お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

宇宙探検隊の冒険 9 ~見えざる願望~

2008年01月31日 | 宇宙探検隊の冒険(一話完結連載中)
 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、怪現象に遭遇しました」
「宇宙に怪現象はない、原因不明なだけだ」
「目の前に巨大なトマトが浮かんでいます」
 メイン・スクリーンには、星の少ない宇宙空間に色も形も最上でとてつもなく巨大なトマトが、映し出されていた。
「隊長、今トマトが食べたいと思っていたんです。この空間は、こちらの願望を感知して、空間に投影する作用があるんです!」
「そうか。では試してみよう」
 隊長は目を閉じて意識を集中させ始めた。
空間のトマトが消え、様々なものが映っては消えたり重なったりし始め、それが次第に速さを増し、映っているものが判別できないほど高速になり、何も映らなくなった。
「なんと、どうしたと言うのだ!」
「隊長」隊員が溜め息をついた。「願望が多過ぎて空間の許容範囲を超えてしまったようですね」



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