつの直感も買いたいんだよ。
 実際、何の根拠もなく……って訳でもない。確かめときたいのは俺もだ」

胸倉を掴んで怒鳴った時の剣幕が抜けた、完全に兄貴の声。気配。
端から受け入れるヨウスケとも違う。認める事で、深く広がる懐。

「……(……ったく。思い出すな)」

LAGに初めて入れて貰った頃と、近いモンがある。
尖って縮こまるチビの混入と、その世話で揺れた『輪』。

突然の異分子を、それでも馴染ませてくれた第五。

「オレの……知ってる事、ね……」

一言。呟いて、考えるオレに……誰の茶々もない。
短気に促しそうなタクトですら、勘が働いてか、無言だ。

「ちなみに? オレがどんなトンデモ話をしても、信じる?」
「態度による。例えば……ギブソンのメインはキミ、という件か」
「あり。所属は読まれてっか。ま、ファイルの処理が雑だったしな~」

何気なく向けられた水を、オレは余裕で流す。肝はソコじゃねぇ。
コイツ位粘って調べれば、この『先輩』の過去なんざ量れる。

ふと。試してみたくなった理由は……恐らく『弱さ』。

「オマエの言う通り。オレって先輩なのよ」

四年過ぎても、強烈なままの痛み。誰か。聞いて。

「先輩?……第五か。俺達が入る前に全滅したっていう」
「そ。生徒でもないのに見込まれて。結構、教育も受けたワケ」

初めての『情』を、木っ端微塵にされた戦い。皆の、アキラの、最期。

「パネェ位に素養を伸ばされたし? 知識もオマエより豊富な自信あるぜ」
「ふん……単純な履歴、が目玉ではないらしい。キミ曰くのトンデモとは何だ?」
「……タクト。ヨウスケに、ユゥジもさ。オマエらに……止められんのか?」

苦い。顔が歪む。今、どんな顔をしてんのか、絶対鏡じゃ見たくねぇ。
ウリはチャラさだってのに。まさか、泣きそうなガキ面? うっわ。

三人の気が真剣に引き締まったの、オレの所為かね。

「……第五の《マスター》の死と、転生を」

暗く、落とした声は、オレ自身が意識する以上に切実。

「青と紅の狂った調和。飼い殺される魂のリフレインを」
「……待て……マスター?……ヒジリ、キミが指すのは……」
「旅に逃げた生ける屍が、戻ったワケは唯一つ。今度こそ守る為だ」

戦う理由も。人として息をし続ける根本の動機さえ、独占中のアイツ。

「麻黄アキラ。第六の教官は……記憶を失った、第五の教官なんだよ……」


◆  二月十五日・零コンプリート  ◆


昨夜、漸く全実績獲得。釣り手帳の品名の『?』も残らず消え、満足。

UMD三枚分の空とは違う意味で、今は『終わった!』と感動に浸っています。
個別が多い品なら兎も角、話の筋が同じ品(絆イベだけ変化)を何周も、は久々。
P3P(結末に至る切なさも大好き)は、女主、男主、女主の半ばで他に移りましたし。
でも。三周もした今も、何故か、飽きていません。主人公に抱く好感は空以上。

多分、秀逸な内容は勿論、味方が悉く素敵だった点が私的ポイント。

私が扱うと女殺し度が突出してしまう(笑)ロイドが、原作を纏める要。
特務支援課の皆を感化し、痛みを包み込む、お人好しで真摯なリーダー。
未プレイの方々も、是非、空から買ってみて下さい。BGMも良作揃いですよ^^


◆  二月十五日・SRX再プレイ  ◆


零終了を受け、短文の下地用に、色々とデータを確かめ始めました。

改めて感じるのは、SRXは随所で笑える話だったという事。主にタクト(笑)。
ハコダテまであの弾けっぷりで、以降、逆に突き抜けてしまう、実に忙しい御方。
確かに笑えるのに、その『先』を知っているから、辛く。複雑な後味で噴き出す本日。
もう、何度も語っていますけど……ほぼ全ルートでアレ、はやっぱり……(悶)。

取り敢えず、しんみり具合は横に置き、台詞と口調をチェックする私。

ヒジリの挑発的な声、タクトの警戒、場の空気などを吸収しています。
プレイ中は(未知の文章に進もうと)急ぎがちですが、今は発音もじっくり。
声優さんの演技。凄い、と感心させられますね。『プロだから』を超えて、凄い。


◆  二月二十四日・遙か5購入  ◆


発表当時『買わないかも』と考えていた品。結局、TBを予約(笑)。
『ヒロインが命を削る』設定への興味が抑え切れず、堂々従いました。

歴史に疎く、幕末関連の知識は稀にテレビや本で拾い読みする程度の筆者。
キャラの名前は、クイズ番組(この間の『Qさま!』での小松とか)で見掛けます。
果たして、派閥や事件について真っ白に近い女でも、エピソードを堪能出来るのか。
不安でもあり、理解し易い説明を挿入して貰えるか、楽しみでもある本日です。

