新名眼科 院長日記

酵素標的・増感放射線療法

今朝はずいぶん冷え込みました。
生駒では氷点下になり、六甲では雪も降ったようです。
午後からは雨もあがるようです。


がんの放射線治療に過酸化水素(オキシドール)を使うことで効果を高める治療があるそうです。

兵庫県立加古川医療センターの小川恭弘院長が開発したものです。
現在は神戸低侵襲がん医療センターで行っていますが、来年中には加古川医療センターでも行う予定です。

がんは大きくなるほど細胞内に抗酸化酵素が増え、酸素が欠乏します。
放射線治療は酸素を利用してがんを殺すため、がんが進行するほど効果が低下します。

小川院長は高知大教授時代、抗酸化酵素を分解するオキシドールと、オキシドールを患部にとどまらせるヒアルロン酸を注射する「酵素標的・増感放射線療法KORTUC(コータック)」を発案し、2006年から高知大で臨床利用を開始されました。
高知大だけで200例を超え、全国でも大阪医科大、長崎県島原病院、東京放射線クリニックなど、計10カ所以上で500例以上実施されています。
多くは乳がんですが、皮膚や肝臓、膵臓、腎臓のがんにも利用されています。

オキシドールは安価で、治療費は1回数百円の注射計5回分で済むそうです。
今後は臨床試験(治験)を実施し、公的医療保険の適用を目指すということです。

患者さんの負担の少ない治療です。
はやく保健適応になってほしいと思います。
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