って言われても、これ見せられたら、ついていってしまう可能性大のともじろうです。

忙しかった・・・。
動悸がするし、全身から汗が噴き出した・・・
室長がいないだけで変な緊張が走る。
緊張は、手元に現れる。
二人目の患者様の返血側の穿刺・・・・・、失敗した。
静脈圧が高すぎる。
外部で血液を回し、抜針して刺し直す。
この一連の作業は分かっているはずなのに、動けなかった。
新しい針や物品の準備をしていると、先輩ナースが来てくれた。
「落ち着いて。まずは、静脈に刺した針、抜こうか」
はい、なんとか穿刺を終えました。
先輩のアドバイスはいつも的確。今日は、まだ一度も穿刺に当たったことのない患者様の所にも行きました。初めてだったので不安はあったけれど
「室長が行かんほうがいいっていうリストには入ってないやろ?行ってみよう」
って、先輩もさらっと言う。ともじろうを不安にさせないための言葉。
ほんと、育ててもらっているなって思う。
しんどいことも、腹の立つことも、もちろん怖いこともたくさんあるけれど、
分からないなら聞けばいい。しつこいくらい聞いて、ちゃんと理解したい。
失敗したことを悔やんでも、来週にはまた患者様は透析に来る。
きちんと謝罪して、また穿刺させてもらおう。
疲れてなんかいられない。明日は夜勤だ。しっかり休んでおかないとね。
それではみなさま、お休みなさい
明日も満床の透析室。
満床なのは何も怖くない。怖いのは、明日、室長がいないこと。
朝からの一番忙しい穿刺の30分間、スタッフ4人で回さないといけない。
なのに、ともじろうが日勤リーダーなのです。
吐き気と頭痛で死にそうになっている日勤の終わり、室長が声をかけてくれました。
まだまだ穿刺に不安要素の多いともじろう。
いつもは介助に室長がついてくれているので安心して刺していけるんだけど・・・。
明日は介助すらいない!!
『明日やけど、自信持って刺していったらいいよ。刺しに行かんでいい人だけ言うから覚えて』
って、本当に穿刺困難な数名の名前を室長より聞きました。
『今言った人は、他の人に任せといたらいい。他は基本的に全員刺しに行っても大丈夫やから。これまでに俺の言ったこと思い出して刺しに行き、大丈夫やから』
室長の言葉はいつもストンと心に落ちてくる。
不安ばっかり募らせてないで、室長の言った 『大丈夫』 この言葉を信じて、明日は頑張ろう