吹く風ネット

ミミズにおしっこをかけると(2004年7月21日付)

 小さい頃、よく外で立小便をやっていた。
「ミミズにおしっこをかけると、チンチンが腫れるよ」と言われていた。
 ある日、玄関前の溝にミミズを見つけた。そこでぼくは、「物は試しだ」と思って、ミミズに向かっておしっこを引っかけた。
 はい、しっかり腫れました。しかも、痛みを伴って。

 何で腫れるのかはわからない。その頃は、こちらがおしっこをかけたら、ミミズも応戦して体液を引っかけているのだと聞いた。しかし、ぼくがおしっこをかけたミミズは、体長10センチほどだった。しかも、1メートル以上離れた場所でやっていたのだ。ミミズの体長を考えると、そこまで体液を飛ばせるとは思わない。

 ある人から、「それは体液でも何でもない。ただ、自己暗示にかかっているだけだ」と言われた。
 しかし、いくら自己暗示に力があるとはいえ、おしっこを引っかけた翌日に腫れていることなんてあるだろうか。暗示は常日頃からかけておかないと、効かないのではなかったのではないか。

 ぼくは小さい頃、いつもいつも「ミミズ、おしっこ、チンチン腫れる」なんて思っていたわけではない。ミミズを見たら、そのことを思い出していた程度である。たったそれだけで体に異変が起きるとすれば、ぼくは病気だらけになっているはずだ。

 しかし、そういうことはない。どちらかというと、病気は少ない方である。また、それは自己暗示ではなく、人からの暗示なのだということも出来る。しかし、それはあり得ない。ぼくは常に人の言うことを聞いてないからである。

 後年、「迷信だ」と書いている本を見つけた。おそらくその作者は、「迷信だ」と思いながらも、怖くてかけることが出来なかったのだろう。自慢じゃないが、ぼくは3度かけたことがある。そして3度とも腫れたのだ。自分で試してもないくせに、物知り顔で「迷信だ」などと言うんじゃない。それなら自己暗示のほうがまだマシである。

 結局、「ミミズにおしっこをかけると、チンチンが腫れる」の謎は、ぼくの中では解けていない。そこで、もう一度ミミズにおしっこをかけてみて、その謎をいつか解いてみようと思っていた。ところが、困ったことに、最近まったくミミズを見ない。昔は普通に道を這っていたのだが。そういえば、溝にはイトミミズもいたのだが、それも見かけない。

 シャボン玉石鹸の社長に言わせれば、「それは洗剤のせいだ」ということになる。洗剤が生態系に悪影響を及ぼしているらしいのだ。生態系に悪影響を及ぼすものは、当然人体にも悪影響を及ぼす。そこで、「環境に優しい無添加の石鹸を使いましょう」ということになる。シャボン玉石鹸の売上げはどんどん伸びているらしい。ということは、再びミミズにお目にかかる日も、そう遠くはないということだ。早く謎を解きたいものである。

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