ブナの森の仲間達

山を歩き、山を語り、山で酒を酌み交わす、そんな仲間達との記録。
そして、ひたすらひたすらローカルな、旅の記録。

朝日連峰 その2

2005年09月19日 | 山の記録

月  日:  2005年9月18~19日
コ ー ス:  天狗小屋発~竜ヶ岳水場~大井沢南俣沢出合



小屋の居場所を確保した後は、外に散策に出かけた。
すぐ近くの天狗角力取山には、天狗が相撲を取ったのだろうか土俵のような石の輪があった。


朝日の中でもこの辺は標高が低い為花が少ないと聞いていたが、、、。途中の水場では、トリカブトが見事だった。
今は紫の花が主流。リンドウが風に揺られていた。マツムシソウはほぼ終わりかけていた。


さっきまで雲に隠れていた障子ヶ岳が、ぼんやりとだが全景を現した。見る場所によって、形の変わる山である。
今夜は天気が大きく崩れるらしいが、明日は大丈夫だろうか、、。
上から見ると、小屋の周りも薄っすら紅葉しかけてきている。今年の紅葉は、果たしてどうなのかな?美しい色になるかな?


小屋に戻ると、遅く出たIさんも無事到着、まずは皆で乾~~杯!
今回の山は、食料もガスもコンロも個人装備。思い思いの食事の準備に取り掛かる。水場が小屋のまん前にあり、ほんとに便利だ。


次々と着く登山者の居場所を、管理人さんはてきぱきと指示していく。
ハンガーも使って、、、とたくさん持ってきてくれた。助かること。。
着替えることの出来る部屋もあり、汗でぬれた衣服は全部脱いで着替えることが出来た。混んでいればそうは行かないだろう。
ほんと、快適至極である。

それにしてもこの小屋には、背丈ほどの本棚まであり、本が並んでいる。
管理人さんは、登山者の少ない季節になると、一人で本を読んで過ごすのだそうだ。
気さくでやさしくて、とても愉快な管理人さんだ。

明朝は、早発ちをする人が居ないという事で、今夜の宴会は8時までの許可が出た。
途中、「タバコは外、又は窓際で」という注意も受ける。

お酒が入ると、隣も上も下もない。今夜の人数は30人ほどだそうだが、その中には某山岳会の会長さんやら、
鳥海山の某小屋の管理人さんグループやらがおられ、その方々のお話を伺うことができた。
朝日の主稜線上の小屋では100人を超したそうで、外にテントを二張りしたという情報も漏れ聞いた。
連休中の山、小屋選びは、隠れた良い場所を選ぶのがコツかもしれない。

山での食事もさまざま。隣に陣取った男性3人組には驚いた。
釣りをしに来たという方々だが、パスタや麻婆春雨やら朝は白米を炊くし、実にマメ。
そうかというと別の方々は土鍋のような鍋を持参して、ワイングラスでお酒を飲んでいた。
今は食事もそのスタイルもさまざま。ほんとすごいね~。いい刺激となった。

お隣3人組さんが作ったパスタ、味見させていただいたが美味しかった! 今度は私も作ってみよう。



お約束どおり、8時には宴会は一応終了。シュラフに入ったら、いつの間にか寝てしまった。

夜中、すごい雨と強風の音で目が覚めた。2時過ぎ。そのまま、うつらうつらしながら朝を迎える。

風雨は朝になっても止まず、出発を遅らせて様子を見ることになった。
7時過ぎようやく風が落ち着いてきたので、稜線まで出て見ることになり身支度。


障子ヶ岳の分岐まで来た。風は殆ど止んできている。
別のグループも先行して出かけたし、管理人さんもこのぐらいの風は大丈夫と太鼓判を押してくれた。
だが、、、、雨とガスで、行ってもつまらないだろうという意見が出て、また来ようとなった。

(ええーーーーっ、ここまで来たのに、ホントに行かないの?・・・・)


分岐で写真を撮って、下山に着いた。残念だ~ 



悔しさは、下山するほどに増していく。
雨が止み、ガスが切れ、隠れていた目指す山がくっきり見えたとき、それは爆発。
誰ともなく立ち止まり、山を眺めてはため息をつく・・・・。悔しい~~。
晴れたからこそ悔しさがつのる。
行かないで正解だったか、行けば良かったか、思いは人それぞれのはず。あくまでも今回は団体行動なのだ。

心残りはあるとしても、皆、行きも帰りも話しが尽きることはなかった。
窮屈な思いもせず、快適な小屋で、居合わせた人たちとの交流にも恵まれ、
ピークは踏めずとも、それもまたいい山歩きが出来たという証拠で、良しとしよう。



帰りは、月山湖近くの水沢温泉館で汗を流し、お隣の月山銘水館のレストランで食事をした。

それにしても、今回の山行では軟弱な自分を反省した。
夏山登山は、去年の飯豊縦走から一年ぶり。
日頃、さして山に行くためのトレーニングもせず、普段は車に頼り切りの生活。
参加申込も出発の4,5日前。準備もバタバタの大わらわ。
行けば歩けるだろう、重い荷も背負えるだろうという過剰な自信に似たようなものがあって、確かにそれは出来るけれど、
体力も山への感覚も確実に衰えてる事が分かり、一歩間違えば、どどどーーっと、雪崩のごとく最悪の事態に繋がる気がした。

丸山直樹著『死者は還らず』を読んでいて、山への畏れを再認識しようと思った。


しかし、「いつか、必ずリベンジするぞ!」という思いを胸に、大井沢を後にした。

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