吹く風ネット

物忘れと対策 前編(2004年5月22日付)

 40代に入った頃の話です。

 ある日、冷蔵庫にジュースを取りに行こうと思い、部屋を出た。台所に入った時、時計の音が鳴った。その瞬間、ぼくは台所に立ちすくんでしまった。
「さて、何をしに来たんだろう?」
 いくら考えても思い出せないので、しかたなく部屋に戻った。
 イスに腰掛けしばらくして、ようやくジュースを取りに行ったことを思い出した。

「もしかしてボケ…?」
 ぼくは愕然とした。その後も何度か同じ事があり、しばらくの間、ぼくはそのことに悩んでいた。

 しかし、一人で悩みを抱えているだけでは、何も解決にならない。そこで、親しい人何人かに、思い切って聞いてみることにした。

 その人たちは、異口同音に
「ああ、おれも40歳過ぎてから、物忘れがひどくなったよ」と言う。それを聞き、
「自分だけじゃなかった」と思い安心したのだった。
 しかし、若干の不安は残った。

 悩みから解放されたのは、それから1ヶ月ほど過ぎた頃だった。
 ある日、本屋でボケの本を立ち読みしていると、「ボケは『嫌なことを忘れなさい』という神の思し召し」というようなことを書いてある本があった。
 そこには、「中年以降の物忘れなどは、自然なことである」とも書いてあった。それを読んで、ぼくはようやく安心し、それ以降は物忘れしても気にならなくなった。

 しかし、このままボケ症状が進行するのもシャクである。中年の物忘れが、自然なことでどうしようもないというのなら、何か別な方法でそれを補うことは出来ないかと考えた。

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