夏ですから

今から30年以上も昔
ある予備校の寮に住んだことがある

建物は新館と旧館があって自分の部屋はボロい旧館の方
ペンキを塗って新しく見せてはいるがやはり古い建物

二人部屋の相手は二浪目の先輩
その先輩ってのは見かけはイカツイけど意外に気さくな人やった

しばらくして生活にも慣れ“普通”の侘しい浪人生活を送っていた

そんなある日の夜中
突然目が覚めた

ところが身体が動かないΣ(゜Д゜)

何なんだ…
これが噂の金縛りか…とビビりながら周りを見渡すと

突然

鎧を身につけた人の姿が目の前に！


恐ろしくてオソロシクテ…
そして
よく見ると
首から上が無い…
何なんだ！
首をはねられた武者かっ！！

あまりの恐怖心から目をつぶっていたら眠ってしまったようで
目が覚めたらすっかり朝になっていた

あれっ
そういえば…

思い出しても…恐い…


その頃は先輩とは何でも話すくらい打ち解けていたが
さすがにコレは言えずに黙っていた


数日経って
今までは寝るときに必ず部屋の照明を消していた先輩が
この頃点けたままで寝ていることに気づいた
暗くないと寝つけないと言っていた人がである

ふと不思議に思い聞いてみた

すると

普段と違い何かに怯えた様子で話始めた



自分が武者の幽霊らしきものを見た同じ日の同じ時刻に

ざんばら髪で落武者のような男の幽霊が現れたと



それは
傷だらけで特に首のところが血だらけの顔だけが

バーンと

目の前に現れたと…







そんな話を聞いたことを思い出した