柴ノート

感じたことを書き留めたり、考えをまとめようとするのに使っていきたいと思います。

商店街はなぜ滅びるのか

2012-07-24 22:47:24 | 日記
商店街の生い立ちと変遷を独自の視点で分析・解説した上で、現状における衰退の必然性を示すと同時に、これからの時代における商店街の存在意義についても主張しており、今後商店街が生き残るための著者なりの方策を提案することによってまとめた本。

商店街はなぜ滅びるのか

緻密な文献調査をベースに、各時代における世の中の動きを明快に描き出しているので非常に説得力があり、すんなり頭に入ってきたのと、ただ事実を並べるだけでなく、独自の視点で解釈を加えているので、読みごたえがあり、興味を掻き立てられながら読み進めることができた。著者の新さんは自分のふたつ下の1973年生まれで、学習院大学で社会学の非常勤講師をしているとのこと。才能だけでなく、自分のテーマに真摯に取り組む姿勢が滲み出ており、とても好感を持った。
あとがきを読んで初めて分かったのだが、筆者はご両親が酒屋を業態転換してコンビニを苦労しながら経営してきているのを間近で見ており、筆者のこの実体験に基づく感性が、この本の説得力をさらに増しているのを感じた。

今の日本の最重要テーマのひとつである地域活性化を考える上で是非読んでおきたい本。