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吹く風ネット

確かに今でも君はぼくの中にいる

あれは高校一年、国語の授業の時だった。
何気なく後ろを振り向くと、君がぼくを見ていた。
その時からいくつもの歌を、君のために作った。
だけど君にその歌を、聞かせることもなく
 時は過ぎて行った、ドラマなど起こらないままに。
 だけど、確かに今でも君はぼくの中にいる。

高校二年の秋、ひとりで校庭を歩いてた。
その時君が現れて、ぼくに話しかけた。
ぼくは何と言っていいか、わからずに言葉を伏せた。
あれが、運命の分かれ道だったと思う。
 それ以来君と話すことに、ためらいを感じてしまった。
 だけど、確かに今でも君はぼくの中にいる。

高校三年の冬、帰りのバスを待っていた。
向かいのバス停で君が、バスに乗るのが見えた。
ぼくはバスを目で追った。君の姿を探した。
その時目に映った君が、ぼくを見ていた。
 それが君の最後の、さよならだったと思う。
 だけど、確かに今でも君はぼくの中にいる。

あれから何年経っただろう、同窓会に君がいた。
少し髪を伸ばした君が、ぼくを見ていた。
今は遠くの空で、幸せに暮らしているという。
そして今でもぼくは、君の歌をうたう。
 時は過ぎて行った、ドラマなど起こらないままに。
 だけど、確かに今でも君はぼくの中にいる。

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コメント一覧

しんた
前に書いた『恋愛詩』の前哨戦として、ブログに上げてみました。まかろんさんの評価で自信が持てました。この路線で進めていきます。
ありがとうございました。
まかろん
https://blog.goo.ne.jp/macaronteaparty
しんたさん、リズム感が素晴らしい。
そして時の流れと心の揺れと、
けれどもその中の変わらないものの対比。

分かりやすい言葉で、なんでもない人間の
なんのドラマもない人生を
せつなくドラマチックに描いてみせる、

しんたさんの、そういうセンスが好きです。


もしこのコメントが、作品を分かったふりの薄っぺらな感想に聞こえたら、ごめんなさい。
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