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色上げ

2009-03-10 07:00:17 | 彫金
地金に色上げする方法は沢山ありますが
銀には古色仕上げが施されている物が多いですね。
私が今まで使っていたのは硫化カリや六一〇ハップの溶液などですが
黒さが足りないので仕上げに古美液を塗ってました。
古美の伝統的な技法として金古美や銀古美などがありますが
表面の変色を防ぐ目的が主といっても良いかも知れません。
その意味では銀は色上げが必要な場合が多く、そのバリエーションを
色々楽しめる素材でもあると思います。
ジュエリー業界では とにかく黒く、それだけを求められがちですが
ある程度の黒さに仕上げられる物が出てきた昨今では
もっと多様な表現をする機会が増えてくれたらなと思っています。
ところで六一〇ハップは製造中止になってしまったのですね
一番手軽に着色できるのが六一〇ハップだったので残念です。
手軽といっても濃い溶液だと斑が出来やすく
温度が低いと青っぽい灰色になってしまうので気を付けないといけませんが。

一方で銀にペンキを塗るようなコーティングやメッキなど施されている商品もあります。
銀をプラチナの代用品として捉えていらっしゃる方や 単に変色するのが嫌という方も
ありますが、銀はとても魅力ある素材です。時々乾いた布で拭いてやるだけで
いつまでも良い味、むしろ時が経つ程に別の味わいが出てきます。
仕事で銀に光沢ニッケルやロジウムメッキを施さなくてはならない時もありますが
その一時の美しさに儚さを感じてしまうのは私だけでは無いでしょう。

画像のバングルはモチーフを際だたせるために薄く色上げしています。