湘南鎌倉総合病院 総合内科

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PIPCが行われました

2014-09-26 00:05:09 | 招聘カンファレンス
こんにちはDr.Valleyです。

今回は当院で行われているPIPCのご報告です。

PIPCとはpsychiatry in primary careの略で、アメリカで作られ、2005年に日本に井出広幸先生らによって導入された内科医/プライマリケア医が精神科的対応をできるようにと作られたプログラムです。
(こちらがHPです。http://pipc-jp.com)

井出広幸先生には開業されているところが近いと言うことも有り、現在2ヶ月に1回当院に来ていただきセミナーを開いていただいており皆で勉強をしております。いつも熱意とウィットに溢れた講義をして下さりとても楽しい勉強会です。

今回のテーマは「夜間不隠時の対応」
夜間に不隠や不眠の患者さんのことで当直医が呼び出されるのはしばしばです。そんなときにどんな対応をしたら良いのか?と言うのを講義していただきました。
予防にリフレックス、抑肝散、不眠になってしまったときにセロクエル、などいろいろな方法を教えていただきました。


今回は夜間の不隠時、というテーマでしたがいつもは主に外来に精神的なトラブルを抱えた患者さんが来院したときにどのように診察し、治療していくかということを教えて下さっています。

総合内科にとって精神疾患をうまく診る方法の勉強は必須です。私たちが初診外来を行っていると、様々な疾患を抱えた患者さんが来院されます。不安障害やうつ病などを持った患者さんも多いのですが、その最初の症状は倦怠感などの非特異的な身体症状で始まり、内科を受診することが多いので初診を診ている我々にとって精神疾患が診られないようでは始まらないのです。

精神疾患の存在を疑った時にどうするか?
背景問診やMAPSO(Mood disorders, Anxiety disorders, Psychoses, Substance induced disorder, Organic and Other disorders の頭文字をとったものです)といった臨床ツールをこのセミナーでは教えています。
このような臨床ツールは時間の限られた外来では非常に役立ちます。

精神疾患というとつい敬遠され、自分の領域ではない、と言いがちですがこのようなツールを使うことで随分と楽になります。何より、何でも来い!と自信を持てるようになると外来がとても楽しくなってきます。
また、行き場所が無かった患者さんから感謝されることもしばしばです。どのような患者も診るという総合内科のスタンスで働いている我々にとっては医師冥利に尽きる瞬間です。

もちろん自分でフォローできない場合には適切なところに紹介をして診察をお願いすることも多いのですが、幅広く診る、というスタンスはこういう所にも貢献できると思っています。


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