ただ、個人的に一番注目するのは、歴史の扱いよりも『ゆきの性格』。

主人公に好感は持てたか? 言動への違和感は? で評価は激変。
前作では、選択肢の中に『選びたい項がない』と迷うシーンもあったので。
プレイヤーの望みに適う形で、ヒロイン像を心地好く吸収出来るといいなぁ、と。

4 コメント

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素晴らしいです!! (トトロ)
2011-02-16 06:20:00
はじめまして。遥時3のヒノエ×望美の小説を検索しながら読み歩いていたらこちらにお邪魔していました。いっきに読ませて頂きましたがどれもとっても面白く、文章の流れ、セリフ回しがうっとりす
るほどセンスの良さを感じます。さらに金色のコルダの柚木×日野もいいですね!!是非ともまたヒノエ×望美、柚木×日野の甘めを書いていただきたいです。私は現在結婚して海外在住なのでsmall-forestさんのこうした小説が読むのを楽しみにしております。また結婚前は某編集部で仕事をしておりましたので、プロの作家並みの文章力に驚きもしました。これからも素敵な小説を綴ってくださるのを楽しみさせていただきますね。
いらっしゃいませ! (ゆきね)
2011-02-18 16:35:04
こんにちは、トトロさん。この度は誠にありがとうございます。ゆきねです。

びっくりする程勿体ない素敵コメントをお送り頂けて、舞い上がりました。嬉しい。
しかも海外在住! 思わず、瞬きして打たれた文を確認し直して、二度びっくり(笑)。
里帰りをなさったのでしょうか。それとも、もしやお住まいの国でご覧頂けたのでしょうか。
なんだか、急に『グローバル!』と叫びたくなった私(笑)。萌えの世界進出……おぉ。
本当に、ネットって凄いですね。私の話が、外国でも読めたりするのかも。凄い^^

こじんまりと形にし続けている二次妄想を、お気に召して頂けてよかった!

ヒノ望の検索で、ここにいらして下さったとの事。改めて、ヒノ望は強いな、と感心。
実は、以前このブログで、お試し的に無料でアクセス解析を使える期間がありまして。
数日間だけ、皆さんの読まれた先がわかったんですけど、総じて一位だったのがヒノ望。
執筆のピークは超えていて、ブログの旬は最新ジャンルでも、閲覧数は彼等が優勢。
どのヒノ望、という偏りもなく、満遍なくどのページもといった感じで多かったです。

我が家で、この組だけ枠数が二十超えの現状。読み応えは充分?(笑)。

トトロさんにコメントを頂けた事を知り、自分でも色々読み返してみました。

ヒノ望は、嵌る勢いに加え、猫の妄想爆発(笑)で量が伸びたんですよね。
バッド後捏造なども、書かずにいられるか! と没頭した感覚が今もまざまざ。
唯一、同人誌アンソロジーで書かせて頂いた(四章担当)組でもあります。

そんな代表的な自作のカップルを、時が経っても好いて頂けるとは……^^

心底幸せで、光栄。だからこそ、予言するべきだと思うので、書きますね。

ヒノ望も、柚日(これの、メール十人分書き分けは挑み甲斐抜群でした)も。
今も愛しく、もし萌えが揺り起こされる機会があれば、また書くかもしれません。
ただ……私は『その時々の一番』の品を優先する為、今のところ未定です。

正直に申し上げると、二組の新作へのご期待には、添えないかと(平伏)。

かといって、カプ萌えが近くあられる方に『書かないよ』じゃ申し訳なく。
もし、宜しければ……ご存知でないジャンルも、触れてみて下さいますか。

遙か3やコルダ辺りの二次創作は、最近の品より、体裁が横に広くなっています。
昔の話と今の話の両方をご覧下さる方は、かなり読み難く感じられるかもしれません。
以前の作品は、改行した割に横の字数が同じ位に並び、全体にぎゅうぎゅう詰めなので。
変更は、私(視力に難)の負担軽減故とはいえ、昔との差に皆さんは戸惑われるかと。
ただ。全作品共通で、執筆時の最高の『愛』を注いでいます。その点だけは保証。

筆力を高く感じて頂ける(感謝!)原因は、込めた心、じゃないでしょうか?

