今回は東京消防庁蒲田消防署空港分署に配置されている特殊救急車ⅲ型〈陰圧式救急車〉を紹介します。
車両概要
同車の配置のきっかけは配備された令和二年に新型コロナウイルスの感染が流行したため様々な感染症の疑いのある傷病者を感染拡大防止し、かつ安全に搬送することが求められていました。すでに救急機動部隊に同型車を配置していましたが一台では対応しきれない、また羽田空港を管轄とする空港分署は海外から来る渡航者からの感染拡大を防止しなければならない。以上の理由で同車の導入に踏み切りました。
同年には同型車を第九消防方面本部消防救助機動部隊にも配置し多摩地区でも活動できるようにした。
車両概要
空港AS
いすゞエルフ特殊救急車Ⅲ型〈陰圧式救急車〉
A02155
艤装:札幌ボデー工業
同車の最大の特徴は陰圧式となっていることです。
運転室と傷病者室の間に高気密の開閉式の壁と陰圧装置を設置し、傷病者室の汚染された空気を殺菌してから外へ排出し、ラッサ車やアイソレーターなどではできない搬送中での救命処置を可能としています。 これで機関員等の救急隊員への感染防止につながり、空気は除菌されているため外にいる一般人への感染の拡大を防止できます。
また、いすゞエルフの四輪駆動車をベース車としたことで広い室内空間を確保し、標準の救急車に比べ乗車定員を最大8名と1名増やしています。また空港から渡航してくる外国人などの体格の良い傷病者に対応した重体重のメインストレッチャー、また性傷病者の体調のさらなる悪化を防ぐため防振性能に優れたエアサスペンションや救急活動に必要な各種装置を搭載しています。
同車は東京五輪2020大会の際にも出動し、感染症の疑いのある傷病者を搬送し、その役目を大いに果たしていると思います。
感染症が流行した際には頼もしい一台です。今後も頑張ってほしいです!