Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

たそがれの旅路 ~Twilight on the horizon 第7回 4駅分の楽園 

2014年11月10日 | 鉄道 ‐ 旅行(2014年)
<2014/9/21 PM3:24>



 阪急今津線で今津にやってきた静サツの足は、そのまま阪神の駅へと吸い込まれていきました。



 すぐにやってきた快速急行に乗車。近鉄から乗り入れてくるシリーズ21とよばれるタイプの車両です。

[阪神本線 1520 快速急行 三宮15:13→近鉄奈良16:38]
《今津 15:30発》



 6両編成の車内は混雑気味。



 野球児たちの夢の舞台・甲子園のそばにある甲子園駅。特急停車駅かつ待避駅でもあります。


《武庫川 15:34着》

 今津から4つ目、停車駅数では2つ目の武庫川で降ります。
 ところでこの駅、とても変わった場所にあります。



 川の真上に。



 川にホームが架かる駅は川崎(東海道本線)など多くありますが、武庫川の場合はホーム全てが川の上という奇特な駅です。
 6両編成が停まれるホームはほぼ川幅と一致。ホーム柵の向こうには武庫川の流れが広がっているのです。



 武庫川は快速急行以上が停車なので、特急はホームを通過していきます。9300系の特急梅田行きです。



 急行西宮行きが8000系で到着。8000系といえば、私は『赤胴』と呼ばれる旧塗装の方が好きなのですが、2001年登場の9300系がデビューしてからほとんどが新塗装になってしまいました。



 5001を先頭にした普通梅田行き。こちらは『青胴』と呼ばれます。
 阪神は軌道から始まった路線のため、33kmの間に32もの駅を持ちます(以前はさらにあった)。そのため、阪神間を急行運転する車両とは別に、高加速・高減速で全力で急行を待避する普通列車用の車両が必要になりました。その車両こそ、日本車両史に名を残す初代5000系『ジェットカー』であり、青胴車でした。現在も普通列車用は青系、急行列車用は赤系の塗装で、運用も分けられています。
 ちなみに、写真の5000系は2代目。『青胴』の系譜としては3代目に当たります。



 山陽5000系の直通特急が高速で通過。直線ということもあって容赦なく通過していきます。

 さて、武庫川駅に来た目的は、何も川の上の駅が珍しいからだけではありません。



 武庫川から延びる阪神の支線・武庫川線に乗るためです。
 武庫川線は武庫川から武庫川団地前までの、わずか4駅ばかりの路線です。使用しているのは、現在阪神で走っている『赤胴』の先輩になる、7880形・7890形と7861・7961形です。



 1本が本線の高架下に留置されていました。



 武庫川線の線路は本線から南に向かうのですが、ご覧のように北側にも線路があります。左の線路は本線と接続する、車両入れ替え用の線路。奥の線路はかつて国鉄西ノ宮駅(現:JR西宮駅)まで延びていた貨物線の名残です。



 1本の線路に2本の赤胴車が集います。本線では近鉄車乗り入れや新型1000系の登場などで減り続ける赤胴車ですが、武庫川線ではまさに『赤胴』そのものが生き残っています。赤胴にとっての楽園といえるでしょう。

 それでは、楽園の旅に出ましょう。

[阪神武庫川線 155 武庫川15:53→武庫川団地前15:58]



《武庫川 15:53発》

 短い支線の始まりは軍事輸送でした。終点の武庫川団地前(当時は洲崎を名乗っていた)の近所にあった航空機の工場まで資材を運ぶ目的で、1943年に開業。1944年には国鉄から貨物を受け入れるために西ノ宮駅までつながります。阪神は標準軌、国鉄は狭軌ですから、ほとんどが3線軌条になっていました。
 が、終戦直前の1945年6月9日に工場もろとも空襲を受け機能停止。その後米軍に接収されしばらく輸送は続けられましたが、1958年に貨物輸送廃止、1970年に西ノ宮―武庫川は線路も外されました。
 旅客輸送のほうはというと、戦後一時休止を経て武庫川―洲崎(現在の洲崎駅の方)が復活。平成間近に武庫川団地前まで延長されて、今に至ります。



 線内で唯一列車交換が出来る東鳴尾。



 洲崎は戦後長らく終着駅でした。



《武庫川団地 15:58着》

 終点にはあっという間に到着。



 折り返しはわずか3分。改札を出ずに、折り返し16時1分発に乗ります。



 終日ワンマン2両編成で運行します。



 行先表示機がかつての本線時代を思わせます。

[阪神武庫川線 武庫川団地前16:01→武庫川16:06]
《武庫川団地前 16:01発》



 団地の横をかける赤胴車。



 全線通して武庫川の堤防を右手に見ながら走ります。



《武庫川 16:06着》

 10分ほどで帰着。
 その脚で阪神梅田行きの普通列車に乗り継ぎます。

[阪神本線 1562 高速神戸15:17→梅田16:37]
《武庫川 16:09発》



 乗ったのは5000系の普通列車。
 5000系は元々2両編成で登場しましたが、現在は2本つなげた4両で一体となって運行しています。



 停車しているのは尼崎センタープール前。よく誤解されますが、このセンタープールとは尼崎競艇場の競争池のことで、そういう名前のプール施設ではありません。



 貴重な赤胴塗装の8000系特急に抜かれます。



 さらに続く尼崎では急行の待ち合わせ。数駅走っては抜かれ、また走っては抜かれの繰り返しです。こんな地味なことを5000系は30年以上も続けているんですね。



 隣のホームでは、近鉄5800系の奈良行が入換作業をしていました。



 1253系と連結します。
 阪神なんば線でつながった阪神と近鉄ですが、阪神は19メートル、近鉄は21メートルと車体のサイズはかなり違います。まして、阪神本線は6両編成が入るのが精一杯なので、多くの列車がここ尼崎で連結・開放をします。


 出発信号が青に切り替わるとすぐに発車です。



 淀川を渡る5000系。



 視界はオールクリア。梅田までラストスパートです。



《梅田 16:37着》

 青胴車で梅田までを乗りとおしました。

 静サツに停まっている暇はありません。改札を抜け、新宿の次に悪名高い梅田ダンジョンを走ります。
 そう、何を隠そう……



 まだ阪急制覇の旅は終わっていない!

 ということで、次回は残る神戸線系統を攻略します。


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