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我が追憶の日吉館

今回は呆れるほど昔のお話しです。
近鉄奈良駅から東大寺方面に歩くと、古風な建物がありました。旅館『日吉館』です。
昭和40(1965)年夏、高校の同級生E君と数泊したのを皮切りに、何度か利用しました。大学に入学した早々で、
この夏に齧った歴史書や、写真(当然ながら安価なカメラです)、そして古寺(古都)巡りは、数十年後まで趣味として
続いておりました。
さて日吉館。なんとも変わった旅館でしたねえ。ハガキで予約すると確認のハガキが届き、「1泊800円でお受けします」という
内容。いかに昭和40年前といえど、まったく破格の料金。
しかも、宿泊当日到着すると、「申し訳けありませんが、750円でお願いします」ということになりました。

変わった旅館で、朝食は大広間(単なる大部屋)で揃っていただきます。夕食は同じ部屋でバラバラに食べた・・・と記憶して
おります。続きがありまして、握り飯プラス沢庵の昼食が宿泊代に含まれていました。朝食の時に分かったのですが、宿泊客は
実に多彩でした。数泊するうちに分かったのですが、学生あり、休暇の勤め人、画家、画家志望の美大生、カメラマンおよび
カメラマン志望・・・実にさまざまでした。
そんな宿泊客が、食事を終えると雑談タイムに入り、同じような会話の時間は夕食にもありました。いや、夕食後の方が長く
話が続いていました。当然ながら、当時の筆者はもっぱら聞き役でしたが。
朝食後に話が長々と続いていると、女将がやんわりと「そろそろ出かけたら」と告げるのです。そう。古美術愛好者が集う宿
だったのです。
後に知ったのですが、錚々たる画家・カメラマン・作家などが定宿にしていたようで、筆者が利用した時にも、そんな有名人が
泊まっていたのかも知れません。無知で世間知らずの18歳、恥ずかしい思い出です。

遥か後年、日吉館が営業をやめる・・・という記事が主要新聞に載りました。数年後、奈良を訪ねる機会がありました。建物は
そのまま残っていましたが、使っていない木造建築の宿命として、ずいぶん傷みが目立っていました。
しかしながら、薬師寺や唐招提寺、法隆寺、それから、(修学旅行生を除けば)訪れる人が少なかった東大寺、気に入りの仏像
を観にたびたび訪れた新薬師寺などなどへの起点は、すべて日吉館だったのです。

昔話だけに長くなりました。東京オリンピックの翌年を皮切りに、脳裏に刻まれている「わが追憶の日吉館」の一席でした。

☆ 紫紺倶楽部再開します。再開第一弾は、明治初年に実施された『岩倉使節団』を」テーマにします。ゲストには、使節団の
事績を研究している会の副理事長・塚本弘さんを迎えます。
  10月9日(日)、明治大学駿河台キャンパスで開催します。

☆ 第11回三遊亭楽天落語会のご案内

日 時 11月11日(金) 
会 場 日本橋お江戸日本橋亭
出 演 三遊亭楽天
入場料 2,000円
※ コロナ感染に配慮し、定員を減らし開催いたします。

お問い合わせは

紫紺倶楽部事務局
嶋 丈太郎
携帯090-1702-5076 まで
shimajyo.oripro@nifty.com
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