首都大学東京の将来

首都大学東京から東京都立大学への名称変更について、変更理由、経緯から首都大学東京の将来を考えます。

首都大学東京の将来 -決めたのは小池都知事ではなく法人、の根深い問題ー

2018-09-10 23:20:36 | 首都大学東京名称変更についての意見
今回の首都大学東京の名称変更について、8月24日(金)の都知事の発表、8月27日(月)に学内での学生、教員、卒業生ら関係者への
説明会(筆者は行けなかった)の情報を踏まえて、この名称変更について筆者の考えの変化の過程を伝えます。

最初は名称を変えるなら「首都大学東京の失敗を認めるべき」と考えた。
まず名称変更を聞いた当初、首都大学東京開学の経緯(当時の石原都知事、都政はそれまで積み重ねてきた都立4大学と都とのやり取り、統合の方針を破棄し、大学を一方的で強引な手法で「廃止」、新設するとしたという経緯があります。)にも関わらず首都大学東京の東京都立大学への名称変更することについて、
それは「首都大学東京の失敗」を現しており、東京都立大学へ変更するためには都と法人がその失敗を認めることが必要だと考えていました。
首都大学東京がうまくいっているのであれば、過去に廃止したところの東京都立大学と同じ名称を名乗る必要はないだろうと考えたためです。
そのため、首都大学東京についてどういった大学だったのかふりかえること、検討することが必要だと私は考えました。

小池都知事は提案をし、方針を決めたのは法人
その後、名称変更についての首都大学東京の立場と主張と小池都知事の立場をみていく中で検討すべき問題について考えを改めました。
まず、提案をした小池都知事はあくまで名称変更の方針を決めたのは法人という姿勢をとっています。(8/24記者会見
次にtwitterなどで説明会の様子や島田晴雄理事長の東京新聞でのインタビュー(http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201808/CK2018083102000127.html
を読みました。
インタビューは、首都大学東京は東京都立大学に戻るわけではなく、首都大学東京の名称を改めて、東京都立大学にして都立の大学として伝わりやすくしたいということで新しい東京都立大学であるということで名称を変更するというような内容であると理解しています。

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「これからは首都大学東京。東京都立大学はいらない」
(15年後)
「首都大学東京のあり方は変わらないけど東京都立大学の名前は使う。これは新しい東京都立大学だ。」

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あくまで首都大学東京は成功しているが都立の大学として伝わりやすくするために東京都立大学に変更する。
東京都立大学は統合されるはずだった大学であり、それを一方的に廃止しておきながら、「新しい大学」はその15年後廃止した大学名を名乗る。
こんな話が通るでしょうか。



問題は、大学が行政と一体になっていることだ
筆者は、上記のような問題点があるにも関わらず、なぜ首都大学東京は東京都立大学への名称変更をするという判断をしたのかということが重要だと考えています。
結果、首都大学東京はわずか1月半で名称変更の方針を決めました。
ここに論理よりも都、知事の意向、学生(ただ都知事の提案から名称変更の過程において学生の意見を踏まえたとは言えないでしょうが)または受験生の反応を優先する法人の姿勢を読み取ることが出来ます。
この名称変更の過程は小池都知事、今後の首長が都立の大学に対し、介入することが容易であることの新たな前例となり、首長がより一層大学の意志決定に関与する将来が予感されます。
そしてそれは今回がそうであったように脈絡のない変化を与えるのではないかと思います。
私は、首都大学東京の名称変更の問題は、過去の清算ではなく、今まさに大学が変質しており、大学がどういった場所であり、何に重きを置くべきかの問題と捉え、今後この名称問題について発信していきたいと考えています。


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