十五夜 (黄桜さん作)
悲しみに暮れる東北
荒れ果てた大地
鎮魂の魂
今年も「中秋の名月」を迎える季節となりました。
既に日も暮れて
岸辺がぼんやりと確認できる川の流れのど真ん中。
膝上の緩やかな流れは 既に紺碧(こんぺき)の色合いをかもしだしています。
やがて 月が昇りだすと同時に
月光(げっこう)がさざ波の上を
川下から金色(こんじき)に染め抜いてゆきます。
それはまるで
風に揺れるベルベットの手触りのように。
長く伸びた自分の影は
川上の月明かりの中をさ迷います。
やがて 川面に白い靄(もや)が漂いはじめます。
それはまるで
シルクのカーテンを織り成すようです。
一重(ひとえ)に川面を映しだす金色の月明かりを包んで行きました。
川面に浮かんだ 生きる思いは
忘れかけていた優しさなのかも知れない。