☆闘病中のある日のお話。 その3

まんじゅうが帰ってこないまま朝を迎えた。
大王は眠れなかったらしく起きてネットで調べ物してる。
「メス猫の行動範囲は大きくても半径100ｍ以内だって！
そんなに広くないよ。必ず見つかるってっ！」

おぉ、そうなんだー。うん広くない。
私も幽霊のように起き上がり寝不足の頭を一生懸命回転させる。
そうそうご近所の地図、自治会で配ってたやつがあったな。
コンパスで半径100ｍの円を書き込んでみる。
「この中にある家の数だけチラシを刷ろう！」そう思って数を数える。

1.2.3.…99.100.101.…137.138.139.…うーん大体150ぐらいか。
ひゃくごじゅう！？？？紙とインク足りるかな。

いやいや、
とりあえずはご近所からだ。20枚から始めよう。
フォトショップでチラシを作る。
かわいい写真を選らばなきゃー。これか？これか？
あ！そんな場合じゃなかった！ばかばか！

プリンターでチラシをうぃーんうぃーんと刷っている間にハッと気付く。
いなくなった日にち「3月12日12日頃行方が分からなく…」
あ～！？ミスミス！12時頃だろうが！
訂正～～！

さらにプリンターでうぃーんうぃーんと刷っている間にハッと気付く。
ゴミ置き場！今日は普通ゴミの日だからチラシを貼っておけば、
配るまでもなくご近所のみなさんに見ていただける！
刷れた分を引っつかんで家を飛び出す。
あーーーーー！遅かった。8時半でもうゴミ山積み。
なんでもっと早く気付かなかったんだ！？バカバカ！私のバカ！

そう思いつつもチラシを貼る。近所のゴミ置き場3ヶ所。
さらにウチの壁や玄関にも貼る。

貼っている最中にご近所の方が話しかけてくれる。
「猫ちゃんがいなくなったの？まぁ～～！ウチの庭も探しておくわね」と、
うれしいお言葉。
「向こうのタバコ屋のクロちゃんも、以前病院から帰ってきていなくなっちゃったって。
でも探したらお隣の裏庭の物置の影にうずくまってたんですって。
だからきっとオタクの猫ちゃんも近くに居るわよ！
よーくよーく探してごらんなさい！！」と。

そうか。もう10回ぐらい庭は探したけど、
もう一度！もう一度よーーーく探してみよう！！
そう思い家へ駆け戻った。

まんじゅうが居そうな場所を念入りに探す。
クマザサの下。
ツツジの植え込みの下。
まんじゅうが最初に居ついた床下。
奥のほうまで一生懸命覗きこむ。
縁の下の奥の方に家の床下に通じる穴があいてるんだよなー。

まんじゅうも縁の下は大好きプレイスだったけど、
依然ここにイタチだかなんだかが住みついちゃって床下で奇声をあげてたっけ。

暗い穴の中をじーっと見つめる。

ん？なにか顔が見えるような気がする。
あぁ、何かが「眼・口・眼」のように三角形に並んでいてシュミラクラ効果で顔に見えるんだなぁ。∵
そう思いつつ、もっとよく眼を凝らす。

？？？

いや！やっぱり顔だ！まんじゅうだ！！きっとまんじゅう！

窓ガラスを叩いて家の中の大王に合図。
「懐中電灯持ってきて！！！」

ライトで穴の奥を照らす。
やっぱり！！！！！！！
あぁぁ。まんじゅうだ。
いたっ。（涙）






続く






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今のところ包丁・フライパン・耳掻き・まごの手・万能スライサー・等のグッズは置いていません。
が！、頭を揉みほぐす音楽は置いてあります。
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