
中家課長は、忍耐強かった。
どんな辛い仕事でも耐え抜いた。
実は、ブラック企業に勤めていた。
愛読書は『ドM仕事術』だった。
偶にSMクラブに行って、女王さまになぶられる仕打ちにも耐えてみた。
SMクラブに行くくらいだから、エッチが大好きとか、エロが大好き、かというと、そんな事はなく。
街中に溢れるセクシー美女たちには、恥ずかしがって、目を背けるのだった。職場でも、セクハラなどとは縁遠い存在だったようだ。
金遣いも、荒くなく、SMクラブ以外では、食費も切り詰めて、せっせと貯金していた。
彼は、なぜこんな生活に耐えられるのか?耐えているのか?
それは、妙子が好きで、結婚したかったから。
その目的の為に、彼なりに、大谷翔平のように計画を立て、実行して行ったのだ。
妙子は、名前からイメージしにくい、良い女で、性格もとても良く、慎ましかった。
当然のようだが、中家課長は、いつも悲しそうだった。
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