建築基準法以外にも、建物はさまざまな法規制の対象となっています。
そのひとつが、消防法です。
消防法のリスクに関連する大事件として記憶に新しいのが、2001年9月に死者44人を出した新宿・歌舞伎町の雑居ビル火災です。
この雑居ビルは、火災が起こる以前から消防署の査察で消防法違反を指摘されていましたが、ほとんど改善されていませんでした。消防法では、二方向への避難口の確保が義務づけられていますが、この雑居ビルは室内階段が一箇所で狭かった上、三階から四階にかけての階段が荷物置き場のような状態になっていたため、大惨事を招いたと言われています。
非常階段の通行不能は、消防活動の妨げにもなりました。また、おかれた荷物が障害となり、防火扉が作動しなかった階もあったようです。
火災から約二年後には、ビルのオーナーおよびテナント関係者が消防法および業務上過失致死の疑いで逮捕されました。
筆者の友人も、「おちおち歌舞伎町で遊んでられないな」としみじみ申しておりました・・・。
謹んで、犠牲者のご冥福をお祈りいたします。