shiro-diary

シロフィルム通信

千葉市民

2012-02-11 21:55:26 | Weblog
 京葉線を蒸気機関車が走るというので、ポートタワーにのぼってみた。市内はもちろんのこと、都心や横浜までも見渡せて清々しい。
望遠レンズを覗くと、我が家のマンションも見える。かれこれ10年住んだ部屋だが今月引っ越しだ。同じ町内で数百メートルの移動だが、今度は2階建てのテラスハウス。仕事と生活が入り乱れて手狭になってきたので、今度は1階と2階できっちり区切るつもりだ。マンションの高層階も見晴らしが良かったが、玄関を開けて庭があるのも落ち着きがあって良さそうだ。
 
 そんなわけで、手持ちの荷物を片っ端からひっくり返して、要る要らないを問うている。「これが無くても生きていけるだろう」と思うと、要らないものばかりだ。昨年の震災を境に物をへの執着が薄らいだ気がする。直接大きな被害を被ったわけではないけれど、東北の被災地で瓦礫の片付けを手伝って意識が変わった。それとは別に、親戚が亡くなって空き家になった家の片付けもまたきっかけのひとつ。大事にいろいろとってあっても、結局ごっそりゴミの集積場に運ばれてしまうのだ。

 アマチュア時代に撮影したフィルムにも久しぶりに目を通したが、良くも悪くも自分ひとりの世界で完結しており、恥ずかしくなってさっさと封印してしまった。当時は自分にしか撮れない写真を撮ろうと突っ走っていたのだが、今は顧客第一、ひとに喜ばれ満足してもらうことが優先ということで気がつけば考え方が逆転している。詠み人知らずの歌、ではないが名前は知られなくともみんなの生活に浸透し役立つような仕事に誇りを感じるようになってきた。

 そうは言っても同世代のカメラマンが個展開いてインタビュー受けてるのを見ると、少しうらやましかったりもするのだが。まあ地道に堅実な職業カメラマンを目指そう。埋め立ての土地を走る蒸気機関車、とても異質だ。