私は、学んで来た日本語を可能な限り丁寧に選び、短文を育んでいます。
なので、結果を『駄作』と卑下する事はなく、当然『最高』と天狗にもなりません。
ただ、ボキャブラリーを尽くして私なりに表現、という意味では全て自信作。

私の世界を魅力的に輝かせる『功労者』は、やっぱり『愛』だ、と思います。

原作設定を借りた我が家で、新しい恋の彩に惹かれて頂ければ、嬉しい。

基本的に、私が綴る話は総じて、扱う子の魅力を損なわず描けるか、もテーマ。
もし、短文でお気に召すキャラがいらしたら、その作品をプレイなさってみて下さい。
一部の悪役を除き(笑)、原作の方が確実に素敵な子達と出会える筈です。是非是非^^
Unknown (トトロ)
2011-02-18 16:42:12
ゆきんさん、お返事ありがとうございます。私は国際結婚しているので夫の国で骨を埋めることになりそうですが、キャラ萌えの心だけは持ち続けて海外生活を送っております(笑)。

遥時3のヒノエには私もかなり萌えまくり、いまだ心の奥底で熱が冷めないくらい好きです。ちかじか遥時5が発売になりますが、声優陣が全とっかえで変わってしまって、高橋直純さん(ヒノエ)の甘いボイスが聞けないとがっかりしております。運よく私も来週から日本へ一時帰国をするので、まだ未プレイの遥時4や金色のコルダのソフトを一気に大人買いする予定です。

ゆきねさんのヒノエ×望美の新作予定がないのがちょっと残念ですが、ゆきんさん色々な作品に触れるのもまた楽しみでもあります。

ちょくちょくお邪魔させていただきます。
ひとときの寛ぎの場に、いつでもお寄り下さい。 (ゆきね)
2011-02-22 16:19:11
こんにちは、トトロさん^^ 再び頂けたお言葉、とても嬉しかったです。
一時帰国されるとの事。もしかしたら、もう日本に戻られているでしょうか?

キャラ萌えの心! 大切(笑)。どこにいようと万国共通。言動の燃料であり、潤い。
日本は、比較的平和な環境のお陰だと思いますけど、そういう点で恵まれましたよね。
衣食住がそこそこ安定していて、気持ちに常に『わくわく』『どきどき』を求められる、余裕。
トトロさんが外国在住、と伺って……ふと、国籍の幸運に、思いを馳せてしまいました。
例えば『乙女ゲーム最高!』と叫べるのも、危機感が遠いからなのかもなぁ、とか。

基本、真面目な女(本当です(笑))だからか、色々と振り返る時もある私。

聞いた話では、ここ程、質量共に『少女漫画』が豊かな国はないそうです。

女と男が出会って、紆余曲折を経て、きゃっきゃうふふと戯れる(笑)世界。
確かに、まず落ち着いて暮らせる背景がなければ、楽しむ発想も生まれない。
恋愛ネタが持て囃される国だからこそ、ゲームで恋させたりも出来る訳で。

そう考えると、何かの萌えではしゃげる私達は、それだけで凄く幸せな人。

日本に生まれて良かった!……と。趣味に没頭の観点で、しみじみ満足。
旦那様のお国も、萌えライフを謳歌し続けられる優しい国だといいと思います^^

遙かの声優さんの交代。私も、最初に知った時は『思い切った事を』と驚きました。
ただ、流石に4まで(シャッフルはあれ)メインが不変だと、マンネリの指摘も多いかと。
各々のファンの方々が惜しまれるのは間違いありませんが、妥当な采配だとも感じます。
私的には、同一でも『前は嵌らなかったけど、このキャラは一押し!』など差もあって。
最大ポイントがボイス以外の私としては、遙か5のシナリオに期待を傾けています。

物語さえ揺るがず素晴らしい出来なら、それで心から嵌れるでしょうから。

……と言いつつも、発売前から試聴する位には声にも注目。←本音(笑)。

乙女ゲームの数をこなさない私でも、お声を何かで聴いた声優さんは増えました。
それでも、前に語った事を繰り返すと、5で起用の方々は殆ど存じ上げない方ばかり。
だからこそ、遙か5で誰に嵌るかは、キャラの声より『性格』が影響するだろうと思います。
『このお声、元々好みなんだ~^^』という色眼鏡がない分、言動で図る事になりますし。
新たに『こういうキャラにぴったりの方がいらしたのか』と、楽しめそうで、嬉しい位。

トトロさんも、遙か5を、大人買いの一品にお加えになりません?(誘惑)。

私は、第一印象で都(イケメンで胸なし。てっきり男性だと!)に強く惹かれまして。
彼『女』が黒神子と知り、夢破れ(笑)、誰から親しむか迷っている最中だったりします。
甘いお声の先入観が植えつけられる前の今、気になるのは瞬や小松、高杉のクール勢。
最初は、ヒロインに淡々と(突き放しも可)接する冷血風が、戸惑う過程もツボなので^^
ギャップありの誰かに嵌った後、比較的波風が少なそうなキャラに移る予定です。

未完作を色々休止中の身としては、一気に燃え滾るのも正直怖いところ。

でも。創作欲が沸き立つ位の力作だと、プレイヤーとして、純粋に嬉しい。

実は、月末にブログの投稿仕様が変わる為、どう動けるか……今以上に未定。
ただ、多少不規則になろうと、遙か5を含む新作やSRXなどのジャンルを綴る所存。
貴重な時を費やして下さる方に、少しでも、愛しい『我が子』で憩って頂けたら幸いです!

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