◎「オオカミ少女と黒王子」(全12話。プラスして、13話目はキャラのコメンタリーありの総集編。)
篠原エリカ(cv伊藤かな恵)は1人ぼっちになりたくないから仲良くしているだけの「友達」、立花マリン(cv伊瀬茉莉也)と手塚愛姫(cv小松未可子)に見栄を張って彼氏がいると言ってしまい、せっぱつまって、町でみかけた知らない人の写真を彼氏だと言って見せたら同級生でモテモテの佐田恭也(さた きょうや)(cv櫻井孝宏)だったと。
それに乗ってくれたはいいけれどドSな佐田の犬として調教されつつ、こき使われるエリカという疑似彼氏彼女。と思ったら、佐田がエリカにデレていく物語。
佐田がデレていく過程、2人の関係が逆転する過程が楽しいラブコメでした。
エリカの仲の良い友達でクールな三田亜由美(さんだ あゆみ)(cv茅野愛衣)、佐田の仲の良い友達でにぎやかな日比谷健(ひびや たける)(cv細谷佳正)、昔の佐田のようなプレイボーイだけど改心した神谷望(かみや のぞみ)(cv松岡禎丞)も良い感じに物語を落ちつけたりかき回したり。

佐田はモテモテの人気者なのにエリカはさえない女子というありがちな対比。
佐田は外面は良いのに実は性格が悪いというありがちな対比。
佐田は、母親と姉とは離婚同然の別居中で、同居の父は毎日仕事で帰りが遅いから、実は寂しがり屋だけど、それを見せないというありがちな設定。
でも、エリカが最初に惚れたのに、佐田の方がエリカにより惚れてしまい。暇つぶしが本気で惚れてしまい。調教しているつもりが、(エリカに調教されていてというと大袈裟なので、) しつけ られていて。
現実でも、付き合ってある程度経つと、妙に強気になる女性って多いと思っているのは私だけでしょうか?。そんな感じの2人です。
○ 3話ラストで佐田を好きな自分に気付いて告白したのは早過ぎに感じましたが、それがこの物語の本筋ではないということでしょうし、「お前、ほんと単純だな。それ、勘違いだから。」と言って断る佐田。
でも、佐田はエリカを気にかけているというか、嘘に近いことは明白。特に、その台詞を言う前の瞳のユレが。
○ 日下部憂(くさかべ ゆう)(cv村瀬歩)に佐田がヤキモチを焼いたり、エリカが佐田を振ったり、告白してきた日下部とお試しデートしたりするものの、エリカは佐田を忘れられず、それを自覚して日下部を振ると。
7話、そこに来た佐田が、エリカを手放したくないことを自覚していて。エリカに口づけする佐田、口づけし返すエリカ。
口付けし返したところは、2人の関係性が逆転しかけていて、まずは対等に近くなっていることを示していて、良かったです。
ただ、これでハッピーエンドで終わらないのがこのアニメ。
○ あとは、佐田が自分の気持ちにより素直になっていくためのいくつかのイベント。
宿泊オリエンテーションのバスではエリカの肩を枕に寝ていましたし。佐田がデレていく過程というのも楽しかったです。 (少女漫画原作ですが、こういうのが好まれているのでしょうか?。)
神戸に行くことになって、佐田の母の佐田瞳(cv久川綾)と姉の佐田怜香(cv中原麻衣)に気に入られたり。
佐田が上げた首輪代わりのネックレスを祭で無くし、必死で探すエリカを黙って手伝う佐田とか、それに驚く母と姉とか。

エリカのおかげで佐田の恋愛不信が改善し、母と佐田の仲が改善しそうというありふれたこともあり。
○ 12話ラスト、佐田の子供の頃の写真に喜ぶエリカに佐田が口づけしてから一言で決めました。
「目の前に本物がいるだろ。」
例えば、旅行先などで写真を撮るのは良いとして、写真を撮ることが目的になっているかのような行動はどうかと思います。生の光景を生の目で見て感じることを第一にすべきでは。
【shin】